「今までで、一番きつかった研修」【知見メール115号】

「今までで、一番きつかった研修」

 

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

前号に続きまして、ジェイックの

マネージャー合宿についてご紹介したいと思います。

 

前号をお読みでない方は、まずは、こちらからお読みください。

https://www.hr-doctor.com/news/management/chiken-mail/news-3140

 

 

さて、スタート地点近くまで戻ってきた時点で、1時間が経過していました。

ここで、お昼ご飯を食べようということになり、

リュックの中にあった、おにぎり弁当を取り出します。

 

もう、14:30になっていましたので、お腹がぺこぺこでした。

食事を済ませ、再度気合を入れなおして、全員が沢を上りだします。

 

しばらく進むと、5メートルほどの高さの堰堤(えんてい)が出てきました。

そこには、等間隔にこぶが作られたロープが掛けられています。

要は、これを登れということです。(命綱は付けます。)

 

トップバッターとして、運動神経の良い、元気な若手が登っていきました。

ところが、足元の堰堤の壁が滑って上手く登っていけないのです。

 

腕の力を使って登ろうとしますが、

上から滝の水がばしゃばしゃかかり、なかなか上手く登れません。

 

そうこうするうちに何とか、ひとり目が登りました。

 

17人が相当な時間を掛けて、この堰堤を登っていきました。

何とか、無事全員がクリヤーをしました。女性も3名含まれています。

 

 

また、しばらく行くと、先ほどよりも高い堰堤がでてきました。

今度は、ロープもありません。

 

ただ、先ほどの堰堤はコンクリートの打ちっ放しだったのですが、

今度の堰堤は、石で組まれています。

 

この石が組まれている隙間に手と足を入れて登っていくのです。

みんな、先ほどの堰堤よりも苦労をしていました。

それでも、何とか、全員が登りきりました。

 

全員が2つ目の堰堤を登りきってから、

さらに進むとゴールを見つけることができました。

 

ゴールは、・・・・でした。

(次に受ける方がいるかもしれませんので、伏せさせていただきます。)

 

それを全員でつかんで、記念写真を撮りました。

 

みんなやりきった感があるのか、大きな歓声をあげています。

でも、どんな表情をしているのかは、全く分かりません。

このとき、17:30過ぎ。もうあたりは真っ暗でした。

11月の沢ですから当たり前ですよね。

 

お付き合いいただいた猟友会の方が、

「こんなに遅くなっちゃ危ないよ!」と仰っていました。

 

ゴールしてから、急いで山道に戻り、バスが待っている場所まで戻りました。

 

私も時計を持っていませんのでしたので、それぞれの堰堤を登りきるのに

どれくらい時間が掛かったのかは、分かっていません。

(切のよいところで、N先生に質問して、時刻を把握していました。)

 

この沢登りに同行して、前回、自分が参加したときには

気付かなかったことにいくつか気付きました。

 

 

1)沢は、水の音が激しいため、声がほとんど通らない。

従って、チームのコミュニケーションは、

よほど意識して、工夫してとらないと、成り立たない。

 

⇒ほとんど、コミュニケーションのない状態で進んでいく。

兎に角、前に進むのが目的になる。

 

 

 

2)冷たい水の中を歩き、さらには堰堤を登るときに

ずぶ濡れになるので、がたがた震えるくらい寒くなる。

また、肉体的にしんどいメンバーも多くなってくる。

 

⇒最初は、他者のことに気を配っていたメンバーも、

自分のことで精一杯になってくる。

当初は、リュックも交代しながら持っていたが、

後半は同じ人が背負い続けていた。

 

 

 

3)堰堤を登るときには、一人ひとり登るので、

下に待っているメンバーも登りきったメンバーも待ち時間が長くある。

 

⇒待っているときに、登っているメンバーに

ずっと声を掛けて応援している者もいれば、全く別のことをしたり、

数人で集まって関係ないことを話しているメンバーもでてくる。

 

そして、登りきったという声が掛かると、

それまでは、全く観ていなかったのに、

「ナイスファイト!」と声を掛け、拍手する。

 

 

 

正直、沢登りは上手くできているなと感じました。

実際の仕事でおきる状況と、ほぼ同じような環境がでてきます。

 

そこで、どう振舞うのかも、

多分、仕事のときとほとんど一緒なのだと思いました。

 

・情報が足りないと思ったときに、自分からコミュニケーションを

取りに動くのか?それとも、与えられるのを待つのか?

・仕事で自分にゆとりがないときに、周りにどう接しているのか?

・会社や事業部が新しく行おうとしていることに、

積極的に参画しているか?それとも、我関せずなのか?

・賞賛するときに、気持ちのこもった賞賛をしているのか?

 

 

さて、研修の続きですが、このあとバスで研修会場に戻りました。

 

19時前に到着。19:30に研修室に集まって、

沢登りでどんなことをしたのかを振り返り、

上手くいったことは何か、上手くいかなかったことは何か、

それらはなぜかを検討しました。

 

その後、22時過ぎから「強い組織とは」というテーマで

ディスカッションを行いました。

 

そして、このディスカッションを一旦終了したのが、夜中の2:30頃。

 

そこから、さらに一人ひとりが

自分の過去・現在・未来をあらわす情報を模造紙に書き出しました。

この作成時間が、30分。

 

そして、屋外に出て、焚き火を囲みながら、

模造紙を使って一人ひとりが自分のことを語りました。

 

語るだけはなく、メンバーから質問もしましたので、

だいたい一人10分から15分掛かりました。

 

最後のメンバーの発表が終わったのが、朝6時前・・・。

 

時間的に大変でしたが、軽くお酒も入れながら行いましたので、

みんなから色んな質問がでて、参加者同士がより深く知り合うこと、

理解しあうことができたと思います。

 

 

翌日は、9時半スタート。

私は、いろいろやることがあり、睡眠時間は30分でした。

 

2日目は、「強い組織とは」の続きを行いました。

前日、キーワードをポストイットに書き出したのですが、

その数が多くて、収集がつかなくなっていました。

 

途中、チームワークについて気付きを得られるゲームを

2つ実施しました。

(2つ共、面白いゲームでしたが、詳細はご容赦下さい。)

そんな刺激も受けた上で、

参加者全員が納得した、「強い組織」の定義と

それに向けたアクションプランが、模造紙に書きあがりました。

 

この時点で、18:30。

これが、この研修の最終アウトプットです。

 

 

あとでこの研修の参加者の感想を聞いて、

ちょっと驚いたのですが、この最終アウトプットに対する

メンバーの腹落ち感・納得感が、とても強いのです。

 

 

議論に参加していない私には、生まれていない感覚でした。

 

きっと、沢登りをして肉体的にくたくたで、

しかも睡眠不足の中で、意識朦朧となりながら、

みんなで議論して作り上げたものなので、

特別なものになっているんだろうと、感じました。

 

ここまで、時間を掛けてやったのは、N先生も初めてだそうです。

 

客観的にみると、「強い組織とは」のディスカッションに、

N先生が関わって議論を整理していけば、

もっと早く終了することはできたと思いますが、

それではきっと納得感が薄くなっただろうと思います。

 

 

最後に、この研修を通じて

弊社のマネージャー陣が誇らしいと思ったことは、

「つらい」「しんどい」「もう、やめよう」

「このへんでいいんじゃないの」というような、

弱音を吐いたり、妥協しようとするメンバーがひとりもいなかったことです。

 

 

17名みんな、頑張ってくれました。

 

19時過ぎには研修を終了して、バスに乗って一路新宿へ。

途中ちょっと渋滞がありましたが、22:30過ぎには新宿に到着しました。

 

私は、これまで研修を受けることも、

実施することも数多く経験がありましたが、肉体的には一番きつい研修でした。

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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