最後に新卒採用の母集団形成に使える10個の採用チャネルと使い方を解説します。幅広い採用手法を知り、自社にあった手法を選択することで、より効果的な母集団形成をおこなうことが可能になります。
1.求人サイト
求人サイトは、新卒採用におけるメインの手法として長く定着しています。求人サイトのメリットは、一度に多くの学生にアプローチして、効率的に母集団形成できることです。
10年ほど前は、主要な求人サイトは数個しかありませんでしたが、現在は、数十万人の学生が登録する総合サイトから、業界や職種、志向性等に応じた専門サイトまで多数の求人サイトがあります。
総合サイトは、学生数が多い一方で、大手企業や人気企業とも同じ土俵で戦うことになります。専門サイトは、登録学生数は数千~数万人と少ないものの、特定の条件で絞り込まれた学生にアプローチすることができます。自社のターゲットや採用力を踏まえて、適切な求人サイトを選んでいきましょう。
2.人材紹介会社(新卒紹介)
人材紹介会社のサービスを利用した場合、自社に必要な人材を効率よく採用できます。人材紹介会社を利用するメリットは、以下の4つです。
- 採用ターゲットに近い人材を厳選して紹介してもらえる
- 採用活動の手間や負担を最小限に抑えられる
- 成功報酬であり、リスクがない
- 内定承諾までを人材紹介会社のアドバイザーがサポートしてくれる
成功報酬である分、採用単価は少し高くなりますが、工数を抑えられる分、採用人数等によっては最も効率よい採用手法になることもあります。母集団形成をはじめとした採用に関するノウハウを自社に蓄積できない点は注意が必要です。
3.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、従来型の「待ち」の採用ではなく、企業側から学生に対してアプローチしていく「攻め」の採用手法です。
具体的には、ダイレクトリクルーティングサービスに登録している学生のプロフィール(匿名)をチェックして、自社にマッチしそうな学生に対してメッセージを送る形になります。学生がメッセージを読んで、興味を持てば、エントリーや返信をして、個人情報が公開されます。
ダイレクトリクルーティングは、知名度で劣っている中小企業やベンチャー企業でも、メッセージ等を工夫することで優秀な人材を採用できる、はじめから絞り込んだ母集団を形成できる手法として注目が高まっています。
一方で、こまめに学生のプロフィールをチェックして、メッセージを送信する手間がかかるという注意点もあります。
4.リファラル採用
リファラル採用は、社員や関係者から応募者を紹介してもらう手法です。昔からある縁故採用と同じですが、より積極的・組織的に応募者を探す仕組みとして進化させたものがリファラル採用です。
実際に働いており社風や働き方をよく知っている、また、相手のことをもよく知っている社員がマッチングしてくれることで、精度の高い採用ができることが特徴です。新卒の場合には、サークルや研究室等の繋がりを保っている新入社員や内定者等を巻き込むことで、効果的なリファラル採用が可能です。
優秀な学生にリーチできる、また、コストを抑えられる等、大きなメリットがあるリファラル採用ですが、短期的に採用人数を計算しにくいという部分があります。従って、中長期的に取り組んでいくことが良いでしょう。
5.合同企業説明会
合同企業説明会(合説)は、一度に多くの学生に接触できるチャンスの一つです。また、「理系学生向け」等、ターゲットを絞った合同企業説明会も開催されているため、参加するイベントを選ぶことで、ターゲットに接触できる可能性を高めることも可能です。
合同企業説明会の動員は、“リアル版求人サイト”のようなイメージです。イベントに参加した学生は、入り口でパンフレットをもらって、行きたいブースを回る形となります。もちろん、ある程度声をかけて集めることも可能ですが、求人サイトと同じように人気業界、知名度のある会社に人が集中しやすい傾向があります。自社の動員しやすさによっては、最適な手法ではないかも知れませんので注意しましょう。
6.マッチングイベント
マッチングイベントとは、小規模の合同企業説明会と一次面接がセットになったようなイベントです。集まる学生は数十人から百人程度となることが大半です。その代わり、合同企業説明会と異なり、集まった学生全員に対して自社の会社紹介をできることが大半です。
また、学生のグループワークやディスカッションを見たり、短時間での面談を踏まえたりして、学生を評価したりすることが可能です。評価後に、会いたい学生との話せる時間を設けられているものも多いです。
従って、マッチングイベントをうまく活用すれば、知名度のない企業でも学生を魅了付けすることが可能ですし、採用の工数を減らすことも可能です。合説と同様、あらかじめ対象をセグメントしたイベントも開催されています。
7.学内セミナー
学内セミナーは、特定の大学や専門学校の生徒に向けた会社説明会のことで、一般的には、大学内の教室等で開催されます。学内セミナーは、特定校での母集団形成が可能であり、また、ゼミ等で実施できれば理系学生や特定の専攻学生にアプローチすることも可能です。
なお、一般的には、大学内での会社告知は、
-採用広報の解禁前 ⇒人気企業による業界勉強会-採用広報の解禁直後 ⇒学内での合同企業説明会
-5月6月頃から ⇒単独での学内セミナー、キャリアセンターからの個別推薦
といった形でおこなわれることが大半です。
8.大学の就職課・研究室
前項でも少し触れましたが、大学の就職支援課や研究室に直接通って、就職の決まっていない学生を紹介してもらう手法もあります。費用が発生しないため、コストを抑えた採用活動が可能です。
ただし、学生を紹介してもらうためには、大学の担当者や教員との関係作りがカギとなります。関係性を構築するには、定期的に学校に通ったり、情報を交換したりする等の長期的なアプローチが求められます。
9.Web広告やSNS
自社ホームページ内に採用ページを設けたり、採用サイトを立ち上げたりすることは採用活動においては一般的です。求人サイトと異なり、掲載内容やテキスト量、写真や動画等のコンテンツも自由に設計できますので、学生の求めている情報を伝えやすいという特徴があります。
一般的に採用ページや採用サイトは、新規の母集団形成というよりは、接点を持った学生に自社の魅力を伝えるための施策となります。しかし、SNSやWeb広告と組み合わせることで、採用ページに新規流入を作ることも可能です。とくに最近では、Twitterを使った採用活動にも注目が集まっています。
10.新卒ハローワーク
ハローワークというと、中途のイメージが強い方もいるかもしれません。しかし、リーマンショック後から国が力を入れて進めてきたのが、新卒ハローワークです。新卒ハローワークの強みは、各大学にキャリアカウンセラーを派遣していることです。
とくに、翌年度(3年生)の採用支援がスタートする5月6月になってくると、各大学で4年生支援に手が回り切らなくなる状況が発生するため、新卒ハローワークのキャリアカウンセラーを受け入れている大学は非常に多いです。
従って、おもに夏以降の施策となりますが、後半戦で採用活動をおこなう中小企業や夏までに採用目標人数に届いていない場合には、頭に入れておくと良い採用チャネルです。
インターンシップ
インターンシップは採用チャネルではありませんが、この数年、母集団形成を目的としたインターンシップが一般化、急増しています。過去5年ほどで、インターンシップを実施する企業は約3倍、2万社に迫る勢いです。
大半が1dayインターンシップであり、そこで接触した学生に対して、早期選考を案内するというやり方です。最近では、「インターンシップをメインの採用活動として、3月以降はインターンシップで採り切れなかった場合の予備施策」「インターンシップ経由で採用目標人数のうち、5割を採る」等、明確に目標設定する動きが増えています。
これに伴って、「1dayや2時間等の手軽なインターンシップを、ターゲット学生が興味・関心を持つテーマでおこなって母集団形成をおこなう、そこから選抜して、合格者にだけしっかりと自社の魅力を伝えたり、社員との交流を作ったりすることで志望度を上げる、選抜型の2dayや合宿型のインターンシップを開催する」という企業も増え始めました。