
従来からある5つの代表的な採用方法を見ていきましょう。
ハローワーク
ハローワークは、公共の職業紹介ですので、求人掲載にコストはかかりません。採用対象によっては、採用に関する助成金や給付金の対象となることもあります。
一方で、ハローワークは就職が困難な人たちを支援するセーフティーネットとしての役割を担っています。従って、企業が採りたいと思う優秀層や若手層の採用を行うことは困難です。ただし、都市部と比べて求人倍率が低く、行政の信頼性が高い地方では、ハローワークでの採用が有効な場合もあります。
求人媒体(紙/Web)
求人媒体には「紙媒体」と「Web媒体」の大きく分けて2種類があり、近年では完全にWeb媒体が主流です。ただ、紙媒体はページをめくっていく中で「ふと目に留まる」という一覧性が高いため、採用ターゲットによっては今も有効です。Web媒体(求人サイト)は、様々な業界・職種を総合的に扱うものから、業界や職種に特化したものまで、様々な種類があります。採用ターゲットによって自社に適した媒体を選ぶことが重要です。
なお、現職/前職で活躍している人材になるほど、求人サイトを使って無闇に応募することが減ります。そもそも仕事に困っていない(積極的に転職先を探してはいない)ことも増えますので、自ら探すのではなくダイレクトリクルーティングサイトに登録してオファーを待ったり、人材紹介を使って転職したりすることが増えます。
従って、求人媒体を使って、“ハイレベル”“スペシャル”な人材を採ることは難しいでしょう。また、求人サイトの利用に際しては、原稿作成から応募後の魅了付けまでを自社が主導して進めますので、魅力抽出や言語化、口説き力などの採用力を持っている必要があります。
自社媒体
「媒体」というと大げさですが、自社ホームページやSNSは採用手法の1つです。また、店頭の貼り紙や社員の名刺なども、1つの採用媒体だといえます。
あるネット系企業では、全社員の名刺に「採用担当」という肩書きが入っており、名刺の裏側には自社採用ホームページのQRコードが入っています。取引先やパートナー、情報交換の相手などにどんどん名刺は配られていきます。例えば社員1人あたり3か月で100枚の名刺を使うとすれば、100人の社員がいれば、年間で4万枚の名刺が配られるわけです。
店舗ビジネスや塾などの業界では、アルバイト学生やパートスタッフからの社員登用がうまくいっている会社は採用が順調です。学習塾を運営するある会社では、新卒採用においてアルバイト学生からの登用が採用人数の60%ほどを占めています。
当然外部に支払う採用費用を抑えることが出来ていますし、仕事にも慣れていますので一種の即戦力です。当たり前ですが、“アルバイト学生が入りたいと思う職場になっている”ことが重要です。
このように自社が持っている接点は採用に繋げることも出来ます。もちろん短期的な効果を計算することは難しいですが、「自社媒体」からの採用が軌道に乗ると、求人コストを抑えることが出来ますし、自社への理解が深い即戦力層を採用することも出来ます。
採用イベント
採用イベントの魅力は、「会える」ことが確約されている点です。従って「母集団を集める力」は弱いが「人材を口説く力」は高いという企業に向いている採用方法です。“業界としては少し不人気だが、優秀な人材を採用担当にしている”会社や“経営者が参加して人材を魅了付けする”会社は、採用イベントを活用して採用成功していることが多いです。
採用イベントは、求職者が行きたいブースを回る「合同企業説明会」型と、企業と求職者が話す場が組み込まれた「マッチングイベント」型があります。合同説明会型の採用イベントは、知名度や業種によってブースを訪れてくれる求職者数が変わります。マッチングイベント型の場合は、会える機会までは平等ですので、「人材を口説く力」で勝負できるウェイトがより大きくなります。
人材紹介
人材紹介は、求める人物像やスキルを人材紹介会社に伝えると、条件に当てはまる人材をコンサルタントが紹介してくれるサービスです。採用に工数をかけられない、あるいは採用力に自信がないといった場合におすすめですし、また、経験者層や優秀層にピンポイントで会いたいという場合にも有効です。
ただし、採用コストが高くなること、採用ノウハウが自社に蓄積されないことがデメリットといえます。