「PDSRマネジメントサイクル」【知見メール152号】

PDSRマネジメントサイクル

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

 

先日、妻の実家に帰るので、お土産を東京駅に隣接している

大丸に買いに行きました。

どんなお土産にするのか妻と相談をして、年配の方も多いので、

やわらかくて食べやすいカステラにすることにしました。

大丸には、福砂屋という有名なカステラ屋さんが出店しています。

 

その福砂屋さんに、通常の柱型のカステラではなく、

正方形のキューブ型の箱に入ったカステラがありました。

そのキューブ型のカステラ5個で丁度今までのカステラ

くらいの大きさになります。

 

キューブをあけると、食べやすい大きさに切られたカステラが

2切れ入っています。また、プラスチックのフォークもついていました。

 

これまでのカステラだと、お土産をもっていく先が少人数の場合ですと、

大きすぎると感じることもありました。また、食べるためには、

包丁で切らないといけないし、お皿を使わないといけません。

それが、全くいらないのです。

 

これであれば、オフィスへのお土産にも使いやすいと感じました。

また、キューブ型1つから買えますので、ちょっと食べたいと

思ったときに自分用にも購入しやすいです。

 

私の説明では分かりにくいと思いますので、

以下のホームページで「フクサヤ キューブ」をご覧ください。

http://www.castella.co.jp/shop/tokyo.shtml

 

この商品は、売れ行き好調のようです。

 

中身はこれまでと同じカステラですが、小分けにする、

パッケージを変えることにより、使い勝手が良くなり、

購入する人・量が増えたのではないでしょうか。

 

御社が提供している商品・サービスでも同じことが

考えられないでしょうか?

 

 

さて、今回は、5月23日に部下2名が参加した、

研修をご紹介します。

 

この研修はウォークラリーを活用したもので、

私が参加したかったのですが、福岡出張の予定が

入っていたため、部下に参加をしてもらいました。

 

この研修の内容について、参加した女性社員が

レポートしていますので、以下、ご覧ください。

 

――――――――――――――――――――――――――

■1日研修の全体の流れ■

(午前中)

1、会場到着

2、全体像の説明

3、テーマ/行動指針の共有

4、リサーチ/プランニング(research/plan)

5、歩行ラリー実施(do)

(午後)

6、振り返り(see)

7、検証(research)×2回

8、戦略の検討(plan)

9、歩行ラリー実施(do)

10、全体の振り返り(see)

 

 

■研修内容の詳細■

(午前中)

1、会場到着

5月の青空のもと、日差しは強かったですが、

長袖のシャツ一枚で出歩ける、気候の良い日でした。

朝、9時半から研修がスタート。

研修会場は、新木場駅からほど近い、東京スポーツ文化館BumB。

 

20名位の参加者で、会場にいらしたのは

40代・50代の男性が9割。

事前の案内にあった通り、カジュアルな服装の方々が

集まっていました。

 

…とよく見ると、カジュアルどころか、Tシャツ・ジャージ・

ランニングシューズに首にタオルを巻いている人が

いらっしゃいました。

ジーンズで参加しようとした私は「そんなに本気で歩くの?」と

衝撃が走りました。

 

 

 

2、全体像の説明、3、テーマ/行動指針の共有

 

講師から、

今回行なう歩行ラリーの研修は、

ソニーの常務を努めた小林茂氏等によって1970年代に開発されたことや、

小林氏は、ソニーの厚木工場長時代に、マネジメントの体験学習として、

歩行ラリーを活用し、工場全体が活性化していった事例などを

ご紹介いただきました。

 

また、あわせて

歩行ラリーは仕事そのものと大変似ていることから、

別名”仕事ゲーム”とも呼ばれており、勝ち負けを争うゲームではなく、

良い成績を目指すゲームであることを伝えられます。

 

「仕事は組織でするものですから!

そして、勝ち負けではなく良い成績であることが重要です。」

 

ということで、ゲーム中も個人の成績よりチーム、

チーム成績より組織の成績をあげることを重要視しています。

 

 

研修のテーマは

『チームによるプロセスマネジメントを体験して、

思い込みをせずに、真実を観る』

です。

 

「研修のつもりでいらっしゃっている人もいるかもしれませんが、

やるなら”のめり込んで”やってください。

 

本気でやらないと得られるもの、気づけないですから。

 

いいですか?仕事だと思って良い成績を出してください!」

 

 

 

今回の行動指針として

・思い込みをせず、真実を見ること

・メンバー全員で全力投球すること

・立場に関わらず人の話をポジティブに捉えること

を徹底して取り組む約束をし、研修をスタートしました。

 

 

 

4、リサーチ/プランニング(research/plan)

 

歩行ラリーのゲームは

特殊なコマ地図50枚ほどを参考に、決められた区間を

決められた速度で歩き、その正確さを競う野外競技です。

地図の見方や得点の計算式、禁止事項や、ヒントが書かれている

ルールブックを元に、行動をします。

(コマ地図は、交差点や曲がり角など、ポイントとなるところのみを

簡単に示しているのみです。

この地図の見方に、思い込みが発生し易いよう作られているようです。)

 

 

まずは、そのルールに従って、計画を立てます。

 

その計画を全体に対し発表し、1人1つ必ずツッコミを入れる

ワークをします。

その指摘で、問題点や抜けていることが見えてきました。

 

参加者からは

「時速5Kmで歩き続けよう!って、結構速いですよね?

体力的にきついのでは?」や

「”迷わないようにしよう!”って全然具体的じゃないですけど

大丈夫ですか?」

「連絡を取り合うって書いてありますけど、そもそも、

これってルール上禁止されてますよね?」

など、現実的に実行が難しそうなことや、曖昧な方法論には方々から

ツッコミがありました。

 

ルールブックに書かれていることは一緒なのに、

「これは大丈夫だろう?」と勝手に思い込んでいることを指摘され、

『勝手にルールをすり替える』・『勝手な解釈をする』という

自分自身の傾向にも気付きました。

 

 

 

5、歩行ラリー実施(do) 制限時間:約1時間半

 

2名ひと組となり、さらに2ペア・もしくは3ペアで

1チームの編成で行いました。

私は、同僚のFさんとペアになりました。

 

1つ目のチェックポイントは

スタート地点から約3メートル。

歩く速度の指定も、0.5Km/Hと遅かったので、

ゆっくり歩いてすぐに見つかりました。

 

1つめのチェックポイントは難なく通過です。

 

ところが、次の地図が指している場が分からず、

20分以上館内をうろうろ。。。

「そういえば、館内にはチェックポイントってひとつだよね?」

というFさんの言葉で、安直ではありますが、とりあえず、屋外へ。

(20分以上地図と格闘していて、イライラ・モヤモヤしていたので、

打開策が欲しく突っ走る。)

「あった!あった!」と喜ぶ私。

「ここまでのルートって結局どうなの??本来はどうかわからないと、

次も進めないし、記入する時間も分からないんだけど…。」と冷静なFさん。

 

この時点で私はすっかり忘れていましたが、

このゲームは、指定の速度でルート通り歩き、

チェックポイントの到着時間をシートに記しながら、

その正確さを競うものです。

指定時間から離れれば離れるほど減点が大きくなります。

 

歩く速度はもちろんですが、ルートを誤ると大幅な減点対象になるのです。

 

マネジメントサイクルを回すために、まずは、一旦リセットして

今いる場所”現在地”の対象コマを探す。

見つかったので、それに沿って歩き出しました。

 

…がなぜか、うしろを歩いていたグループと行き先が変わる。

「(集中力がなくなっている私)

あれ?あの人たちどこ行くんですかね?」

「(困惑しながらも、冷静なFさん)

あのさ、地図の見方って本当にそれで合ってる??」

「(そんなこと疑ってもない私)?????地図ですか?」

「これって、順番にはなっているけど、どこでコマが変わっているか

って見方違うんじゃないかな?」

「…??そうですかね?(5秒考えて)おぉ!!これ室内ですよ!!」

 

…開始から約25分。

ようやく地図の見方が分かった我々。

意気揚々と次に進みました!!

 

が、トラップはいたるところにありました。

「よし!次は○○船という船の記念館の前まで直進です!

全体図でいうと、ここなので200メートルぐらい歩きます!」

「よかった~(ようやく少々安堵のFさん)」

 

地図上の目印は見つかりましたが、肝心のチェックポイントに

たどり着きません。

 

「あれ?歩きすぎだよね??1.5km以上歩いたら間違いでしょ?」

「…なんでしたっけそれ??(ルールを正確には覚えない私)」

「ルールブックに書いてなかった?」

「直進で、ですよね?ここ曲がったからいいんじゃないですか?」

「そっか。オッケーね。」

 

実は、終わってから確認したところ、

チェックポイントとチェックポイントの間は1.5Km未満なのです。

 

ルール上、直進というのは角を曲がったことも含めていたのですが、

あくまで直進であって、直線通路ではありませんでした…。

 

 

しばらくすると、50メートル先に運営のスタッフの方々が

見えてきます。

「え??あれっ?どこからきたんですか?」

(我々)「あっちです。くるっと回ってきました。」

「えっと…?今、地図上のどこにいます??この地図のところ通りました?」

(我々)「はい。通ったつもりです。

…が、この200mってところは通ってないです。」

「それってどういうことですかね?」

(我々)「……間違ってるんじゃないですか?」

「そうですよね!!(満面の笑顔を浮かべて)どうしましょっか?」

(我々)「えっと・・・。はい。戻ります。」

 

そうですね。間違ったと分かったときは、間違える前の場所まで

戻ってやり直さないと、そのあとが全て崩れてしまいます。

せっかく歩いたのに…。と渋々戻る私。なんで間違えたのか

原因追求をしようとするFさん。

 

午前中はいろんなことがありながら、なんとか周り切りました。

最後のトラップを除いては…。

 

実は、最後のトラップは、きちんと説明を受けていたことでした。

ゲームのルール上

「10個程度のチェックポイント」

という説明があったのですが、10個とは言っていませんでした。

 

8番目までチェックポイントを見つけて、

ゴールにたどりついてしまい、

 

「まずい!見逃した!!」

 

2人で、必死に後戻りし、9番目のチェックポイントを探しました。

 

実は、最後のトラップ・・・・。

あくまで10個程度…。

 

9番目のチェックポイントはありませんでした。

 

――――――――――――――――――――――――――

ここまで、午前中についてのレポートでした。

 

ウォークラリーというと、長い時間かけてチームで歩き、

・           助け合い、励ましあう精神

・           声を掛けること、気を配ることの大切さ

・           最後まで諦めない気持ち

・           達成したときの高揚感

などに気付いてもらう研修が多くあります。

 

今回の研修は

PDSR(plan→do→see→reserch)というマネジメントサイクルを

回し、現実/現物/現場をきちんと認識をして、

効果検証、調査のレベルを上げていく訓練であり、

・           事実をつかむ大切さ

・           その障害となる思い込みの強さ

・           集めた事実を計画にチームで落とし込む視点

を気付かせるもので、よく行なわれているウォークラリーとは

タイプが違うと感じました。

 

 

 

PDCサイクルをもっときちんと回したい組織で取り組むと

良いのではと思いました。

この研修にご興味がありましたら、ご連絡をいただければ

実施した研修会社をご紹介いたします。

 

 

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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