本記事は、全2部構成でお送りします。Vol.1は下記よりどうぞ。
<目次>
出戻り社員インタビュー
ここからは実際に一度ジェイックを退職して、再び“出戻り”として再入社して活躍してくれている福田というマネージャーにインタビュー形式で話を聞いていきます。
近藤 軽く自己紹介をお願いします。
福田 ジェイックの福田です。私は2016年に中途でジェイックに1回目の入社をしました。新卒でマーケティングコンサルティング会社に入社し、その後SNSマーケティングの広告代理店などを経験しています。
2016年に入社して、最初は企業向けのマーケティング部署、その後求職者向けのマーケティング部署に異動しました。主に既卒や第二新卒領域の求職者向けマーケティングで新規の販促チャネル立ち上げ、SNSマーケティングの立ち上げなどをやっていました。
2021年の年末に、とあるスタートアップ企業から“マーケティング責任者としてチャレンジしてみませんか?”とオファーをいただいて転職しました。
そこで1年間経験しましたが、自分的に至らないところがあったり力不足を痛感したりした中で、当時やり取りしていたジェイックの取締役とやり取りした時、「戻ってくる選択肢もありだよ」と言ってもらったことがきっかけで、出戻り入社に至りました。
今はジェイックに戻ってきて、既卒、第二新卒領域の求職者向けマーケティングを再びやっています。
近藤 仕事をしていく中で退職しようと思った理由はどんなことがありましたか?
福田 一番大きかったのはスキルアップです。ジェイックはいま33期目で、上場して社員数も200人と組織としてある程度整っている部分があります。
その中で「もう少し経営者に近いところで仕事をしたい」と当時(30歳の時)は思いました。ジェイックというある程度成熟してきた会社よりも「スタートアップでチャレンジしたい」という気持ちがすごく大きかったですね。
近藤 退職を決めた当時、自身に足りていないと思っていたのは、どんなスキルでしたか? また、スタートアップ企業に転職したことでどんな経験を積めたり、スキルが身についたりしたでしょうか?
福田 当時の自分に圧倒的に足りてなかったのは、経営者視点でマーケティングを考えるところと、施策や戦略を考えるスキルだなと思っています。
スタートアップに転職して、実際に経営者と近いところで仕事をする中で、「経営者はこういう風に考えているのだな」という経験を積むことが出来ました。
ジェイックだと代表と直接話す機会はあまり多くはなかった中で、スタートアップでは社長と膝を突き合わせて話す経験が多く、マーケターとして「経営者の視点」は身につけさせていただいたかなと思います。」
近藤 退職するとき、相談した人はいますか?
福田 近藤さんには最初に相談させていただきました。他にもジェイックにはプライベートで一緒に飲むような先輩社員も多かったので相談する相手は多かったかなと思います。
近藤 身につけたいスキルがしっかり身につけられた中で、改めてまた転職しようと思った理由は何でしょう?
福田 スタートアップに転職して半年くらい経ち、経営者と近いところで仕事をする中で、自分なりにいろいろ葛藤がありました。
そのタイミングでジェイックの取締役の古庄に、経営者との関わり方について相談していて、『悩みのレベルが上がったね。経営者の視点で悩めている』と褒めてもらえました。この言葉にはすごく救われた気持ちがありました。
その時、古庄からは『このまま頑張って欲しいし、一方で、戻ってくる選択肢もありだよ』と言われました。それまで私の中でジェイックを一度裏切ってしまった感覚があったので、“戻る”という選択肢はありませんでした。
しかし、古庄の言葉でジェイックがすごく嫌で辞めたわけではなかったので、“戻る”という選択肢をなくし続ける必要もないのだと思うことができました。そこからジェイックに戻ると選択肢が頭の中によぎり始めました。
近藤 いろいろと葛藤がありながらも、身につけたいスキルが得られた。しかし、その中で続けるのが難しいと思った一番の要因はどんなところでしょうか。
福田 一番大きいのはスタートアップという企業フェーズの中で、社内にも“競争”にあふれた価値観が強かったところです。
一方で、ジェイックは“Win-Winを考える”というか、“皆で一緒に勝とうとする文化”が強いと思います。その中で、スタートアップで“競争”という価値観を軸にして働くことが苦しくなってきたという感覚です。
近藤 視聴されている方からの質問です。転職を決めた時、ジェイックに対してネガティブな理由はなかったでしょうか?
福田 ネガティブな理由という表現が合っているかは分からないですが、昇格や新しいことへのチャレンジスピードに関しては正直、鈍さを感じていた部分はあります。それがスタートアップという環境を求めたことにもつながっています。
近藤 転職を検討し、その中で「もっとチームで勝っていく」ことを実現するならジェイック以外の選択肢もあったと思います。一度退職したジェイックに戻ることは勇気も必要だと思いますが、選んだ理由は何でしょうか。
福田 正直な話をするとジェイック以外の選択肢は考えていませんでした。1年働いたスタートアップも別に嫌いになったわけではないですし、“残る”という選択肢もあった中で、転職するとしたらジェイックしか考えていませんでした。
その時、背中を押してくれたのはスタートアップの代表です。相談した際に『多分ジェイックのことが大好きなんだね』と言われました。その一言で、私の中ではジェイックに戻ることが確信に変わりました。
近藤 いろいろと葛藤はあったと思いますが、それでもジェイックに戻ろうと思った理由は何でしょうか。
福田 一番大きいのは、戻ることをまだ決めきれていない状態の時にジェイックの2人に相談した時、重たい雰囲気にならず、「悩んでいるなら戻ってくるのもありだよ」ぐらいの軽い感じで言ってくれたことが大きいですね。
近藤 給与など待遇面では違いがありましたか?
福田 直球で聞いていただいたので直球で返すと(笑、マーケティングの責任者とポジションでオファーいただいたので、待遇でいうとジェイック在籍時よりもかなり良い条件をいただいて転職しました。
近藤 ジェイックに戻ってくるときはどうですか?
福田 正直言うと、元々ジェイックにいたときよりは上げていただきましたが、転職したスタートアップの会社よりは下がりました。
近藤 退職の際は上司に本当の理由を本音で話せましたか?
福田 話せる上司と話せない上司がいますし、その理由も必ずしも1つではないかなと思っております。「この理由はこの上司には話せるけど、この理由はこの上司に話せない」というのもあって、話している理由が全部建前かというと、そんなことはなく全部本当です。
ジェイックの場合はそれぞれの分野ごとに本音を話せる相手がいたので、その意味で本当の理由を一通り話したかなと思います。
近藤 どういう関係性が作れていると本音で話せそうですか?
福田 仕事の話に終始しない関係性が話しやすさのポイントだと思います。たとえば、1on1の時にもちろん仕事の話もしますけど、例えば両親との関わり合いや、プライベートの話をすることもありました。
先輩社員とは土日に集まって飲むみたいな機会も結構あり、仕事に終始しない関係性があったことは心理的安全性を確保されて本音を話せる関係性の根源だったと思います。
近藤 “出戻り”で入社して感じるプレッシャー等はありますか?
福田 プレッシャーはないです。1回辞めた上で戻ってきたからこそ、「自分でこの会社を選んだ」ということについて、ずっと在籍している人以上に確信を持てていると思います。
そういう意味でプレッシャーはないですが、誰よりもこの会社を良くしていこうという覚悟みたいなものがあります。
社員と本音で対話をするために大切なこと
福田へのインタビューの中で『本音で話せましたか?』という話もありました。最後に、本音で話せる関係性の作り方を解説していきたいと思います。
「心理的安全性が保たれている関係性」を作るというのは、その人が何かしらの意思決定するときにサポートしてあげる存在になることだと思います。メンバーが意思決定をするときに、そのプロセスに寄り添って後押しする関係性が大事です。
傾聴力も大事ですが、傾聴しているだけではだめです。会話をする際には傾聴していればいいのですが、相手にある種の刺激を与えて「決断や行動を促していく」となると、どう伝えるかも大事になります。
今後、アルムナイ採用が増えるような組織づくりをしていきたいと考えるのであれば、部下との対話力を身に付ける、リーダーシップのリスキリングが大事かと思います。
対話力を高めていくことは、強いチームづくりにも繋がっていきます。
これまでのリーダーシップ、チームビルディングは、メンバー個人のコミットメントを生み出す強いリーダーシップが求められてきました。
しかし、これからの時代に「良い会社」だと思ってもらい「また戻ってきたい」という気持ちになってもらうためには、新しいチームビルディングをしていく必要があります。
遠慮のない率直さだけではなく、心理的安全性をしっかりと担保していく必要があります。組織内外での競争を煽っていくと、どうしても失敗が許されない環境になってしまいます。失敗をどんどん許容してあげることも必要です。
また、「チャレンジして良い」という環境も大切です。また、個人のコミットメントを求めつつ、同時にチームで成果を出していくためのシナジーを発揮させるアプローチをしていくことも求められます。
時にはトップダウンで進めるような力強さを持ちつつ、メンバーとはフラットな関係性をキープできる管理職が今は求められています。
30代後半~40代以上の方々にとっては自分が受けてこなかったマネジメントがいま求められています。管理職の人たちは自分たちが受けてきたマネジメントを踏襲するのではなく、今求められるマネジメントを実現できるようにリスキリングする必要があり、リスキリングして身に付けるべきスキルの代表格が“対話力”です。
エンゲージメントや業績づくりと同じで、アルムナイ採用が進むような組織を作るうえで管理職マネージャーが与えるインパクトが大きいです。だからこそ、組織として管理職のレベルアップ・スキルアップをサポートしてあげる必要があります。
世界的な調査会社であるギャラップの調査によると、社員が定着し、自身の数字にコミットして活躍するような関係性を作っていくための要素として、最も大きなインパクト要因は管理職であるという結果も出ています。ギャラップは「社員のエンゲージメントの70%は管理職で決まる」というデータも公開しています。
これからの管理職が身につけるべき対話力
管理職に求められるスキルも変わってきています。
ラーニングエージェンシーの「求められている管理職像の変化に関する調査」を見てみると傾向がよく分かります。説得よりも対話、トップダウンよりもボトムアップ。育成のしかたも「自分の背中を見て覚えろ」よりも「強みにフォーカスして仕事をアサインしていく力」が大事になってきます。
ジェイックでは、管理職の対話力を高めるためにデール・カーネギーのプログラムを、社内にも顧客にも展開しています。
リーダーシップを発揮してもらうために、その手前で必要なメンバーから協力を得られる関係性を作っていきます。メンバーとの人間関係を強化して、信頼関係を高めるための取り組みです。
ジェイックでも幹部社員にデール・カーネギーのトレーニングを実施すると、メンバーから「すごく話しやすくなりました」「意見を言いやすい関係性を作ってくれるようになりました」といった声が上がってきました。
管理職やマネージャーの対話力をリスキリングすることによって、社内のコミュニケーションが活性化し、組織力が向上していきます。
アルムナイ採用や退職防止を考えた際、個々の従業員にどうアプローチするかも大事ですが、管理職やマネージャーの対話力を高めることも考えてみてください。やはり最終的には「よい会社」「働きがいのある仕事」「本音を言えて本音で応えてくれる職場」になっていくことが大切です。
組織作りや次世代リーダーの育成を検討されていれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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