ソリューション営業の定義と位置づけ
まずはソリューション営業の概要や営業スタイルの種類、他の営業スタイルとの違いについて整理しておきましょう。
ソリューション営業とは?
ソリューション営業とは、従来の営業のように「モノやサービス」を売るのではなく、「ソリューション」、つまり、顧客の課題を解決したり願望を叶えたりするための手段としてモノやサービスを提案する営業スタイルのことです。
一方的に売るのではなく、顧客に寄り添った提案をすることで、顧客からの納得感や満足感が得られやすいとされています。
競合があふれ差別化が難しい今の時代に、ソリューション営業はお客様に選んでもらうために有効であると言われています。
とくに、以下のようなものを提案する際はソリューション営業が有効です。
- スマートフォンのように「どの製品も一通りの機能が揃って機能や性能で大きな差別化が出来ない」商品・サービス
- コンサルティングや教育研修などの無形サービスやカスタマイズ性が強い商品・サービスで、「顧客から品質が見えにくい、利用イメージが湧きにくい」商品・サービス
- 個人にとっての住宅や自動車など、「高額で迷いが生じやすい」商品・サービス
さまざまな営業の種類
そもそも営業には様々なスタイルがあり、誰に対して何をどのように売るのかによって、営業の種類は変わってきます。営業のスタイルを、営業先、スタイル、商品の特徴などで分類すると、以下のようになります。
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まず、営業先は、個人か法人のどちらかに分類できます。なお、法人といっても規模や業種もさまざまであり、中小企業・大企業・行政など、それぞれに応じて営業先や営業の仕方も変わってくるでしょう。
また、売り方においては、
- 広告などで興味をもってもらい、お客様に問い合わせてもらう「プル型」
- こちらから積極的に売り込みをする「プッシュ型」
の2種類があります。
また、売り方は、
- 販路拡大のために新たな顧客にアプローチをしていく「新規営業」
- 既存顧客を回り、フォローと別商材の提案などによる深耕を行う「ルート営業」
と呼ばれるものもあります。
商品の特徴に着目すると、目に見える有無、価格帯、認知の有無によって営業のやり方も変わってきます。
上記の組み合わせでいうと、「無形×高単価×新規性」といった要素の掛け合わさったサービスなどは、とくに営業の難易度が高く、ソリューション営業が必要とされる領域です。
また、法人営業の方が、提案する商材・サービスが高額となりやすいことから、「法人×プッシュ型×新規営業」なども、ソリューション営業のスキルが求められることが多くなります
ただし、たとえば、注文住宅や結婚式などは、個人営業でも上記の特徴に該当してくる商材であり、ソリューション営業が求められるなど、個々の商材・サービスの事情に応じて変わってきます。
ソリューション営業の位置づけ
営業のやり方として、ソリューション営業以外にも、「御用聞き営業」や「プロダクト営業」、また、最近注目されるようになってきている「インサイト営業」と呼ばれるものがあります。
それぞれの特徴を整理すると以下のようになります。
| 御用聞き営業 | 得意先を回り、顧客の要望に応じて商品やサービスを提供するスタイル。基本的には、顧客の要望を聞く形であり、受け身になりがち。 |
| プロダクト営業 | 顧客の基本ニーズをくみ取ったうえで、商品やサービスを積極的に提案するスタイル。商品やサービスに関して幅広い知識が必要になるが、あくまで商品・サービスの説明が中心 |
| インサイト営業 | 顧客自身も気づいていないような課題や欲求を「気づいてもらう」ことでニーズを掘り起こしていく啓発的なスタイル。 |
御用聞き営業やプロダクト営業は、有形で低単価のもの、また、顧客自身が商材・サービスをある程度把握しているルート営業などで実施されることが多くなります。そして、前述の通り、高額の無形サービスなどでは、ソリューション営業やインサイト営業が多くなってきます。
ソリューション営業が求められる時代背景
前章では、営業の種類を紹介しましたが、現在では、御用聞き営業は、ECサイトなどに取って代わられ、また、プロダクト営業も、商談の前に顧客がWebサイトなどで提案書やカタログをダウンロードして目を通すことが増えています。
インターネットやECの発達スピードはご存じのとおりであり、たとえば、ECサイトにおけるレコメンドサービスや定期購入などは当たり前のものとなっています。
また、最近ではIoTの発達によって、例えば、自動車や建設機械、産業機械などでも、機械の中に組み込まれたチップが自動的に稼働時間などを測定して、消耗品の発注や点検のアラートを出したりするようなことも実現しています。
また、以前は、顧客は商品やサービスについての知識はあまり持っておらず、分からないことがあれば営業担当者に問い合わせるという時代がありました。しかし、ネット社会が到来したことより、今では顧客自身が検索することで情報収集できるようになりました。
顧客が商材やサービスの前提知識や周辺知識を簡単に手に入れられる時代です。標準的な知識があれば、ちょっとした問題は、顧客自身が検索して解決できます。ある程度専門的な情報も、プロモーションが発達した中で、Web上に公開されていることが増えています。
これからの時代に営業で求められるのは、
- 顧客自身も課題が明らかになっていないもの
- 高額で慎重に検討したいもの
- 無形サービスでイメージしにくいもの
といったものへの対応となります。
このような流れの中で、いまはどんな商材であっても「生身の営業職」に求められているのは、誰にでも当てはまるような答えを出すことではなく、顧客に寄り添って、相手のための提案するソリューション営業が求められることが増えつつあるといえます。
サービスの多機能化
近年では様々なクラウドサービスが登場し、どんどん高機能化・多機能化しています。
優秀なツールも多数存在し、ある意味「何でもできる」からこそ、機能や性能だけでは顧客は迷ってしまい選べなくなりがちです。
問題解決のためのツールはたくさんあっても、そもそも解決すべき問題は何なのかがよく分からないというケースは多いものです。
なんとなくツールを導入してみたものの、上手くいかなかったというケースも見受けられます。
近年のDX化の推進においても、課題を明確にしないままシステムだけを導入して失敗に終わってしまうという事例もあります。
せっかくの良い商品やサービスも、使いこなせなければ意味がありません。
だからこそ、顧客に伴走して顧客が抱える課題を明らかにし、ツールをどう活用していけばいいのかを提案する必要があるのです。








