「2016年 中国経済の見通し」【知見メール231号】

2015/12/11

2016年 中国経済の見通し

 

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

 

 

今、上海にいる日本人同士が、最初に会話で切り出すことは、

 

「テレビ映ります?」

 

という質問です。

 

上海でみられるインターネットテレビは、

年間1,000元から2,000元(2~4万円)くらいで、

日本で放送されている

地上波・BS・CSが1週間分ストレージされて、見放題です。

 

ただ、このインターネットテレビ、

放映権がきちんとされていないようで

厳密にいうと違法らしいです。

(事実をきちんと押さえているわけではないので、

曖昧な書き方ですいません)

 

このインターネットテレビが、先月末から、映らなくなりました。

 

中国政府が、自由に報道されるのを問題視して規制している、とか

日本から厳正に対処するよう求めがあり、中国行政が動いた、とか

経営者が逮捕された、とか

いろんな噂が流れています。

 

ただ、テレビが映らないことは事実です。

 

私自身は、TVがなくてもあまり困っていないのですが、

妻は、NHKの朝の連ドラが観られなくなり、相当不満げです。

 

仕事上、日本のTVの情報が欠かせない方や、

小さいお子さんがいらっしゃる方は、大変とのことです。

 

また、単身赴任の方ですと、家に帰ったらすぐに

TVをつけるのが習慣になっていたので、

家に帰ってTVがないと、部屋の中がシーンとしていて

より孤独感を感じるのだそうです。

 

ご夫婦の方は、TVがないと、

会話がない、会話が続かないということを耳にしました。

 

普段あるのが当たり前になっているものほど、

なくなったときに、どんな役割を果たしていたのか

実感します。

 

TVに限らず、あるのが当たり前なものがなくなったと

想像すると、今の考え方や行動が少し変わるかもしれません。

 

特に、近しい人たちについて考えてみては、如何でしょうか?

 

 

さて、今回は、あるベテランの中国ウォッチャーから、

現状の中国の捉え方と2016年の見通しについて

お聞きしたことを、共有させていただきます。

 

1.中国経済の概要

前提として、中国は計画経済

中国のGDPの半分以上は、3次産業

よく勘違いされるが、輸出大国ではない

 

2030年にGDPで世界トップになる

今後もプラス成長をしていく

 

結論として、経済は今年6月ごろに底を打ったのではないか

バブルがはじけることはない 巡航速度になっただけ

 

2.シャードーバンキング

政府が不動産への融資を規制した

変なプロジェクトは全てストップしている

 

シャードーバンキングが問題だといわれるが、

リアルにあるお金が動いただけ

今年償還期限がくる債務は、1.9兆元あったといわれているが

これを、中央政府が地方債を発行することを認めて、

2兆円の地方債発行枠を設定した

事実上、理財商品を肩代わりした

地方債の引き受け先は銀行

全く信用力がなかった債権が、

地方政府お墨付きの債権に切り替わった

 

更に、地方債の発行枠が設定されていることと、

開発プロジェクトは政府が吟味していることから

不動産はこれから動き出す

 

3.今後の方針

国が、2020年には所得を倍増すると約束している

これは、絶対やらないといけないので、必ずやる

 

国務院直轄の110の国営企業が40に減る

統廃合が数多くおきる

 

4.中国の戦略

現在、世界の貿易決済はドル、ニューヨークで行っている

アメリカに決済を止められたら、お金が流れなくなる

だから、中国は短期間に人民元の決済圏をつくりたい

それが、一帯一路の構想につながる

中国から西側のアジア、中東、アフリカまでを早期に抑えたい

 

よって、根本的に中国は日本と無用な衝突はしたくない

 

アセアンが20年かけて共同経済圏を作ろうとしている

アセアンは、1国に牛耳られたくないので、

中国と日本の2国を巻き込みたい

 

アジアの利権を求めて、日本と中国がぶつかることはあるが

日本と中国がもめることは少なくなる

 

5.産業動向

今年はロボットが良かった

地方政府はロボット化に助成金を出している

中国系企業の本社、主要工場を国内に繋ぎ留めないといけない

 

当面のキーワードは自動化

 

もうひとつが、環境

中国の一番の問題は、大気汚染

中国のガスは、古い石油精製設備と車の排ガスからきている

 

自動車は品質が国際基準に達していないので、まだ輸出が厳しい

自動車が復活するまでにはもうちょっとかかる

今、中国に完成車メーカーは250社ある

今後、自動車業界も統合されていく

 

鉄鋼は輸出があったので、国際競争力を高めるために統合が進んだ

 

家電は、勝ち負けがほぼ決まった

 

中国がこれから伸びるところは、日本と一緒

医薬、医療、介護、新エネルギー、EV

 

6.まとめ

再編はこれからの中国のキーワード

1998年以来の改革が行われる

地方閥を弱めるために、産業を取り上げる

共産党主導による再編が行われる

 

 

異論、反論をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、

中国発の情報としてご参考となれば、幸いです。

 

 

 

 

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役

知見寺 直樹

大手コンサルティング会社を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海支店立ち上げも経験し、現在は本社HRおよび事業開発を担当する。

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