カジュアル面談とは?導入のメリットや効果的な進め方、注意点などをポイント解説

更新:2022/07/15

作成:2022/07/11

カジュアル面談とは?導入のメリットや効果的な進め方、注意点などをポイント解説

近年、中途採用の分野で“カジュアル面談”という言葉を耳にする機会が増えています。背景には、働き方に対する価値観の変化や採用チャネルの多様化があります。昨今、終身雇用の概念が崩れ転職が当たり前になり、またダイレクトリクルーティングやリファラル採用などが広まったなかで、採用プロセスにカジュアル面談を組み込む企業が増えているのです。

 

カジュアル面談とはどのような面談スタイルで、通常の面接とどう違うのでしょうか。記事ではカジュアル面談とは何か、導入する目的やメリット・デメリット、また、効果的な進め方と取り入れる際の注意点などを紹介します。

<目次>

カジュアル面談とは何か?

カジュアル面談とはその言葉どおり、採用を検討している企業と求職者が“カジュアルな雰囲気のなかで面談して、互いが知りたい情報を交換し合う場”を指します。

 

オンラインや社外のカフェなどで行なわれることも多く、中途採用(キャリア採用)で使われることが多いですが、新卒採用でも利用されています。

 

カジュアル面談はまず、基本的には選考に直接関わるものではありません。選考も企業側が一方的に質問することの多い通常の面接とは違い、両者がリラックスした状態で互いに質問したり答えたりしながら、相互理解を深めていきます。

 

特に中途採用の場合には、カジュアル面談を通して初めてその企業の良さを知り、入社意欲が高まってエントリーを決める求職者もいます。

 

近年では多くの企業が本選考の前にカジュアル面談を取り入れており、ダイレクトリクルーティング(ダイレクトソーシング)やリファラル採用など、企業から求職者に直接アプローチする採用手法を取る際の入口として導入されるケースが増えています。

カジュアル面談と面接はどう違う?

採用活動の面接は、自社の採用基準に求職者がマッチするかどうかを判断するために行なうものであり、求職者を“選考”して“合否を決める”ことがいちばんの目的となります。

 

これに対してカジュアル面談は、企業の理解を深めてもらったり、お互いの仕事に対する価値観をシェアしたりするためのフラットな情報交換の場であり、合否に直接関係しないことが前提です。

 

正式な選考前に行なうため、面接と違って履歴書や職務経歴書の受け渡しも行なわないことが一般的です。

カジュアル面談を導入する目的

近年カジュアル面談を行なう企業が増えているのはなぜか。主な目的としては次の3つが挙げられます。

 

多くの人材と接点を持つ

面接となると求職者側も身構えてしまい、気軽に応募しづらくなる場合もあります。特にダイレクトリクルーティングやSNS経由の採用などをしている場合、“親しみ”はあっても、転職意欲がまだ高まっていなかったり、応募するレベルまでは至っていなかったりすることも増えています。

 

カジュアル面談は選考には無関係という前提ですので、応募のハードルが低く、選考応募や入社の意志がまだ固まっていない段階の求職者でも参加しやすくなり、結果的により多くの人材と接点を持つことが可能になります。

 

気軽にお互いを知る

選考を目的とした面接では求職者が緊張を強いられ、素の自分を出してくれないおそれがあります。また、求職者側から聞きたいことや不明点があっても、言い出しにくいかも知れません。

 

リラックスした雰囲気のなかで行なわれるカジュアル面談であれば、求職者に心理的な安心感を持たせ、本音で話してもらいやすくなります。求職者の本音を知ることで、それに合わせて企業の魅力を伝えることも可能になります。

 

ミスマッチを防ぐ

選考の初期段階でカジュアル面談を行ない、仕事内容への認識や価値観の相違がないかをお互いが本音で確認できれば、ミスマッチの防止につながり、早期退職や社内での人材不適合などを防ぐ効果が期待できます。

 

また、上記の目的でのカジュアル面談は、場合によっては選考前ではなく、選考過程で人事や既存社員との面談を設定することもあります。

カジュアル面談のメリット

カジュアル面談の目的は先ほどお伝えしたとおりです。少し重複するところもありますが、本選考の前にカジュアル面談を行なう企業側のメリット3つを整理してみます。

 

選考にはエントリーしてくれない人に出会える

企業ホームページや募集要項だけで自社の魅力を伝えるのは難しいものです。関心がかなり強くならないと、説明会に足を運んでもらったり選考に応募してもらったりするのは容易ではありません。

 

また、前述のとおり、“転職を視野に入れていても転職意欲が高まり切ってはいない”人材の場合、そもそも企業の選考に応募すること自体がかなりのハードルとなります。

 

その点、気軽なカジュアル面談というタッチポイントがあれば、そこまで志望度が高くない人材も応募・承諾しやすくなるため、多くの候補者に出会える機会が増えます。そして、率直に気兼ねなく語り合ってお互いのニーズや価値観がマッチすれば、本エントリーにつながる可能性も広がります。

 

求職者の不安を払拭し、志望度を高めるきっかけとなる

どのような求職者でも、仕事内容や職場環境・企業の雰囲気・人間関係など、未知の企業に対しては大なり小なり不安を抱えているものです。

 

カジュアル面談を活用することで、社員との直接対話を通して文字だけでは伝わりにくい情報を届けることができます。

 

そして業務内容や職場環境についても現場社員から詳しく説明できるため、“この企業で働く自分”をより具体的にイメージしてもらいやすくなり、志望度向上のきっかけになることが期待できます。

 

求職者本人の“素”の価値観や考え方に触れられる

選考の場での受け答えや自己PRとは違って、カジュアル面談ではリラックスした状態でキャリアへの考え方や現職での体験を話してもらえることで、求職者の“素”の価値観や考え方に触れられます。

 

かしこまった面接の場ではなかなか触れられない“素”の価値観や考え方を知ったうえで、自社の風土や制度、働き方やキャリアを話すことができると、相手の共感や安心感の向上につながるでしょう。

カジュアル面談の注意点

カジュアル面談にはさまざまなメリットがありますが注意点もあります。しっかりと把握したうえで、取り組むことが大切です。

 

面談を担当する社員の負担が生じる

カジュアル面談を担当する社員は通常業務の合間に面談を行なうため、準備も含めて負担が増える部分はあります。特に人事や幹部が対応する場合は要注意です。

 

カジュアル面談は、スカウトメールでオファーしたり、社員からのリファラル(紹介)で実施するケースも多くあります。そうなると、企業側の都合で勝手に手短に切り上げたり、断ったりすると非常に悪印象です。

 

初めは良いですが、運用するなかでは同じ社員ばかりに負担がかからないように配慮したり、周囲がサポートする体制を整えたりすることが必要となります。

 

相手の温度感が低すぎると、双方にとって時間の無駄になる

気軽に参加できるカジュアル面談といえども、相手の温度感があまりに低いと、お互い時間の無駄になりかねません。

 

双方にとって有意義な時間になるよう、“事前にメールで自社の資料を送る”“自社のホームページを読み込んでもらう”など、濃密な対話ができるよう相手にも準備をしてもらうことが重要です。

カジュアル面談の進め方

カジュアル面談の担当者は、相手が知りたい情報を持つメンバーをアサインするのが基本です。特にエンジニアやデザイナーなどの専門職の場合、業務を詳しく語れる必要があるため、現場社員による面談をおすすめします。

 

人事による職務説明程度では不十分で、選考離脱の要因にもなりうるため注意が必要です。担当者が決まれば、当日の進め方には特に決まったルールはありませんが、次のような手順で行なうのが一般的です。

 

アイスブレイクも兼ねて自己紹介する

まずはアイスブレイクを兼ねて、自己紹介からスタートしましょう。基本的に面談に来る側、特に相手が新卒学生だったりする場合はかなり緊張しています。

 

最初の10分で緊張をほぐして和やかな雰囲気を醸し出せるかどうかが、その後の面談の質を左右します。

 

自己紹介をきっかけに、リラックスした状態で双方向のコミュニケーションをとることが、本音や素のパーソナリティを知ることにもつながります。

 

相手の状態やニーズを確認する

相手に選考へ進んでもらう意欲を高める必要がある場合には、現在の就職/転職活動の意欲や状況、なぜ転職を考えているか、どのような軸で就職を考えているかなどを確認して、それに合わせて効果的な魅力づけを行なっていく必要があります。

 

「なぜカジュアル面談に参加しようと思ってくれたのか」「自社にどのようなイメージを持っているか」などの質問もしながら、相手の企業理解や意欲を確かめ、伝えるべき情報を整理していきましょう。

 

相手のニーズに応じて企業紹介を行なう

前項の質問を通して相手が特に知りたいことが何か(事業展開?仕事内容?働き方?理念?企業風土?キャリアパス?福利厚生?etc.)を把握したうえで、相手の反応を見ながら柔軟に話を展開しましょう。

 

事実と異なることを盛って伝えるのは絶対にNGですが、求職者が魅力に感じるであろうポイントを把握して、重点的にアピールすることが大切です。

 

また、自社が実際に「どのような人材を必要としており、その理由はなぜか」ということを明確に伝えることも大切です。

 

相手からの質問に答える

企業の説明が一通り終わった段階で、気になったことや不安に感じることなどはないかを尋ねましょう。それらに対してきちんと回答することで、少しでも相手の興味付けやモチベーションアップに結びつけることが大切です。

 

次ステップとなる選考の案内を行なう

面談を通して自社に合いそうだと感じたら、必ずその場で次のステップとなる選考の案内をしましょう。

 

相手から見て志望度が低かった企業でも、カジュアル面談の印象が良く、加えてレスポンスが早くて次のステップへの段取りもスムーズであれば、企業イメージが変わって志望度が上がるかも知れません。

 

異なる方法でもOK

より気軽に参加してもらうため、“ランチミーティング”的な方法を取ったり、複数人が参加する“ピザパーティー”形式で行なうなど、別のスタイルのなかにカジュアル面談の要素を取り入れる方法もあります。

カジュアル面談の注意点

せっかくカジュアル面談の場を設けても、求職者にネガティブな印象を与えてしまっては台無しです。双方にとって有意義な時間になるよう、これから紹介する4つのポイントは押さえておくことをおすすめします。

 

“選考”ではないことを事前に明言する

カジュアル面談で最も気をつけるべきポイントは、選考の場(=面接)にならないことです。

 

相手に「選考の判断材料にされるかも知れない」と不安を抱かせてしまうと、カジュアル面談の意味がなくなってしまうだけでなく、「カジュアル面談と聞いていたのに、実際は面接のようだった」と心証を害し、マイナスイメージの内容を広められてしまう恐れもあります。

 

そのためにも“採用選考の場ではない、合否とは関係のない面談である”ことを、自己紹介の前後など早い段階であらためて伝えるようにしましょう。

 

事前に資料を渡しておく

せっかくの面談がベーシックな企業の説明や、表面的な質疑応答になっては双方にとって時間の無駄です。面談前に企業理解を少しでも深めてもらえるよう、パンフレットなどの資料を送付するとか、企業サイトを共有するなどの工夫をしましょう。

 

また、面談を担当する社員のプロフィールを前日にメール等で伝えておくのもおすすめです。求職者が事前に質問を用意しやすくなり、緊張を和らげることにもつながります。

 

自社の弱みも含めてリアルな情報を開示する

プラスのことばかりをアピールしてしまうと、入社後にギャップが生じ、モチベーションの低下や早期退職につながる可能性があります。

 

自社の弱みや業務の大変さも含めて率直に話すことで、ミスマッチを防ぐようにしましょう。その方が結果的に定着率や企業に対する信用度の向上にもつながります。

 

また、優秀な求職者ほど、「自分の強みを生かすことで組織にどう貢献できるか?」という視点を持っています。相手の強みを生かして解決して欲しい課題なども積極的に開示するとよいでしょう。

 

一方的に話を聞き出そうとしない

通常の面接では企業側が一方的に質問する形になりがちです。しかし、カジュアル面談はあくまでもお互いの情報交換と対話の機会です。

 

面接の感覚で一方的に接するのではなく、会話のキャッチボールをしながら、自社について知ってもらう、興味を持ってもらうスタンスで臨むことが重要となります。

ベンチャー企業、中小企業にとって初期接触のカジュアル面談は大切!

ベンチャー企業、中小企業にとって人材採用は、長期的視点で事業を伸長させるうえで最も注力すべき活動の一つです。

 

なかでも求職者との最初の接点(ファーストコンタクト)は「この企業は面白そう」「自分に合っているかも」「一度話を聞いてみたい」と興味・関心を持ってもらううえで特に重要です。

 

従来型の採用活動(特に新卒)では、ファーストコンタクトの場としてセミナーや説明会を行なう企業が多かったのですが、それにかけられる人員やコストに制約があり、かつ知名度が低いベンチャー企業や中小企業にとって、こうしたイベントを継続的に開催するのは容易なことではありません。

 

そこでベンチャー企業や中小企業の実情を踏まえ、ファーストコンタクトの場としておすすめしたいのがカジュアル面談です。カジュアル面談は求職者との接点が持ちやすく、事前の準備も面接より手間がかかりませんので、継続的に実施しやすい採用手法となります。

 

採用サイトやSNS、ダイレクトリクルーティングなどでカジュアル面談の希望者を募る際には、「当社に興味さえあれば、特に準備は必要ありません」と明記して、参加へのハードルをあらかじめ下げておくことがポイントです。

 

また、在籍中の若手・中堅社員で、カジュアル面談が最初の接点だったケースがあれば、“カジュアル面談をきっかけに入社し、活躍している社員の事例”として積極的に採用サイトなどで紹介すると、面談希望者はより応募しやすくなるでしょう。

 

ベンチャー企業や中小企業にとってカジュアル面談は、求職者とのタッチポイントをつくる、また、入社意向度を高める手法として期待できます。告知も自社メディアやSNSなどで手軽にできますので、ぜひ活用したい手法です。

まとめ

知名度がなく事業内容も広く知られていないベンチャー企業や中小企業にとって、カジュアル面談はお互いの情報交換の場というだけでなく、志望動機を“新たに持ってもらう”貴重な機会でもあります。

 

ファーストコンタクトのカジュアル面談で相手に好感を持ってもらい、その後の選考、ひいては採用・定着へとスムーズにつなげられるよう、今回ご紹介した具体的な面談の進め方や注意点を踏まえながら、ぜひ実践で取り組んでみてください。

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