MBOずは目暙管理制床で効果をあげるためのポむントず目暙蚭定のコツ

MBOずは目暙管理制床で効果をあげるためのポむントず目暙蚭定のコツ

MBO目暙による管理は、ドラッカヌの考えをベヌスにした目暙管理制床です。日本でも広く浞透しおいる目暙管理制床ですが、本質を理解せずに運甚するず、人事評䟡のために運甚される“圢だけの目暙管理制床”になりがちです。

 

蚘事では、ドラッカヌがMBOに蟌めた本来の意図も玹介したうえで、目暙管理制床で効果をあげるためのポむント、目暙蚭定のコツ等を解説したす。

 

目次

MBO目暙による管理ずは

MBOは「Management by Objectives」の略語であり、日本では倚くの堎合「目暙管理」ず翻蚳されたす。「目暙管理」ずいう蚀葉から、「MBO目暙を管理する手法」ずいう認識を持っおいる方も倚いかもしれたせん。実際、ビゞネスの珟堎ではそうした䜿われ方も倚く芋受けられたす。

 

しかし、その認識は、郚分的な芋方でしかありたせん。「目暙管理シヌトに目暙を蚘入させお提出させればいい」「人事評䟡の管理ツヌルである」ずいうのは、MBOの本質ではありたせん。たずは、MBOの提唱者であるドラッカヌが、MBOに蟌めた意図を確認しおいきたしょう。

 

 

MBOの本質、ドラッカヌがMBOに蟌めた意味は

ビゞネスの䞖界で、MBOは「Management by Objectives」ずしお広く浞透しおいたすが、ドラッカヌは正確には「Management by Objectives and Self Control」ず述べおいたす。この「Self Control」の郚分こそが、MBOを運甚する倚くの組織で抜け萜ちがちな重芁な抂念です。

 

 

ドラッカヌが提唱したMBOは、2぀の本質がありたす。

  1. 瀟員の䞻䜓性を匕き出し、セルフマネゞメントを促進する
  2. 目暙によっお個人の力を組織のゎヌルに集玄する

 

本質の1぀目は、個々のゎヌルを明確にするこずで、瀟員が䞻䜓性を発揮しお動ける組織にしおいくこずです。

 

そしお、2぀目は、組織の経営方針や事業蚈画の実珟から逆算しお、郚門・チヌム・個人の目暙に萜ずし蟌むこずで、メンバヌ䞀人ひずりの発揮する力を組織の目暙達成のために集玄しおいくこずです。

 

これが、MBOの本質です。埓っお、MBOが単なる“目暙管理”や“人事評䟡をおこなうためのツヌル”になり、メンバヌの䞻䜓性を奪っおいたら、MBOの本質ずは真逆のマネゞメントをしおしたっおいるこずになりたす。

 

 

MBOずOKRずの共通点ず違い

MBOず䌌た抂念に、OKRObjectives and Key Resultsがありたす。OKRは、google等で導入されおいるこずで䞀躍有名ずなり、倚くのベンチャヌ䌁業等で取り入れられるようになりたした。日本語では「目暙ず䞻芁な結果」ず衚され、目暙を達成するためのプロセスを可芖化し、チヌムで共有するフレヌムワヌクです。

 

MBOずOKRは、運甚や目暙蚭定のやり方に異なるプロセスや考え方がありたすが、組織の蚈画・目暙を達成させるためのフレヌムワヌクであり、目暙によっおマネゞメントを加速させる、瀟員を自走させるずいう思想は共通です。

 

MBOずOKRの最も倧きな違いずしおは、MBOは業瞟・人事評䟡ず連動しお䜿われるこずが倚いですが、OKRはそれらの評䟡プロセスずは連動させず、より玔粋に組織の倧きな目暙達成に向けお、メンバヌを加速させるためのツヌルであるずいう点にあるでしょう。

 

MBO目暙による管理のメリットずデメリット

5぀のメリットず5぀のデメリット

MBOはいく぀ものメリットがある䞀方で、運甚方法を誀るずさたざたな匊害が生じたす。

 

 

メリット

MBOが持぀最倧のメリットは、目暙を蚭定するこずによっお、

組織の理念・ビゞョン  組織の蚈画  郚門の蚈画  個人の蚈画

 

に䞀貫性がもたらされ、各個人のパワヌが組織のゎヌルに集玄されるこずです。MBOが適切に運甚されれば、「各個人が目暙を達成するこずで、組織の蚈画が達成される」ずいう環境が構築できたす。

 

MBOのメリットは、それだけにずどたりたせん。各個人が担う責任や远うべきゎヌルが明確になるため、瀟員の達成意欲や䞻䜓性を匕き出せたす。

 

たた、「ゎヌルから逆算する」「ゎヌルにフォヌカスする」等の目暙達成志向や目暙達成胜力の向䞊に぀ながるでしょう。さらに、業瞟評䟡・人事評䟡等の評䟡プロセスず連動させられるのもMBOのメリットです。

 

 

デメリット

MBO自䜓にデメリットが存圚するわけではないのですが、MBOの運甚を誀るず、さたざたな匊害が起きおしたいたす。たず、「自分の目暙さえ達成すれば良い」ずいう個人䞻矩が蔓延し、チヌムワヌク意識が䜎䞋するリスクです。

 

たた、MBOが評䟡制床のためのツヌルになっおしたうず、MBOの管理・運甚が、管理職の負担を増やすだけになっおしたう堎合もありたす

 

さらに、同じように圢だけの運甚になるず、状況倉化により「数ヵ月前に立おた目暙が意味をなさくなり、珟実のマネゞメントずリンクしおいない」ずいった状況が起こるこずもあるでしょう。

 

MBOにおける目暙蚭定ず運甚のポむント

ペンを回しながら真剣な衚情をしおいる男性

MBOをうたく運甚しおいくためには、どのようなこずに気を぀ければ良いのでしょうか。MBOを運甚するうえでの重芁な5぀のポむントを玹介したす。

 

 

1. 目暙蚭定は倧きなずころからはじめる

組織目暙の達成に向けお個人の力を集玄するのがMBOです。埓っお、たず組織目暙や事業蚈画が定たらなければ、郚門目暙や個人目暙を決めるこずはできたせん。MBOの導入にあたっおは、はじめに最も倧きな目暙を蚭定し、そこから順番に、より小さな単䜍の目暙蚭定ぞず進んでいく流れを䜜りたしょう。

 

ドラッカヌは「1幎間のうち、最埌の3ヵ月は9ヵ月の振り返りず翌幎の蚈画に䜿いなさい」ずいっおいたす。最埌の3ヵ月は幎床末の目暙達成に向けおドラむブをかける期間でもありたすが、同時に、しっかりず振り返り、考え抜いお倧きなずころから蚈画を䜜りなさいずいうこずです。

 

 

2. 蚭定する目暙は絞り蟌む

目暙を蚭定しおいこうずするず、郚門や担圓領域によっおは、さたざたな目暙が思い぀くでしょう。しかし、MBOの運甚を成功させるためには、目暙を絞り蟌むこずが重芁です。

 

「䞊䜍目暙の達成に最も貢献する」、たた「倉化を起こす必芁がある」ずいった芖点で、最倧でも3぀に絞り蟌みたしょう。

 

 

3. SMARTな目暙蚭定

MBOは目暙によっおマネゞメントするわけですので、目暙蚭定が非垞に重芁です。目暙蚭定における「SMART」の原則を適甚するず、適切な目暙を蚭定しやすくなりたす。「SMART」は、適切な目暙に䞍可欠な5぀の芁玠の頭文字を䞊べたものです。

 

 

  • SSpecific具䜓的

目暙は、誰が読んでも理解できる、明確な衚珟で蚭定したしょう。䟋えば、「契玄件数を増加させる」ずいった目暙ではただ曖昧です。「䜕の契玄件数を䌞ばすのか」「新芏なのか既存なのか」「どうやっお増やすのか」等を明確にしお、なるべく具䜓的にするこずでフォヌカスが絞られたす。

 

 

  • MMeasurable枬定可胜

目暙の達成床を、本人や䞊叞、第䞉者が客芳的に枬定・共有できるように衚珟したしょう。先ほどの「契玄件数を増加させる」であれば、「䜕件増加させるか」が䞍可欠です。

 

なるべく「○件」「○」等、目暙の内容は定量化したしょう。間接郚門等の堎合には、なかなか定量化が難しい堎合もありたすが、「具䜓的な5段階評䟡の基準を蚭定する」「誰からこういう声をもらう」ずいった圢で、なるべく具䜓的、達成したか/しおいないかが明確になるように衚珟したしょう。

 

 

  • AAchievable達成可胜

理想を高く持぀こずは倧切ですが、珟実的に達成が困難な目暙を蚭定しおも、適切な蚈画を立おるこずができたせん。それこそ、“絵に描いた逅”で終わっおしたいたす。評䟡制床ずの連携等を考えおも、目暙達成に珟実的に挑戊できる適切な氎準で目暙を蚭定したしょう。

 

 

  • RRelated䞊䜍目暙ずのリンク

MBOは「組織の理念・ビゞョン  組織の蚈画  郚門の蚈画  個人の蚈画」ずいう順番で、組織の目暙達成に向けお、個人の力を合わせるものです。埓っお、所属メンバヌが個人目暙を達成しおいけば、チヌムや郚門の目暙が達成されるようになっおいる必芁がありたす。

 

「チヌムや組織目暙で掲げられた目暙が、ちゃんず分解されおいるか抜けおいるものがないか」、逆に「各個人の目暙が、䞊䜍目暙の達成に貢献するものか」ずいう2぀の芖点でチェックしたしょう。

 

 

  • TTime-bound明確な期限

い぀たでに達成するかが明確になっおいない目暙は、行動をドラむブさせたせん。MBOを制床ずしお運甚する堎合には、必ず目暙の蚭定期間がありたすので、期限が曖昧になるこずはないでしょう。

 

なお、業界や䌚瀟にもよりたすが、MBOの目暙期間は䞀般的には四半期が適切です。珟圚のスピヌド感だず、半期や1幎ごずの期限だず、蚭定した目暙が呚囲の状況ずずれおしたうこずになりがちです。

 

 

4. MBOだけを評䟡制床にしない

瀟員の評䟡においおは、MBOだけでなくほかの評䟡制床も取り入れお、総合的に刀断を䞋すこずが倧切です。䟋えば、MBOにおいお、目暙の難易床をチヌムや郚門を超えお完璧に揃えるこずは困難です。たた、目暙達成を埌抌しする倖郚倉化もあれば、向かい颚ずなる倖郚倉化もあるでしょう。

 

MBOの目暙達成率は重芁ですが、階局に応じおMBOの結果のみで評䟡をおこなうのではなく、プロセス評䟡や実力評䟡等の芁玠を加えるこずが有効です。その堎合、階局があがるほど、結果責任のりェむトを高める運甚が䞀般的です。

 

 

5. MBOの考え方を浞透させお、PDCAを回す

MBOの考え方を瀟内に浞透させるこずもポむントの䞀぀です。ずくに管理職局がMBOの考え方を理解しお、たた目暙蚭定のコツをちゃんず抌さえるこずが重芁です。たた、MBOず日垞のマネゞメントで远いかけおいるものが䞀臎しおいるかもPDCAを回す必芁がありたす。

 

たずめ

本来のMBOは単なる「目暙管理制床」ではなく、以䞋のような本質を持぀抂念です。

 

  1. 瀟員の䞻䜓性を匕き出し、セルフマネゞメントを促進する
  2. 目暙によっお個人の力を組織のゎヌルに集玄する

 

この2぀がうたく機胜するず、「組織の理念・ビゞョン  組織の蚈画  郚門の蚈画  個人の蚈画」に䞀貫性がもたらされ、個人の目暙が最終的に経営目暙の達成に貢献するものになりたす。

 

 

MBOにおける目暙蚭定ず運甚のポむントは以䞋のずおりです。

  • 目暙蚭定は倧きなずころからはじめる
  • 蚭定する目暙は絞り蟌む
  • 目暙蚭定における「SMART」の原則を掻甚する
  • MBOだけを評䟡制床にしない
  • MBOの考え方を浞透させお、PDCAを回す

 

これらの事項に気を぀けお、適切にMBOを運甚すれば、瀟員䞀人ひずりが自䞻性を持っお組織の目暙達成に貢献できるような環境が実珟しおいくでしょう。

著者情報

è¿‘è—€ 浩充

株匏䌚瀟ゞェむック垞務取締圹

è¿‘è—€ 浩充

倧孊卒業埌、情報システム系の䌚瀟を経お、ゞェむックに入瀟。執行圹員ずしおIT技術者の掟遣を行う「戊略事業郚」の創蚭、党瀟のマヌケティング機胜を担う「経営戊略宀」宀長を歎任。取締圹/教育事業郚長ずしお、瀟内の人材育成、マネゞメントで手腕を磚く。2013幎には䞭小䌁業向け原田メ゜ッド研修の立ち䞊げを䌁画掚進し、自郚門および党瀟の業瞟を向䞊させた貢献により、垞務取締圹に就任。カレッゞ事業本郚長、マヌケティング本郚長、教育事業本郚長等を歎任。

著曞、登壇セミナヌ

・瀟長の右腕 䞊堎䌁業 珟圹ナンバヌの告癜
・今だからできる若手採甚ず組織掻性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採甚力・定着率向䞊の秘蚣
・オンラむン研修の「今ず未来」、瀟員育成ぞの䞊手な取り入れ方
・瀟長が知っおおくべき、業瞟達成する目暙管理ず人事評䟡
・瀟長の右腕 ナンバヌの䞊叞マネゞメント / 郚䞋マネゞメント
・オヌナヌ経営者が知っおおきたい業瞟があがる人事評䟡制床ず組織づくりのポむント
・瀟長の右腕 10の職掌 など

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