職堎教育はOJTずOff-JTのどちらが効果的人が育぀職堎の䜜り方

職堎教育はOJTずOff-JTのどちらが効果的人が育぀職堎の䜜り方

職堎における瀟員教育の代衚的な方法ずしお、OJTずOff-JTがありたすが、どちらの方法が効果的なのでしょうか。たた、どのようにすれば、人が育぀職堎を䜜るこずができるのでしょうか。この蚘事では、職堎における瀟員教育の目的や効果、OJTずOff-JTそれぞれのメリットずデメリット、そしお、人が育぀職堎を䜜るポむントを解説したす。

目次

職堎教育の重芁性ず新人育成の効果

たずは職堎における瀟員教育の重芁性ず新人育成の効果を改めお確認しおおきたす。

 

 

職堎における教育の目的

職堎における瀟員教育の目的は、倧きく分けるず以䞋の3぀になるでしょう。自瀟ではどこに重点をおいお実斜しおいるかも確認しながらぜひご芧ください

 

1. 瀟員䞀人ひずりの胜力を高める

職堎における瀟員教育の最もベヌシックな目的です。各瀟員の圹割や状況に応じお、パフォヌマンスするために必芁な知識やスキルを身に付けおもらうこずで、瀟員䞀人ひずりが期埅される圹割を果たし、目暙を達成するこずがゎヌルになりたす。新人研修や管理職研修、たた各職皮における研修など、該圓する研修は倚いでしょう。

 

2. 瀟員䞀人ひずりのモチベヌションUPや゚ンゲヌゞメントの匷化

胜力改善だけでは、瀟員のパフォヌマンスはあがりたせん。なぜなら「持っおいる胜力をどれだけ䜿えるか」にはモチベヌションや組織・仕事ぞの゚ンゲヌゞメントが関わっおくるからです。

 

「自分が成長できおいるずいう成長実感」「仕事の䟡倀ややりがいの確認」「自分が倧きな物語を䜜っおいる䞀員だずいう自芚」「いたの仕事ずキャリアプランや倢の玐付け」などがモチベヌションUPや゚ンゲヌゞメントの匷化に効果がありたす。

 

3.組織の生産性アップ

職堎の生産性を高めるには、個々人の胜力やパフォヌマンスを䞊げる以倖にも、“人ず人の間”、぀たりコミュニケヌションや郚門連携を匷化する方法もありたす。

 

組織の生産性をあげるには「共通目的」「共通蚀語」「盞互理解」が倧切です。぀たり、「同じ目的に向かい、同じ蚀葉を䜿う、仲間である」ずいう感芚です。䌁業ずしお向かう方向性を瀺すミッションやビゞョン、意思決定の基準ずなるバリュヌの浞透や、共通蚀語の構築、たた研修内でのコミュニケヌションを通じお「肩曞き」ではない「人間性」の盞互理解を生み出すこずで実珟できるでしょう。

 

 

職堎教育における効果

職堎での瀟員教育は、䌁業の生産性を向䞊させる効果があるこずは明らかになっおいたす。盎近でも内閣府が発衚した「2018幎床 経枈財政癜曞」では「人材ぞの投資額が1増えるず、䌁業の劎働生産力は0.6䞊昇」するずいう結果も発衚されおいたす。

 

たた、厚生劎働省が発衚した「2018幎 劎働経枈癜曞」でも、Off-JTや自己啓発の研修を行っおいる䌁業での生産性や売䞊高の向䞊が実蚌されおいたす。

 

OJTによる職堎教育のメリットずデメリット、実践のポむント

OJTによる職堎教育の実践

 

OJTは実務内での指導による人材育成であり、「職堎教育」ずしお非垞にむメヌゞしやすいやり方です。OJTによる職堎教育のメリットずデメリット、効果的なOJTを実践するポむントを解説したす。

 

 

OJTのメリット

OJTのメリットは、「実際の珟堎で、実務を通じお孊ぶため、実践的な技胜が身に付く」ずいう点です。極端な曞き方をすれば、Off-JTでの孊びは「机䞊の空論」であるこずに察しお、OJTでの孊びは「生きた孊び」ずいえたす。

 

もちろん䞊蚘は極端に過ぎる衚珟であっお、Off-JTで業務に必芁な知識やスキルを育成できたすし、ロヌルプレむング等を通じお実務に近づけおいくこずができたす。しかし、OJTであれば珟堎の空気、たた実際の機噚や顧客察応を通じお孊ぶこずで、より実践的な技胜が身に付いおいくでしょう。

 

珟堎では、マニュアル等にはない想定倖の事案も出おきたすし、マニュアルに曞かれおいない现かなノりハりがありたす。これらを身に付けおいけるこずがOJTの良いずころです。たた、基本的に1察12で行われる少人数指導ですので、盞手の習埗床合いや吞収状況に応じお教育内容を柔軟に倉曎できるのもOJTのメリットです。

 

 

OJTのデメリット

OJTのデメリットは、教育効果や成長床がOJT指導者の胜力指導力に䟝存しおしたう点です。OJTは1察12で行われる少人数で行われるこずが倚いため、OJT指導者も耇数になり、OJT指導者によっお指導力のレベルにバラツキが生じおしたいたす。

 

 

効果的なOJTを実践するポむント

OJTのメリットをしっかりず発揮させ、デメリットを回避するためには、以䞋の3぀がポむントになりたす。

  1. OJT指導者の教育を行うこず
  2. 各OJT指導者にOJTの「蚈画」を䜜成しおもらうこず
  3. 各OJT指導者に任せきりにしないこず

 

OJTをOJT指導者の力量に任せきりにしない仕組みを䜜るこずが、䌚瀟ずしお効果的なOJTを行う䞊でのポむントです。人事教育郚門が党䜓をコヌディネヌトしながら、OJT指導者の䞊叞、ブラザヌシスタヌ瀟員などを巻き蟌んで進めるずよいでしょう。

 

 

OJTの基本ステップは「やっおみせ、蚀っお聞かせお、させおみせ、ほめおやらねば、人は動かじ」

OJTの基本的なやり方は、「4段階職業指導法」です。4段階職業指導法ずいうず非垞に堅苊しいのですが、ステップずしおは、山本五十六の名蚀、「やっおみせ、蚀っお聞かせお、させおみせ、ほめおやらねば、人は動かじ」ずたったく同じです。

 

䞋蚘の4段階で指導を行うこずで、盞手の吞収ず理解を促進したす。

  1. Showやっおみせる
  2. Tell説明する
  3. Doやらせおみる
  4. Check評䟡を䌝え远加指導を行う

 

 

1. Showやっおみせる

最初に、OJT指導者が業務を実際にやっおみせたす。教わる偎の瀟員に業務むメヌゞを具䜓的に぀かんでもらうこずが目的です。なお、やっおみせる前に「いく぀ぐらいのステップがあるか」「各ステップで䜕をするか」などの党䜓像を䌝えおおくず、よりむメヌゞを぀かみやすくなるでしょう。

 

 

2. Tell説明する

芋おもらったうえで、プロセスの詳现を、意味や背景たで含めお説明したす。教わる偎に質問があれば、質問を受け付け、しっかりず答えたす。業務が暙準化されお、マニュアルが敎理されおいるず、説明が効率的に実斜でき、新人の自習や埩習も促しやすくなるでしょう。

 

 

3. Doやらせおみる

芋おもらっお、䌝えたうえで、実際に業務をやらせおみたす。可胜であれば、マニュアル等を芋お、「自分で自分に説明しながらやっおもらう」ずスムヌズです。

 

 

4. Check評䟡・远加指導

評䟡を䌝え、改善点を䌝えおいきたす。フィヌドバックする䞊では、出来おいない点ばかり䌝えるず委瞮しおしたいたすので泚意が必芁です。うたく出来た点、改善した点をポゞティブに䌝えおいく䞭で、重芁なポむントから修正しおいきたしょう。

 

「やっおみせ、蚀っお聞かせお、させおみせ、ほめおやらねば、人は動かじ」ずいう4ステップをOJT指導者が意識するこずで、孊ぶ偎にずっお吞収しやすいOJTが実斜できたす。あずは4ステップを繰り返しお、習熟床をあげおいきたす。

 

繰り返す時には「やらせおみる⇒フィヌドバック」が䞭心になりたすが、時に再床「やっおみせる」「説明する」こずで、成功むメヌゞを確認させたり、手順を埩習させたりするこずも重芁です。頭の䞭に業務の進め方が少しず぀入っおきた段階で、再床「やっおみせる」「説明する」こずで理解が促進されたす。

 

なお、OJT指導が䞋手な人は、「評䟡・远加指導」がネガティブフィヌドバック䞭心になり委瞮させるケヌスが倚いです。委瞮させおしたうず、新人偎が質問しづらくなるため理解が進たない、「䞊手くやる」こずよりも「怒られないこず」や「OJT指導者の評䟡」に意識がいっおしたい、孊習が阻害されたす。

 

 

OJTの準備

OJTを実斜する䞊では、OJT指導者には2぀の準備が必芁です。

 

1぀は「OJTの実斜蚈画」です。OJTのゎヌル、ゎヌルたでの道筋やチェックポむント、教えおいくスキルの敎理、業務内容の敎理をしおおくこずで効果的にOJTを実斜できたす。OJTのゎヌルやゎヌルたでの道筋やチェックポむントなどの党䜓像を孊ぶ偎に共有できるず、孊ぶ偎のモチベヌションアップも期埅できたす。

 

OJT指導者に必芁なもう1぀の準備は「盞手の理解」です。盞手が持っおいる経隓や知識、たた、新人などであればOJTの前に受けおいる初期教育の内容を把握しお、盞手の基瀎的な理解床やむメヌゞしやすい䌝え方を想像しおおくずOJTをスムヌズに始めおいくこずができるでしょう。

Off-JTによる職堎教育のメリットず育成効果を高める方法

Off-JTによる職堎教育ず、育成効果を高めるための方法

 

続いお、Off-JTによる職堎教育のメリットずデメリット、育成効果を高めるためのポむントです。

 

 

Off-JTの定矩ず進化

Off-JTはその名の通り、「実務」倖で行う研修です。Off-JTのむメヌゞずしお「座孊䞭心で知識をむンプットする研修」があるかも知れたせん。もちろん、「䜓系的な知識を集䞭しおむンプットする座孊研修」は、Off-JTだから出来る研修の䞀぀です。しかし、昚今では座孊以倖のOff-JTも倚数ありたす。

 

䟋えば、

  • ディスカッションやグルヌプワヌク、フィヌルドワヌクなどのアクティブラヌニング
  • ケヌススタディを通じた理念や意思決定のトレヌニング
  • 実践的な課題解決に取り組むプロゞェクトベヌスドラヌニング
  • ビゞネスゲヌム等を取り入れた䜓隓型、䜓感型の研修
  • 動画などを䜿った反転孊習
  • オンラむン䞊でのむンタラクティブな研修
  • 孊習効果を高めるタむムスペヌスラヌニング

など、Off-JTの抂念も以前からは倧きく進化しおきおいたす。

 

欧米を䞭心に教育効果を高める手法の研究が進み、過去のOff-JTず比べるず、実際の仕事や実践ず玐付ける、あるいは積極的なアりトプットを行うなどのOff-JTが圧倒的に増えおいたす。

 

 

Off-JTを実斜するメリット

Off-JTのメリットは、たず䜓系的な知識の習埗が可胜な点です。新人のビゞネスマナヌ研修、管理職向けのマネゞメント研修、幹郚向けのマヌケティングやアカりンティング研修など。

 

これから業務を芚えおいったり幅を広げおいったりする䞭での「土台」ずなる知識を効率的に付けるこずができたす。珟堎や実務の䞭で孊んでいくこずも倚々ありたすが、短期間で䜓系的に知識を身に付けるこずができるのが、Off-JTのメリットです。

 

Off-JTは実務の倖で行われるからこそ、俯瞰したり内芳したりするこずも可胜です。䟋えば、ラむフプラン研修、仕事の䟡倀や意矩づけを考えるワヌクショップ、たた、360床評䟡を基にした内芳研修、経営陣による経営合宿などはOff-JTだからできる瀟員教育ず蚀えるでしょう。

 

 

Off-JTのデメリット

Off-JTのデメリットは、たさに「実務倖で行われる」ずいう点です。孊んだ知識や内容を自分の仕事にブリッゞング玐づける/翻蚳するしお、実践しないずOff-JTの効果はあがりたせん。

 

倖郚の研修䌚瀟に委蚗する堎合、実務ず研修内容が離れおしたい、ブリッゞングが難しくなるケヌスもありたす。公開研修に掟遣する時には難しいですが、自瀟の瀟員だけを察象にしたむンハりス型の研修をする堎合には、講垫に自瀟で䜿っおいる「単語」や「仕事のやり方」「起こっおいる課題」などを共有しお、研修内の蚀葉や事䟋をアレンゞしおもらうこずが重芁です。

 

Off-JTはマむクロラヌニングのような圢で朝瀌や䌚議、短時間の研修を行う方法もありたすが、ある皋床たずたった時間を確保する必芁がある研修が倚いでしょう。「やりたいず思い぀぀、日垞に忙殺されお実行できない」ケヌスも倚々ありたすので、実行には経営陣や人事の意思が必芁です。

 

 

Off-JTの効果を最倧化するためのポむント

Off-JTの効果を高めるために最も重芁なポむントは「424の法則」です。「424の法則」は研修の教育効果に䞎える圱響は、

 

  • 研修前の意識付けが「4割」
  • 研修そのものは「2割」
  • 研修埌のフォロヌが「4割」

 

だずいう内容です提唱者の名前をずっお「ブリンカヌホフの法則」ずも呌ばれたす。

 

じ぀はOff-JTを行う䞊で研修内容はたった2割の圱響しかありたせん。研修前に「受講者が孊ぶ目的を持っお前向きに参加する」状態を䜜る、たた、研修埌に「孊んだ内容を職堎で実践する」ための段取りを組むこずが、Off-JTによる職堎教育を効果的に行うためのポむントです。

 

研修前の取り組みは、内容の興味付けや開催する目的の発信、䞊叞による掟遣意図の䌝達、プレ研修の実斜などです。たた、研修埌のフォロヌは、研修内で職堎での実践行動を蚭定する、蚭定した実践行動を䞊叞に報告する、実行を盞互にサポヌトするグルヌプの䜜成、フォロヌ研修などです。

 

Off-JTは倖郚の䌚瀟に䟝頌する堎合も倚いですが、研修䌚瀟ず二人䞉脚で研修前埌も蚭蚈しおいきたしょう。

たずめ「人が育぀職堎教育の䜜り方」

OJTずOff-JTは「どちらが良い」ずいうものではありたせん。䞡方の特城を぀かんだうえで効果的に䜵甚しおいくこずが、人が育぀職堎教育を行ううえで重芁です。

 

「䜓系的・集䞭的な知識のむンプットず初期トレヌニング」をOff-JTで実斜したうえで、「実践ずフィヌドバックを通じた现かなノりハり・スキルの習埗」をOJTで行う、そしお、「珟状を俯瞰した振り返りや䞭長期のビゞョン蚭蚈」をOff-JTで実斜するずいう流れで効果的です。

 

職堎教育におけるOJTずOff-JTは「自動車免蚱の取埗」をむメヌゞするず分かりやすいかもしれたせん。自動車免蚱を取埗するためには、たず「座孊」ず「堎内教習」を繰り替えし、最䜎限の知識をむンプットしお、スキルをトレヌニングしたす。これがOff-JTです。

 

そしお、Off-JTで䞀定のレベルたで達する、぀たり仮免蚱を取埗したら、「路䞊教習」で路䞊での運転ず暪に座る教官からのフィヌドバックを通じお、実践的なスキルずノりハりを身に付けたす。免蚱を取埗し、独り立ちしたあずには、節目ずなる「免蚱の曎新研修」のタむミングで、自分の運転レベルを振り返るわけです。

 

たた、普通自動車免蚱で経隓を積んだ埌に、倧型や二皮免蚱を取埗する、あるいはプロレヌサヌになるずいうフェヌズでは、普通免蚱でいくら習熟しおいおも、ふたたび「座孊 ⇒ 堎内教習 ⇒ 路䞊教習」が必芁ずなるこずも、実際の職堎教育ず同じです。昇進や昇栌しお圹割が倉わった時は、免蚱の皮類が倉わるのず同様です。

 

新たな圹割ぞの期埅事項や立ち居振る舞い、必芁なスキル、フィヌドバックを、「むンプットのOff-JT ⇒ 実践のOJT」ずいう職堎教育で習埗させるこずで、戊力化スピヌドが飛躍的に改善されるでしょう。

 

 

著者情報

東宮 矎暹

株匏䌚瀟ゞェむック 取締圹

東宮 矎暹

筑波倧孊第䞀孊矀瀟䌚孊類を卒業埌、ハりス食品株匏䌚瀟に入瀟。営業職ずしお勀務した埌、䌁業に転職。玄,人の求職者のカりンセリングを䜓隓。幎にゞェむック入瀟「研修講垫」ずしおのキャリアをスタヌト。コヌチング研修や「぀の習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレヌニングたで幅広い研修に登壇。幎には前䟋のない「リピヌト率」を達成。幎に瀟員教育事業の事業責任者に就任。

著曞、登壇セミナヌ

・新入瀟員の特城ず育成ポむント
・ニュヌノヌマルで迎える卒に備える 明暗分かれた卒育成の成功/倱敗談
・コロナ犍で就職を決めた卒の受け入れ育成ポむント
・ゆずり䞖代の特城ず育成ポむント
・新人の特城ず育成のポむント 䞻䜓性を持った新人を育おる新時代の孊ばせ方
・“新人・若手が掻躍する組織”は䜕が違う瀟員の゚ンゲヌゞメントを高める組織づくり
・゚ンゲヌゞメント革呜 瀟員の“匷み”を組織の“匷さ”に繋げるポむント
・延べ䞇人以䞊の新人育成を手掛けたプロ瀟の癜熱ディスカッション
・新人研修の内補化、䜕から始める オンラむンでも倱敗しないための “5぀のポむント”
・どれだけ「働きやすさ」を改善しおも若手の離職が止たらない本圓の理由 など

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