中途採用の社員が使えない!がっかりしないための見極め方や対策を解説

更新:2022/05/26

作成:2021/11/04

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

思い詰めるビジネスマン

中途採用ではスキルや実績で即戦力かを判断しがちですが、それだけでは入社後に「使えない……」となってしまう可能性があります。入社後に活躍してもらうには、成果を上げたプロセス、またヒューマンスキルや性格特性をしっかり見極めることが大切です。
記事では、中途採用で入社後に使えないと判断されるケースの原因や、面接で使えない人材を見極める方法、使えない中途社員への対応方法を解説します。

 

<目次>

中途採用で使えない人材と判断されてしまう原因や特徴

こめかみを抑えるビジネスマン
期待して採用したはずの中途人材が、実際に入社したあとに「使えない」と判断されてしまうことは少なくありません。
使えないと判断される原因は入社した中途人材にあると考える企業も多いのですが、実は企業側にも原因があるケースも多くあります。採用した中途人材が「使えない」と判断されてしまう主な原因は大きく3つのパターンに分けられます。

 

  • 面接での見極めミス、誤認
  • 中途人材の能力と企業からの期待値のミスマッチ
  • 受け入れ体制やプロセス

 

入社した人材のみに起因する原因としては、企業に馴染まない、前職のやり方を曲げずに孤立無援になってしまうなどの点から、使えないと判断されてしまう場合です。

使えないと判断される人の主な特徴
  • 仕事のやり方に強いこだわりを持っている
  • 積極的に学ぼうとしない
  • 協調性、コミュニケーション能力が乏しい
  • 質問しない
  • スキル不足
  • 前職と比較する

 

周囲から「使えない」と思われる要因は中途人材側にもありますが、事前に見抜けなかった、もしくは使えなくしてしまった企業側にも原因があります。したがって、使えない中途人材を生み出さないためには面接で見抜くスキルを磨くとともに、中途人材の受け入れと育成プロセスをしっかりと改善していくことが重要です。

 

中途採用で求められる人物とは?

中途採用に慣れていない企業ほど「中途採用=即戦力採用」として、同業界や同職種などの経験や過去の成果や実績に惑わされがちです。しかし、過去の成果や実績が、その人の実力だけで出した成果とは限りません。
また、新卒採用と同様、中途採用においても積極性や柔軟性、素直さなどの人物面はとても重要です。一部に「知識=仕事力」となる仕事も存在しますが、ほとんどの仕事は、周囲との人間関係や行動力、吸収力、性格特性などが、戦力化までのスピードやパフォーマンスに大きく影響します。
パーソルキャリア株式会社(旧インテリジェンス)が実施した調査でも、中途採用で最も求められるヒューマンスキルが「積極性」、次に「柔軟性」という結果が出ており、経験やスキルだけではないということがわかります。

企業が求める人物像
積極性74%
柔軟性60%
外向性59%
綿密性39%
配慮・サービス性38%
機敏性35%

出典:「企業が求める人物像は?」採用担当者のホンネ−中途採用の実態調査|doda 
スキル面に関しても表面的な経験や成果だけで判断するのではなく、次章で紹介する視点でしっかりと見極めることが大切です。

 

面接で使えない人材を見極める方法

採用面接で使えない人材を見極めるためには、表面的な経験やスキル、成果だけではなく、仕事のプロセスや本人のパーソナリティにも着目する必要があります。

成果に再現性があるかを確認する

中途人材が提示している成果は、外部要因やラッキーパンチによる可能性もあるため、成果を上げるために何をしてきたのか、どのようなPDCAを回して成果を上げたのかなど、成果の上げ方に自社での再現性があるかをしっかりとヒアリングしましょう。

立場や役割、環境をしっかりと聞く

組織で上げた成果に対して応募人材が中心に動いていたわけではない場合もありますし、達成率や表彰などの実績に関しても市場や事業の伸び、表彰基準などによって意味合いが変わってきます。したがって、面接では前職での立場や役割、外部環境などを確認することも大切です。

カルチャーフィットを採用基準に加える

カルチャーフィットとは、候補者の価値観や考え方と、自社の社風や価値観とが一致するかどうかを意味します。入社後の定着度・活躍度は、企業文化に馴染めるかどうかで大きく変わるといっても過言ではありません。
特に中途採用の場合は、経験があるからこそ入社後に価値観を変えることが難しくなるため、採用時点でカルチャーフィットを確認することが大切です。事前に自社のカルチャーやバリューを言語化しておき、当てはまるかどうかを面接の段階で見極めましょう。
カルチャーフィットの見極めは面接だけではなく、配属予定部署の上司やメンバーに会わせたり、適性検査などと組み合わせたりするとより効果的です。また、採用サイトなどで自社の雰囲気やカルチャーを詳しく伝えるようにすると、応募の段階でカルチャーフィットの人材が集まりやすくなります。

構造面接の手法を導入する

じつは相手によって質問を変えていく「非構造面接」と呼ばれる面接は、入社後のパフォーマンスを見抜く精度がとても低くなっています。面接の見極め精度を高めるためには、何をどう質問するのかをしっかりと決めておき、事前に決めた構造にしたがって面接を進めることもポイントです。
例えば、エピソードを深堀りする場合はSTAR法を導入するのがおススメです。STAR法とはSituation、Task、Action、Resultの頭文字を取った略語で、過去の行動に関する情報をうまく引き出すためのフレームワークになります。

STAR法
  • S(Situation):状況 →背景、目的、目標、難易度、人数、期間など
  • T(Task):行動 →役割、苦労したこと、難易度など
  • A(Action):行動 →行動事実、背景など
  • R(Result):成果 →結果、改善点、反省点、再現性など

 

また、パーソナリティなどを確認するときには「仕事で大切にしている価値観は?」「自律性を発揮してきた経験は?」など、知りたい内容をストレートに質問してしまうのも有効です。

実際の仕事ぶりを確認する

中途人材が使えるかどうかの見極めは、ワークサンプルを実施して実際の仕事ぶりを見てみるのが最も有効です。ワークサンプルは一種の職業体験です。疑似的に仕事を手伝ってもらうだけでも、仕事の進め方やコミュニケーションスキルなど、面接だけでは判断できない要素も見極めることができます。
ワークサンプリングが難しい場合は、ロールプレイングを実施するのも有効です。例えば、HRドクターを運営する採用支援会社ジェイックでは、採用面接の際に営業職であれば商談のロールプレイング、講師職であれば講義デモなどを、求職者に実施してもらうこともあります。

 

仕事ができない中途社員を生まないポイントと能力の伸ばし方

声をかける男性社員

採用の時点で優秀な人材を見極められても、受け入れ態勢が整っていなければ「使えない人材」になってしまう可能性があります。したがって「使えない中途を採用してしまった……」とならないためには、入社後の受け入れ体制を整えることも大切です。

期待値、時間軸を設定する

中途人材を「使えない」と感じてしまう大きな要因は、企業側と中途人材の意識の違いです。したがって、入社後はパフォーマンスに対する期待値、時間軸を適切に設定し、本人と共有する必要があります。
特に時間軸に関しては、慎重に設定することが大切です。中途採用に対して短期間での「即戦力」を求めすぎると、結果的に受け入れがうまくいかなくなるケースも生じがちです。

馴染みやすい職場環境を整える

どんなに経験豊富な人材でも、組織に馴染めなければ能力を発揮することはできません。「馴染む」とは、理念や沿革、組織構成や人員、社内用語や専門用語、行動規範や暗黙知などを知ることです。
入社後の研修で、社内システムや業務の進め方、業務スキルなどのレクチャーはしっかり実施していても、前者のような理念や沿革、社風や行動規範、暗黙知などについて馴染むプロセスを組んでいる企業は稀です。
組織に馴染むためのオンボーディングを積極的に取り入れることで、中途人材の保有能力を早期に発揮できるようにしましょう。

教える側の教育をする

中途人材を適切に教育・サポートするためには、教える側のスキルも重要です。先述した成果をあげるまでの時間軸や成果の期待値を本人と共有したり、馴染むプロセスを促進したりする、また、OJTの教え方や本人へのフィードバックなども、教える側のスキルによって効果は大きく変わります。
教えるスキルは自然と習得できるものではありません。「教えるためのスキル」をしっかりとレクチャーすることも大切です。

入社後も適性を確認する

入社後は、過去の経歴やスキルなどから適切と思える業務を任せることになりますが、その間もOJTなどを通じて適性を確認しましょう。合わないと思われる場合は仕事の配分を変えたり、ヒアリングを行なったりして、適性を見極めていくのが効果的です。
また、どうしても適性が見いだせない場合は、いつまでも今の業務を任せていても効率が悪いだけなので、思い切って別の業務に異動させるのも方法の一つです。

 

まとめ

中途採用で「使えない」と判断されてしまうケースの原因は、中途人材と企業側の両方にあります。中途人材側の原因としては、仕事のやり方に強いこだわりを持っている、前職と比較する、積極的に学ぼうとしないといったものがあり、これらは採用前の面接でしっかりと見極めることで未然に防ぐことが可能です。
また、企業側の原因には期待しすぎ、受け入れ態勢が整っていないなどがあり、企業側の受け入れプロセス上の問題で中途人材を「使えない」状態にしてしまっている可能性があります。
中途採用で使えない人材を採用しないためには、面接官の面接スキルを高めるとともに、馴染みやすい職場環境の調整や教育担当者の教育など、受け入れプロセスの改善に力を入れることが大切です。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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