フィードバックは、これまでリーダーや上司にとって重要なスキルの1つとされ、さまざまな分野で行われてきました。
しかし、最近は新たな人材育成方法としてフィードフォワードが注目されています。今回は、フィードフォワードに基づく部下の育成方法についてご紹介します。
<目次>
フィードフォワードとは?
フィードフォワードの意味
フィードフォワードとは、「成功に向けて何をすべきか」という目標の達成につながるアイデアを話し合うことを指す、人材育成のための手法の1つです。
失敗したことの原因を追究するのではなく、前向きに未来を変えていこうという意欲を育てることを狙いとしています。
フィードフォワードは、個人に対する否定的な批判ではなく、まだ起こっていない未来に関する話のため受け入れやすく、前向きな思考や自主性の育成に効果的といわれています。
フィードフォワードとフィードバックとの違い
フィードバックは、過去を振り返り「何が問題であったか」「なぜこのような結果になってしまったのか」という点に注目します。
そのため、個人のミスや至らなかった点、間違いなどを証明する作業になってしまいがちです。
誰しもネガティブな指摘を受けることは気持ちの良いものではないため、個人のモチベーションを低下させてしまう可能性があり、常にプラスの効果があるとは限りません。
また、フィードバックが上から目線の批判と受け止められてしまい、期待する効果が得られないこともあります。
フィードフォワードが部下の育成に有効な理由
部下に受け入れられやすい
フィードフォワードは、まだ起きていないことに対して議論されるため、フィードフォワードを受ける側である部下が、周囲からの意見を建設的なアドバイスとして前向きに受け入れやすいことが特徴です。
また、評価する側である上司も、批判的にならずに前向きな議論を行うことができます。結果的に、部下一人ひとりのモチベーションを下げることなく、個人の成長につなげることが可能です。
誰にでも幅広い意見が出せる
未来に起こりうる可能性を模索し解決策を考えることは、議論のテーマさえ理解できれば上司・部下関係なく誰でもできます。
フィードフォワードによって多様な視点から意見やアイデアが集約できるため、発想の幅を広げることができます。
フィードフォワードの活用方法
部下の育成以外にも、フィードフォワードはさまざまな場面で活用できます。
上司としての成長を促す
リーダーやマネージャーとして社員を管理する立場になったとしても、努力を続けなければ成長は止まってしまいます。
しかし、役職が上がるほどアドバイスを受ける機会は減り、自らフィードバックを求めても相手が気を遣ってしまうこともあるため、望み通りにいかないのが現状でしょう。
フィードフォワードであれば誰にでも意見が言いやすくなるため、上司としての成長にもつながります。また、フィードバックは幹部社員候補や管理職の育成にも役立つと考えられます。
メンバー同士の対話の機会を作る
フィードフォワードを通してメンバー同士の意見交換ができる場を設けることは、チーム内のコミュニケーションの円滑化や結束力アップにつながるなど、さまざまな効果が期待されます。
何気ないコミュニケーションから新しいビジネスのアイデアが生まれることもあるかもしれません。
おわりに
今回は新たな人材育成方法として期待されているフィードフォワードについてご紹介しました。失敗と向き合い、失敗した原因を突き詰めて考えることは大切です。
しかし、間違い探しに終始し、建設的な意見が出てこないということも少なくありません。フィードフォワードを取り入れ、前向きな解決策を模索してみてはいかがでしょうか。