令和の時代に求心力を持つリーダーは、昭和の時代のリーダーとは異なる特徴があります。いまの時代に求められるリーダーがどういう特徴を持つのかを解説します。
大義やビジョン、明確な目標
ミッションやビジョン、目標の重要性は過去よりも増しています。働く価値観や雇用形態が多様化、また、ある程度物質的に充足した世の中にもなっている中で、社内の待遇や金銭的な報酬だけが持つ求心力は相対的に低下しつつあります。
平均的な待遇よりも非常に高い報酬等を示せるのであれば別ですが、標準的な報酬水準の範囲で人を惹きつけようと思った時、重要度が増しているのが仕事のやりがい、精神的な報酬です。
「生活の糧を得る」ということ以外に「自分の時間をかける価値がある」「仕事している意味がある」と思わせる大義やビジョンが大切です。また、大義やビジョンは抽象的なものになりますので、マイルストーンとして「達成したい」「これを成し遂げたらわくわくする」と思わせるような明確な目標も重要でしょう。
熱意と行動力
大義やビジョン、目標を掲げた上で、リーダーが率先垂範して取り組む、背中を見せることも大切です。
組織の規模が大きくなれば、リーダーが現場に出ることもよりも大切なことも出てくるでしょう。ただ、何をするにしても、リーダーがひた向きな姿勢を見せることで、それに共感した人が集まってくる、その熱意に人が巻き込まれるものです。
「なんとしてでもやり遂げる」という強い決意を持つことが、リーダーとして頼りがいがある印象を与え、挑戦意欲のある人材を惹きつけるでしょう。
誠実さと責任感
企業の社会的責任が厳しく問われる今の時代において、誠実さや責任感を持って仕事に取り組めることも、リーダーの求心力として大事な要素です。
利益最優先の行動を取ってしまったり、トラブルが起こっても隠そうとしてしまったりすると、それに嫌気がさしてしまった人たちが離れていくようになり、社会的な制裁を受けることにもなってしまいます。
とりわけZ世代と呼ばれる若い世代は、ハラスメントやワークライフバランスにも敏感です。結果さえ出せれば評価されるという時代ではありません。人間の器や人格が求心力につながってきます。
ヒューマンスキル
正解が無く価値観が多様化する時代にあって、チームメンバーの価値観や気持ちに寄り添えることも、リーダーとしての重要なスキルになってきます。「この人は、私のことを分かってくれている」とメンバーから思われるようなリーダーには、メンバーもしっかりとついて来てくれるようになります。
そのために大事なのが、自分の正しさを押しつけるのではなく、メンバーの声を受け止める傾聴力や相手の気持ちを感じ取れる共感力です。共感力やヒューマンスキルは「メンバーの言うことを鵜呑みにする」「メンバーの意見を何でも尊重する」ということではありません。ただし、昔のようなトップダウン型のマネジメントは通用しない時代になっています。
メンバーの意見を汲み取って、気持ちに寄り添ったうえで、リーダーとして決断を下せる。こうしたヒューマンスキルと決断力を併せ持つことが必要になっています。
自己開示
メンバーとの間に信頼関係を構築するためには、リーダーが自己開示することも重要です。
「他人に弱みを見せるな!」と言われて育った昭和世代は、あまり自己開示できなかったり、武勇伝のようなことを話してしまったりしがちです。そうなると若い世代からは、人柄が分かりづらいから付き合いにくいと距離を置かれてしまったり、過去の自慢話など聞きたくないと遠ざかっていかれたりといったことになりかねません。
前述の通り、いま求められているのは「能力だけが優れているリーダー」ではなく、「メンバーと一緒に進んでいける人間味のあるリーダー」です。
リーダーが自分の弱みや失敗を見せることで、メンバーからは親近感を持ってもらえるようになるとともに、「この人は信用できる」と思ってもらえるでしょう。それは、メンバーが自己開示することにもつながります。
頼る力
人を頼れるということも、令和型リーダーの大きな特徴の一つです。仕事が細分化・高度化していく今の時代においては、リーダーがすべての分野に精通し、万能であることは不可能です。
メンバーそれぞれの強みや専門性を的確に把握し、強みや専門性が最大限の成果を生み出すようにマネジメントしていくことが、これからの時代には重要になってきます。
メンバーとしても、リーダーから頼りにされることで仕事にやりがいが生まれ、エンゲージメントが高まっていくでしょう。
感謝力
リーダーとしての振る舞いの中で、当たり前のようで意外と見落とされがちなのが、「感謝を伝える」ことです。
今の時代には、生活のためや家族を養っていくために働くという価値観だけでなく、自己実現や社会貢献を重視するという人も増えてきています。また、職場のコミュニティとしての側面、人間的なつながりや関係性も大切です。
感謝の言葉が何もないといった職場は、精神的に満たされずに離れていってしまうという人が出てしまうこともあります。心の報酬という面にも配慮し、メンバーに対して労いや日頃の感謝を伝えることが大切です。