
本章では内定者フォローの具体策を紹介します。
- 定期連絡と情報提供
- 既存社員との座談会
- 内定者同士のワークショップや懇談会
- 研修やワークショップ
- 内定者向けのブラザー・シスター制度やメンター制度の実施
- 内定者フォローツール
定期連絡と情報提供
内定者フォローで最も基本となるのは定期連絡と情報提供です。
前提として、最近の新卒採用において人事は内定承諾者が出揃ってくる頃には、翌年度の採用活動、インターンシップがスタートすることが多くなっています。また、採用目標に人数が届かなければ、採用活動にさらに時間を費やさなくてはなりません。
そのなかで、選考中や内定承諾するまでは連絡が多かったのに、内定承諾したらコミュニケーション頻度が落ちるということが生じると、いわゆる「“釣った魚には餌をやらない”感じか。入社後も丁寧には扱ってもらえないのでは……」と内定者の不安が募ってしまいます。したがって、定期連絡は非常に重要となります。
定期連絡は双方向でのコミュニケーションだけでなく、SNS等を使って気軽に企業の話題を発信することも有効です。また、双方向・個別のコミュニケーション部分は採用人数が増えると人事の手が回らなくなる部分でもあるので、後述する内定者向けのブラザー・シスター制度などを実施することもおススメです。
既存社員との座談会
内定者と既存社員でフランクに喋ることができる機会を設けることも内定者フォローの定番です。
座談会は、既存社員との対話を通じて入社の動機を再確認する、また、入社後のキャリアをイメージしてもらうことで入社意欲の向上につながります。また、生の情報を提供することでリアリティギャップをなくすことにも役立ちます。
なお、座談会は参加メンバーに丸投げするのではなく、事前準備をしっかり依頼しましょう。参加メンバー座談会の意図を共有し、よくある質問に対して自分自身の喋る内容(例えば、入社理由や仕事のやりがい、大変なこと等)を事前に整理しておいてもらうことがお勧めです。
内定者同士のワークショップや懇談会
内定者同士のワークショップや懇談会を通じて、チームビルディングをしていくこともおススメです。内定者にとって同期の存在は、入社後に壁を乗り越えたり目標に取り組んだりするうえで精神的な励みになります。
同時に、内定者間の関係性をつくることで内定辞退防止にもつながります。形式張ったものではなく、ワークショップ+懇親会のような形で内定者同士が仲を深められる場を提供するのが望ましいでしょう。
研修やワークショップ
上述したように内定者のモチベーション向上、チームビルディング、入社後の早期戦力化などを目指した研修やワークショップも定番です。例えばパーソルキャリア株式会社では、内定者の1年後の目標設定を既存社員が一緒になって設定する”内定者×タニモク”を実施しています。また、ニトリホールディングスでは”エンプロイー・ジャーニーマップ ”というツールを使って定年までの期間を10年単位に分け、どのような仕事をしたいか・どのようなスキルを身につけたいかを具体的に描き出すことを実施しています。
上記のように入社を前提にして、入社動機を再確認したり、入社後の目標設定やキャリアプランを考えたりすることは辞退防止にもモチベーションUPにも有効です。
こういった内定者のモチベーション向上やチームビルディングにつながる研修を実施する企業は増えています。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、”強み活用”に着目した内定者研修、”レゴ”を使った内定者研修などを提供していますので、ご興味あればお問い合わせください。
内定者向けのブラザー・シスター制度やメンター制度の実施
本来のブラザー・シスター制度は、新入社員一人ひとりに相談相手となる先輩社員をつける制度です。新入社員と年齢が近く、OJT指導者などでもない(上下関係がない)若手社員が企業に馴染むうえでのサポート役になります。
これを内定承諾者向けに実施するのが内定者向けのブラザー・シスター制度/メンター制度です。新卒採用が中規模(10〜30名ぐらいの採用)になってくると、人事担当者だけで内定者を個別にフォローするのは容易ではありません。
だからこそ、採用が中規模以上になったときは内定者向けのブラザー・シスター制度やメンター制度を検討することも有効です。ブラザー・シスターとなる既存社員には「定期的に連絡してコミュニケーションする」ことを依頼します。
内定者フォローツール
前述のように内定者をマンパワーで手厚くサポートしようとすると、社内の人的リソースを消費しかねません。人的リソースを当てたくない場合は内定者フォローツールの活用も一つの手段です。
前述したSNSでの情報発信などはLINEグループなどを使っても実施できますが、もう少し機能等を充実させたい場合には、内定者フォロー専用のITツールの活用もおすすめです。
内定者フォローツールでは、SNSや掲示板などの機能で企業と内定者をつないだり、社内の様子・雰囲気をオンラインで伝えられたりします。情報を限られた範囲で共有でき、内定者間のやり取りなどをある程度コントロールできる点が魅力です。
例えばサイボウズ株式会社では、自社ツール「サイボウズLive 」を活用して、SNSのような感覚で近況や写真を投稿できる状態にしています。