「そうですか、あなたは仕事をしなかったんだ」
皆様、こんにちは。ジェイックの知見寺でございます。
寒くなったり、暖かくなったり、気温の変動が激しいですね。
そのせいか、弊社では風邪をひいている社員が増えています。
お体には、お気をつけください。
さて、今回も、前号に引き続き、大久保寛司先生についてご紹介いたします。
(前号は、こちらをご覧ください。⇒ https://www.hr-doctor.com/news/management/chiken-mail/news-3233)
前号でご紹介した本を読んだあと、直接、大久保寛司先生の講演を
お聞きしてみたいと思い、インターネットで検索しました。
講演はなかなかヒットしなかったのですが、過去に行われた講演の講演録が、
いくつか出てきました。
その講演録をもとに、弊社の朝礼で話をした内容をご紹介します。
また、口語調になりますが、ご容赦ください。
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大久保寛司先生は、ある講演で次のことをお話されました。
お店を指導する指導員という方がいます。その人たちの集まりがありました。
そこで、ある指導員がこう言ったそうです。
「お店の責任者にいろいろ言うのですが、半年間、何もしてくれないのです。
ずっと言い続けているのですけどね。」
大久保先生:「そうですか、あなたは半年間何も仕事をしなかったんだ。」
「いや、私は毎日のように行って、仕事をして、アドバイスをしたんですよ。」
大久保先生:「アドバイスをしても何もやらなかったんでしょう。
価値創造がゼロじゃないですか。あなたは仕事をしていないのです。
それで会社から給料を貰えた?」
「貰えました。」
大久保先生:「良い会社だね。何もしなくても給料が貰えたんですね。
何のためにお店を指導したのですか。
何も変わらなかったんですよね。価値がゼロでしょう。
私から見たら仕事をしていないのと同じなのです。」
皆さんは、どうですか?
マネージャーの皆さんは、この指導員と同じようなことを言っていませんか?
「部下が動かないんです!」とか。
あるいは、メンバーの皆さんでしたら、「やろうと思ったんですけど・・・。」
という言葉を使っていませんか?いろいろ考えても、結局、行動していない。
また、大久保寛司先生はさらに、こう仰っています。
“正しい指示と指摘をすることが仕事ではない。
正しい指示、指摘どおりに動いてもらってこそ初めて仕事になるのです”
多くの方はある程度正しいことは言えるのです。
大事なのは正しいことを実行してもらうことです。
多くの企業でマネジメント研修をしていると、みんな正しいことを言ったら
正しいと思っています。
それで部下がやってくれるかというとなかなかやってくれないのです。
「それではあなたは仕事をしてませんね。」「え?」と言うから、
「だって、それをやってもらうようにするのがあなたの仕事じゃないですか。
少なくとも部下が動かないと嘆くのはあなたの仕事じゃないでしょう。」
正しいことを言っても動かなかったら意味がないのです。
何のために指示、指摘をしたのか、そして結果はどうなったのか。
仕事をするというのは価値を生み出すことなのです。
価値は生まれたのですか。
何も生まれない。ただ不信感だけ生まれた。これでは意味がないのです。
この観点を持つだけで、実は仕事の質を飛躍的に高めていくことが
必ずできるのです。
大久保寛司先生のお話は、私もズキズキきます。
皆さんは、いかがですか?
価値を生み出すことに意識を向けましょう。
キーワードは、「行動する」と「行動してもらう」ですね。


