インターン実施が早期離職防止に効果あり!?

更新:2025/12/19

作成:2025/12/14

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)から、2025年4月新卒入社の社会人を対象に実施された「マイナビ 2025年卒 入社半年後調査」の結果を発表されました。

 

<目次>

「就活時の入社予定先満足度」は前年よりも高い一方、「入社後の勤務先満足度」は前年よりも低い傾向。現在の勤務先の「5日間以上」のインターンシップ参加者は、満足度が高い傾向に

今年(25年卒)の新社会人の「就活時の入社予定先企業の総合満足度」と、「入社半年後の勤務先の総合満足度」を、それぞれ5段階※1で聞いた。

 

「就活時の入社予定先満足度」が「高い(満足度4・5)(91.2%)」と答えた人は9割以上となり、24年卒の89.6%から1.6pt増加した。一方、「入社半年後の勤務先満足度」が「高い(満足度4・5)(78.0%)」と答えた人は、24年卒の84.0%から6.0pt減少している。

 

インターンシップ・仕事体験の参加有無別に「現在の勤務先の総合満足度」を見ると、「高い(満足度4・5)」と答えたのは、参加者で82.3%、不参加者で72.8%と約10ptの差があった。

 

さらに、インターンシップ・仕事体験の参加日数で満足度が高い(満足度4・5)と答えた割合を見てみると、最も多かったのは、「5日間以上(92.4%)」となり、次いで「2~4日間(83.3%)」、「1日(77.0%)」と続き参加日数が長いほど、現在の職場での満足度が高いことがわかった。【図1、2、3】
※1勤務先満足度を「不満である」・「やや不満である」・「どちらともいえない」・「やや満足している」・「満足している」の5段階で聞いた結果を、満足度1・2・3・4・5と表記

 

【図1】
2-3

 

【図2】
2-4

 

【図3】
2-5

 

新入社員の転職意向は約6割で、前年より増加。「5日間以上」のインターンシップ・仕事体験参加の場合、転職意向は半数以下に

今年(25年卒)の新社会人が転職について今どのように考えているかを聞くと、「転職意向がある(59.7%)」と答えた人が約6割となり、24年卒の54.2%から5.5pt増加した。

 

転職意向について、勤務先のインターンシップ・仕事体験の参加有無で比較したところ、参加者は59.7%、不参加者は59.6%とほとんど差がなかった。

 

参加日数別に転職意向について聞いてみると、「1日参加(63.8%)」、「2~4日間参加(61.2%)」といずれも6割を超えたが、「5日間以上(46.3%)」は半数を下回った。

 

「5日間以上」のプログラムは、タイプ3・4のインターンシップ※2に該当する可能性があり、長期間にわたり実務体験を含めて企業理解を深めたことで、入社後の定着につながりやすいと考えられる。【図4、5、6】
※2経済産業省:インターンシップの基本的な考え方

 

【図4】
3-6

 

【図5】
3-7

 

【図6】
3-8

 

調査担当者コメント

今年(25年卒)の新社会人が、入社してから半年が経ちました。「就活時の入社予定先への満足度」と「現在の勤務先への満足度」を比較すると、前年よりも大きく低下しています。

 

一般的に入社直後はリアリティショック※3を感じやすいとされています。特に今年は「就活時の入社予定先への満足度」が前年より高水準だったため、入社後に感じる期待と現実の乖離がより大きかったと考えられます。

 

入社前の企業理解として、仕事内容や職場環境、評価制度、キャリア形成の実態など、入社後に直面する要素を具体的に把握できる機会の提供が重要だと言えるでしょう。

 

一方で、勤務先のインターンシップ・仕事体験の参加有無別に満足度をみると、参加者の方が現在の職場に対する満足度が高い傾向にあり、さらに参加日数が長いほどその傾向が顕著であることがわかりました。

 

また、「5日間以上」の参加者では転職意向が半数以下に抑えられており、長期・実務型プログラムが企業理解や定着に寄与する可能性があります。今後は、採用段階での企業理解と入社後のギャップ解消に加え、質の高いインターンシップの提供が、エンゲージメントや早期離職防止の鍵となるでしょう。
※3理想と現実のギャップに直面し、心理的な衝撃を受ける状態
(マイナビキャリアリサーチラボ 主任研究員 井出 翔子)

 

出典

本調査結果は、『マイナビキャリアリサーチLab』で公開されたものを引用しています。詳細を確認したい方は、以下URLより確認ください。

 

2025年卒 入社半年後調査

 

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