時期による中途採用のトレンド【基礎知識】
年間を通じた中途採用、転職市場のトレンドを、変化をもたらす要因とともに確認しておきましょう。転職市場に活性化するタイミングがあるのは、採用企業と求職者、双方の要因があります。
中途採用が活発化する3つの時期
転職市場で活性化する時期は、年間を通して3回あります。
1つ目が「年始の1~2月」です。この時期は求人数が増えます。日本企業の約3割が3月末決算で、4月に新年度を迎えます。それに合わせて人員を増強、新年度を迎えようとする企業が多いため、年始の求人数が増加するのです。
なお、採用予算の余剰がある場合、年度内に使い切りたいという意向が働くことも1~2月の活性化を後押しする要因です。
2つ目に「5月末~6月頃」です。この時期は、転職者が増えます。6月の賞与を受け取った後に転職しようと考える求職者層が、転職活動をスタートするためです。企業側も、既存社員の退職を見越して採用を増やす場合があります。
最後に、「9~10月頃」にも求人数が増加します。これは、年始のピークと同じで、10月からの下期に向けての採用活動をおこなう企業が増えるためです。
ただ、お盆があることや、あくまで半期の区切りであることから、「必ず10月に間に合わせたい」というほど強い意欲ではないため、9~10月は緩やかなピークとなります。転職/採用活動には、1~2ヵ月程度かかるのが一般的です。従って、上記のように、転職/採用を完了したい時期の1〜2ヵ月前に市場の動きが活発になることが多いのです。
中途採用の求人数が少ない2つの時期
転職市場では、求人数が少なくなる時期もあります。
求人数が減る1つ目は「5月頃」です。ゴールデンウィークの大型連休もありますし、4月に入社した新入社員の配属や研修に人事担当者の時間が割かれてしまう、前年度末に活性化した反動で少し採用が落ち着くといった要因があります。
もう1つが「12月」です。これは年末の慌ただしさで中途採用まで手が回らない、また年末年始に入ってしまうと、母集団形成しても選考が難しい等の要因です。
景況感や社会情勢にも大きく影響される点に注意
確認した通り、中途採用、転職市場は月ごとに固有の傾向があります。ただし、こうした時期ごとの事情だけでなく、景況感や社会情勢も転職市場に大きな影響を与えることに注意しましょう。
とくに中途採用は、新卒採用以上に、景況感の変動や先行きが不透明なときには「一旦停止」になる傾向があります。
新卒採用は一度止めてしまうと、リカバリーすることが難しく、また採用しない年度を作ってしまうと将来的に年齢構成等に影響が出てしまいます。しかし、中途採用は一旦停止しても、後からリカバリーできますし、年齢構成等には影響しませんので、景況感を敏感に反映するのです。
近年では、リーマンショック、東京オリンピックの開催決定、新型コロナウイルスの感染拡大等が転職市場に大きな影響を及ぼしてきました。逆にいえば、転職市場は、景況感が悪くなると、一気に採用競合が減る、ともいえます。
自社の業績や資金が健全であり、中長期的に採用活動をする必要があるようであれば、景況感が悪い、先行きが不透明で求人数が一気に減るときは、優秀な人材を採用するチャンスだといえます。
採用時期を調整できるケースとできないケース
紹介してきたように、求人数が少ない時期、転職者が多い時期の方が、採用活動を有利に進めやすくなることは事実です。ただし、中途採用においては、市場のトレンドに合わせて採用時期の調整できるとは限りません。
例えば、欠員補充の採用、新プロジェクトや拠点展開のための採用、年度や期に合わせて採用したい場合は、有利な時期を見極めて調整する余裕はないでしょうし、その必要もありません。できるだけ早く人材を確保できるよう動くのがベストです。
一方で、営業力の強化や将来の幹部候補の獲得、中長期的な年齢構成の是正等、時期を融通できるケースでは、自社に有利な時期を見極めて採用活動をおこなうことも効果的です。






