過去20年ほどで通信環境やプログラム・ハードウェア性能向上によって、今ではオンラインでも「匂い以外はすべてわかる」と言われることもあります。通信環境さえ整えれば、音声が途切れることもありませんし、映像もクリアです。
一方で、年間数千人と面談をしていると、「リアル(対面)ではすぐにわかったが、Web面接では見抜きづらい」というポイントもあります。Web面接で見極めを誤らないためには、以下のポイントをしっかりと認識して選考フローを組むことが大切です。
コミュニケーション力の見極めが論理性に偏りがち
Web面接は「自宅で受けられる=自分の“ホーム”で緊張せず受けられる」という特徴があります。また、細かな表情などが読みづらく、リアル(対面)の会話と比べるとオンライン特有の“会話の間”も生じやすいため、“気持ちいい会話のテンポ”といったものも少しつかみづらい部分があります。
結果的に面接でのコミュニケーション力の見極めが、対面と比べると思考力やロジカルコミュニケーション力に偏る傾向があります。また、「オンラインでは非常に流暢で喋りやすく感じた相手が対面だとガチガチに緊張するタイプだった」、「受け答えが軽妙ではなく会話のテンポが悪い」といったギャップも生じがちです。
採用後の業務もフルリモート、オンラインが前提である場合には良いですが、対面での接客業務などが生じる場合には、オンライン面接での見極めには注意が必要です。
カメラに映らない要素に注意
リアル(対面)の面接では、相手とお会いした瞬間から面接が終わる瞬間まで、相手の全身や雰囲気が目に入っています。しかし、Web面接ではカメラに映った顔と上半身(バストアップ)の一部ぐらいしか情報がありません。
オンライン採用の笑い話で、「完全オンラインで採用した人がはじめて出社してきたら、身長が190㎝もあってびっくりした!」という話もあるぐらいです。つまり、カメラに映らない身長・体格は意外とオンラインではわからないのです。
身長・体格は選考に関連する話ではありませんが、他にもカメラに映らない部分での貧乏ゆすり、手癖や足癖、入退室などのちょっとした動作などからわかるマナーや気遣いなどが、Web 面接ではわかりません。また、カメラ越しで見える部分が限られると、清潔感などの要素も見抜きにくいものです。
コミュニケーション力の見極めと同様、入社後の業務がWeb上でのコミュニケーション中心になる、また、ロジカルコミュニケーションが重視される場合には問題ありませんが、対面での接客や商談、交渉などが重要業務となるようであれば、必ず対面面接を実施するなどの選考フローが必要です。
志望度や転職理由などの本音
志望度や転職理由、待遇などの希望に関しても、Web上では微妙な感情の揺れや雰囲気などの要素をとらえづらい部分があります。
対応として、志望度であれば点数でスコアリングしてもらってプラス要因とマイナス要因を深掘りする、転職理由であれば転職理由を解消するために本人が実施した努力などを確認する、転職先を選ぶ基準との不一致についてフィードバックして反応を伺うなど、少し深くヒアリングするようなことも大切です。
志望度の向上
前章までは見極めについての話を中心にしてきましたが、求職者の志望度を上げるうえでも同様です。仮に対面における1時間の面接を通じて求職者の志望度を一気に10高められていたとすると、オンライン面接では5~6ぐらいに留まる。しかも、面接が終わってから熱が冷めていくスピードが速いという感覚です。
したがって、
- 面接の前後で動画や資料、ホームページなどを使って、小まめに魅了付けの情報提供をする
- 電話で接点を持つ
- 社員面談などを入れて接触を増やす
といった選考フロー上の工夫を入れることも大切です。