採用市場の動向は?
採用市場に影響を与えた出来事としては、2020年からのコロナ禍が注目されがちですが、その裏側で大卒新卒の減少スタートや理系人材の採用競争、またそもそも働き方の多様化など、さまざまな変化が起こっています。採用市場を取り巻く変化について、大きなトピック5つを紹介します。
採用活動のハイブリッド化
2020年から始まったコロナ禍によって、採用活動のオンライン化が一気に加速しました。2022年現在、コロナ禍はある程度収束に向かいつつありますが、今後もオンライン採用の流れは継続するでしょう。
サマーインターンや説明会、一次面接などの母集団形成・ファーストコンタクトはオンライン、選抜インターンや最終面接などの深い関係構築やクロージングは対面というハイブリッド式の採用活動が定着しつつあります。
大卒でも始まる少子化と採用競争の激化
ご存じのとおり、少子化によって日本の生産年齢人口は減少傾向にあります。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、生産年齢人口は、戦後右肩上がりで増加をしていましたが、1995年の8,726万人を境に減少し始め、2015年には7,728万人にまで落ち込んでいます。2029年には7,000万人を割り、2065年には4,529万人まで減少すると予測されています。
参考:日本の将来推計人口(平成 29 年推計)
しかし、じつは少子化の一方で、大学進学率の上昇によって大卒人数は過去30年で大きく増加、直近10年間は横ばいになっていました。
参考:大学入学者数等の推移|文部科学省
ただ、大学進学率もついに頭打ちになりつつあります。したがって、過去30年間、高卒採用も多い飲食や建設、サービス業などで起こってきた人手不足が、今後は大卒の新卒採用、そして中途採用の市場でも起こっていきます。
日本経済自体の縮小による採用数の減少が生じるのはタイムラグがあるため、この先20~30年ほどは景況感に関係なく、新卒採用、中途採用分野における売り手市場化が一気に進行していくことが予想されます。
理系人材の獲得競争
“DX”がトレンドになり、どんな業種・業態であってもIT活用は避けられない状況になりつつあります。結果として、AIエンジニアやデータサイエンティストなどの専門職はもちろん、ITエンジニア全般が極度の人手不足に陥っています。
技術習得に一定の時間がかかるITエンジニアは、他職種からの転換が進みにくい側面もあり、育成しやすい新卒の理系人材を獲得しようと考えるIT企業が増加しています。少子化トレンドも後押しし、ITエンジニアの経験者はもちろん、理系人材の獲得競争が熾烈を増しています。
副業・兼業の促進
政府が副業・兼業を推進していることはご存じのとおりです。2018年1月に厚生労働省が働き方改革の一環として「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、それに伴って「モデル就業規則」なども改訂されました。企業は、正当な理由がなければ副業・兼業の禁止はできないとされています。
リモートワークの普及も後押しして、副業のマッチングサービスなども増加。副業ができるかどうかを会社選びの基準にする人材も増えています。
ワークスタイルの多様化
コロナ禍によるリモートワークの普及も相まって、ハイブリッドワーク、フルリモート、フルフレックス、時短勤務など、さまざまなワークスタイルが台頭しました。シニアや女性の活躍推進などの流れもあり、「正社員は週5日8時間勤務」という感覚も薄れつつあります。
上述した兼業・副業に加えて、「複業」として複数の会社や組織に所属する人も増加しています。また、フリーランス人口も増加しており、古くから日本に根付いていた“正社員至上主義”の意識が変わりつつあります。










