本章では、中途採用における母集団形成のステップを簡単に紹介します。
採用計画をすり合わせる
中途採用の場合、新卒採用と異なり、採用ポジションや人数、また、採用レベル(採用基準)が状況に応じて変わります。
従って、自社の事業計画や組織状況を踏まえて、採用の決裁者層と採用計画をすり合わせることが非常に重要です。
新卒採用の場合、基本的にポテンシャル採用で職種別採用を実施する場合には2~数種類程度です。
しかし、中途採用の場合は、10ポジションで1人ずつといった採用になることも有り得ますし、逆に1ポジションで10人という場合もあります。
前者と後者では適した採用方法もまったく変わってきます。
また、同じ営業職の採用でも、「事業計画上、○月までに絶対5人確保したい。育成はするのでポテンシャル層でかまわない」場合もあれば、「いまの営業メンバー内でリーダー候補になる人が不足しており、1年後に営業リーダー候補となるレベルの即戦力」という場合もあります。
採用ポジションと人数だけでコミュニケーションしていると、上記のような定性的な採用ターゲットや採用の位置づけがズレる場合がありますので要注意です。
採用ターゲットを明確にする
いくら母集団を形成できても、採用につながらない人材ばかりでは意味がありません。
自社にとって必要な人材を集めるためにも、どのようなスキルや能力を求めているのかを踏まえ、ターゲットを明確にする必要があります。
採用計画の大枠が決まったら、まずは、ポジション毎に求める必要スキルなどの採用基準(スペック)を洗い出しましょう。
ポテンシャル採用の要素を含む場合には、スキルだけでなく性格特性や行動特性などの適性も考慮することをおすすめします。
なお、求めるスキルや能力をリストアップしていくと、大体理想像になっていきます。
リストアップした後で、必須(MUST)と歓迎(WANT)を区分すると、ある程度現実的な採用基準になってくるでしょう。
採用ペルソナを作成する
ターゲットを明確にしたら、さらに採用ペルソナに落とし込んで具体化することがお勧めです。ペルソナとは「ターゲットを象徴する架空の人物像」を意味するマーケティング用語です。
採用ターゲット(採用基準)を決めた段階では、求めるスキルや経験の箇条書きになっていることが大半です。
ここに「人物」としての側面を肉付けしたものが採用ペルソナです。例えば、以下のようなものを付け加えていきましょう。
- 年齢、性別
- いまの会社、仕事内容
- 生活スタイルや趣味、プライベート
- 仕事へのスタンスやキャリア分
- 転職理由
- 転職·就職活動のやり方
- 自社を選ぶ理由
採用手法を検討する
採用ターゲットが明確になり、ペルソナも完成したら、いよいよ母集団形成に向けて採用手法を検討します。中途採用における採用手法には、以下のような方法があります。
- 転職サイト
- ダイレクトリクルーティング
- 人材紹介
- 転職イベント
- SNS採用(ソーシャルリクルーティング)
転職サイトは、中途向けの求人サイトに求人を掲載し、応募者のエントリーを待つ方法です。オンライン上で多くの人が閲覧できるため、母集団を形成しやすいメリットがあります。
しかし、マッチング度の低い求職者からも応募がある、他社の情報に埋もれてしまいやすいなどの注意点もありますので、採用ターゲットと自社の採用ブランドなどを踏まえて適した転職サイトを選ぶことが大切です。
ダイレクトリクルーティングとは、契約サービスに登録する求職者を検索して、企業からスカウトメッセージを送る採用方法です。企業側から「攻める」採用手法として注目を集めています。
自社が欲しいと思う人材にピンポイントでアプローチできる、メッセージの文面を工夫することで知名度等がない会社でも優秀人材を獲得できる点がメリットですが、運用に手間や工数がかかります。
人材紹介とは、人材紹介会社から求職者を紹介してもらう方法です。
採用単価は割高になりますが、自社のターゲットにマッチした人材を完全成功報酬で紹介してもらえるため、効率よく採用活動を進められます。
転職イベントは、転職サイトの運営会社や行政、公的機関、HR企業が開催する合同企業説明会やマッチングイベントです。求職者と直接会えることが転職イベントの魅力です。
転職サイトなどでは知名度や所属業界などで応募を集めにくい企業でも、直接会ってアピールすることで志望度を高めることができます。
最後に、SNS採用(ソーシャルリクルーティング)は、SNSを通じて求職者へアプローチする手法です。
運用にコストがかからないことがメリットですが、一定のフォロワーを集めないと母集団形成などにつながりませんので機能させるまでに時間がかかります。
募集を開始する
採用手法を決めたら、実際の募集を開始します。募集に際して、求人票の作成は大切なプロセスのひとつです。
求人票を作成するに際して、採用ターゲットと採用ペルソナにとっての会社と求人の魅力をしっかりと整理して作成することが大切です。
採用手法によってはサービス提供側で求人票を作成してもらえることもありますが、その際に自社の魅力ポイントをしっかりと伝えることが大切です。
求人票が作成できたら、選択した手法で母集団形成を開始しましょう。
予算や工数との兼ね合いはありますが、成果報酬制のサービスなどもうまく取り入れながら幅広く告知するのがおすすめです。