部下をダメにする上司とは、具体的にはどのような上司でしょうか。特徴を知ることが、そういった上司を生み出さないようにする指導にもつながります。本章では、部下をダメにする上司の特徴を紹介します。
部下をダメにする上司の特徴① 計画性がない
上司、組織の“長”は、担当組織の目標設定、方針決定、計画立案などに、大きな影響を与える立場にあります。
組織の規模や上司の役職によって影響度は異なりますが、適切な目標を設定することや、外部環境、市場の変化を読んだ計画を立てることができない上司では、組織として成果を上げることができないでしょう。
結果として、部下の能力が生かされることもありませんし、成長の機会も得られないことになります。
部下をダメにする上司の特徴② 決断力がない
組織としての目標や方針の決定、また、実行過程で発生する問題の解決において、上司には意思決定力が求められます。
ビジネスの世界では、正解が分からない意思決定が多くなりますが、その中で上司には常に決断することが求められています。決断ができない上司のもとでは、問題が解決されない、課題が放置されたままとなる、物事が決まらずに前に進まないといった状況が生じます。
部下がいくら主体性を発揮しようとしても、決裁権を持つ上司が意思決定してくれないと、なかなか行動できず、モチベーションが下がっていってしまいます。
部下をダメにする上司の特徴③「叱る」と「怒る」の区別がついていない
大勢のメンバーがいる前で必要以上に強く叱責したり、人格を否定するような言葉で部下をなじったりする上司も、部下をダメにする上司の典型です。
もちろん、上司として必要な指導はきちんとする必要があります。しかし、「叱る」と「怒る」の区別がついていない上司、部下をダメにする上司は、「部下を育成する」「成果をあげる」といった目的を忘れ、怒りの感情に支配されて、感情のままに行動してしまっています。
怒りをぶつけるような行為は、部下に対する教育効果はなく、精神的な苦痛を与えたり、モチベーションを下げたりするだけです。また、人格否定するような叱責はパワハラに当たるものであり、コンプライアンス上のリスクともなります。
人間ですから感情すべてをコントロールすることはできませんが、現代の管理職は、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」を最低限身につける必要があるでしょう。
部下をダメにする上司の特徴④ 一貫性がない
部下に対する指示や評価が、タイミングや相手によって変わってしまう上司がいます。
チームに与えられたミッションや計画に基づいた考えではなく、思いつきやその場の判断だけで、「ああしろ、こうしろ」と指示を出すため、部下は振り回されることになります。場合によっては、部下はどうすればいいのか分からなくなってしまい、現場の混乱を招くケースもあります。
こうしたことが続くと部下からの信頼はなくなり、積極的に取り組む意欲もなくなっていきます。
部下をダメにする上司の特徴⑤ 結果だけしか見ない
「仕事は結果で評価されるものである」というのはある種の真理です。しかし、結果だけしか見ない上司は、部下をダメにしてしまうことも多いでしょう。
もちろん仕事の評価は結果を中心に行うべきですが、上司から部下への関わりとしては、結果に対するフィードバックとともに、次につなげるフィードバックをしていくことが大切になります。
時には、いろいろ考えて工夫しても、結果的にうまくいかないことがあります。そうした際に、努力や成長を承認することがなければ、モチベーションは低下してしまうでしょう。また、成果が出たときにも結果をだけを褒めるのではなく、成果を出したプロセスや努力を褒めることが再現性や部下の成長につながるものです。
部下をダメにする上司の特徴⑥ 必要な指導ができない
部下に優しい上司は一見すると“良い上司”のように見えます。しかし、上司の役割としては、ときに厳しい指導が必要な場面もあるでしょう。そこで必要な指導ができない上司は、中長期的には部下や組織をダメにしてしまいます。
部下の顔色を伺って言うべき指摘ができない。批判されるのを恐れてきちんと指導できない。遅刻やルール違反の部下を叱れない。こうしたことが続くと、結果的に部下のためにならず、成長を妨げることになります。
上司は「叱る」ことも、部下の成長を実現する、組織の基準を高めるために上司がなすべき指導であることを理解して、必要なコミュニケーションをとる必要があります。
部下をダメにする上司の特徴⑦ マイクロマネジメントする
仕事の細部にわたって事細かに指示し、何度も経過報告させるマイクロマネジメントをしてしまう上司もいます。
マイクロマネジメントは、上司の責任感やマジメさから生じる側面もあります。ただ、ひとつひとつ指示を受けて上司にお伺いをたてるようなやり方では、部下は自分で考えることをしなくなり、指示待ちが定着していくことになります。
部下は自分で考えてやってみる事で大きく成長します。マイクロマネジメントする上司はその機会を奪っていることになります。
また、人は自分の行動を自分で決めたいという心理があります。すべての行動を細かく指示される状態では、モチベーションはどんどん低下していってしまいます。