マンダラートとは?目標達成やアイディア発想への役立て方と書き方を解説

アイデアの閃き

マンダラートは、思考の整理やアイデア発想に役立つフレームワークです。自分の考えを整理したり、アイデアを出したりすることはもちろん、具体的な施策なども明確になり、目標達成には効果的なワークとして知られています。

マンダラートの作成は抜け漏れの防止や知の共有といった効果もあるため、積極的に活用することがおすすめです。記事では、マンダラートの作成方法やテンプレート、具体的な完成イメージを紹介します。

<目次>

マンダラート(マンダラチャート)とは?

アイデアが閃いた女性

マンダラートは仏教の曼荼羅とアートをかけ合わせた造語であり、ビジネスの世界では目標達成のためのフレームワーク、思考展開ツールを指します。

 

マンダラートには曼荼羅模様のような81個のマス目があり、アイデアや具体的な行動を書き込んでいきます。最終的には1つの目標に対して64個以上の実行施策をリストアップする形となり、達成するための行動計画を立てたり、二の手三の手を準備しておいたりするうえで非常に有効です。

マンダラチャート

は、目標達成ではなく、マーケット分析や商品・サービス企画などに使われる技法です。一般的には、2つの軸を用意して、それぞれで3つの変数を準備し、2軸の変数3つ×変数3つで9個の組み合わせを考えます。

 

例えば、以下は飲食の業態開発を考える際のマトリックスです。

飲食の業態開発のマトリックス

非常にシンプルな図です。しかし、このように2軸9マスで市場を分類して、各マスに既存サービスや競合を書き込んでいくことで、市場分析や商品開発の視点を得ることが出来ます。

目標達成やアイデア発想に役立つマンダラートの効果

目標達成に向けた思考法として知られるマンダラートですが、自分の思考やアイデアを書き出すことでさまざまな効果が期待できます。

 

目標達成に向けた具体施策の洗い出し

マンダラートでは、達成したい目標に対する施策分野を書き出し、さらに具体的な施策を書き出していくことで、目標達成するための具体施策を洗い出すことができます。

 

詳しい作り方は後半で説明しますが、「来店数の増加」という目標に対して、「100件のポスティング、店頭での呼び込み、ネット広告出稿、新聞折り込みの実施、新規入会キャンペーンの実施、来店済み未契約顧客へのメール、来店済み未契約顧客へのDM、タウン誌への掲載……」といった施策分野を書き出します。

 

そして、「毎日100件のポスティング」に対して、「チラシのコピー作成、デザイン制作依頼、エリア選定、予算算出、代行業者選定、効果測定、クレーム対策、来店数のシミュレーション……」といった具体施策を書き出します。

 

完成すると、目標達成に向けた具体的な施策が洗い出されていますので、あらためて全体を見直して優先順位を付けて、行動計画へと落とし込んでいきます。

 

順を追ってマンダラートに施策を整理していくことでの抜け漏れの防止

マンダラートは施策分野 ⇒ 具体施策と順を追って洗い出していくことで、施策の抜け漏れが生じにくくなっています。思考を可視化することで、冷静に整理できたり、全体像を確認できたりすることも、思考・施策の抜け防止に効果的です。

 

また、可視化することで、周囲のアドバイスをもらいやすくなアイデアの創出

マンダラートをつくるうえで、難しいルールはありません。しかし、作成する際は81マスすべてを埋めることが基本的なルールです。

 

初めは「これ以上は思いつかない……」ということがあるかもしれませんが、できれば無理やりにでもアイデアを絞り出して、全マスを埋めましょう。全マスを埋めることで、今まで思い浮かばなかった新しい施策やアイデアを生み出すことができるでしょう。

 

普段は言われた仕事しかしていない人や、自分で考えることが苦手な人にとっては、81マスすべて埋めることは難しく感じられるかもしれません。しかし、マンダラートを繰り返し作成することで、考える力や創造力も向上します。

 

また、立てた目標を達成するための知識や経験が足りない場合にもマスを埋めきることができないかもしれません。マスを埋められないことを通じて、もっとインプットしたり、知恵を持っている人に相談したりする必要があることがわかります。

 

 

二の手、三の手の準備

マンダラートを完成させると、64個以上の具体施策が洗い出されることになります。マンダラートを実際の達成計画に落とし込んでいく際には、具体施策に必要なリソースや効果性を踏まえて優先順位を付けて、優先順位が高いものを計画に反映していくことになるでしょう。

 

ただし、目標達成の計画を実行していくうえで、当初考えていた計画通りに物事が進んでいくことはほとんどありません。考えていた施策のいくつかで思い通りの効果が上がらなかったり、失敗に終わったりすることはよくあります。

 

しかし、マンダラートでは64個もの具体施策を洗い出すことで、ある程度二の手、三の手を準備しておくことができます。また、再度考える必要がある状況に陥ったときにも、始めにつくったマンダラートを振り返ることで、効率的にリカバリー施策を考えることができるでしょう。

 

 

ベテランやトップ層が持っている知の共有

組織的にマンダラートを導入すると、トップクラスの実績を上げる優秀層や豊富な経験を持つベテランの知恵を組織に共有することができます。マンダラートを作成することは、目標達成に対する施策分野や具体施策を可視化することと同じです。

 

例えば、同じ「来店数の増加」という目標に対してマンダラートをつくったとき、新人や経験の浅い若手はマンダラートを埋めきることができないかもしれません。しかし、実績を上げているトップ層やベテラン層は、新人や若手が考えていない施策分野を書き出したり、同じ分野でも違う具体施策を書き出したりします。また、64個といわず、マンダラートのマスに収まりきらない具体施策を思いつくでしょう。

 

書き出される施策分野や具体施策の違いや量の差が、新人・若手と優秀層・ベテラン層の目標達成力の違いです。優秀層・ベテラン層の目標達成に関する知恵を可視化して、組織で共有することで、組織全体の目標達成力を底上げすることができるでしょう。

マンダラートの書き方

図面を書く女性

 

マンダラートの作成は、手書きでつくることはもちろん、ExcelやNumbers、Googleスプレッドシートなどのファイルでつくることも可能です。極端には9×9の81マスを作成して、マスに文字を書き込むことができれば、何を使っても大丈夫です。

 

ただし、手書きで書くことは脳を刺激してアイデアを出やすくしますので、慣れないうちは手書きでつくることをおすすめします。一方で、ExcelやGoogleスプレッドシートの方が保存や振り返りに便利な側面もありますので、慣れや好みに応じて利用してください。

 

<マンダラートの作成ツール>

・紙

・Excel

・Numbers

・Googleスプレッドシート

・専用アプリ

など

 

 

達成したい目標をマンダラートの中央のマスに記入

マンダラートの作成ツール

まず、中央にある3マス×3マスの枠中心に達成したい目標を記入します。

 

 

目標を達成するために必要な活動や要素を大テーマ(基礎思考)として周りの8マスに記入

目標を達成するための基礎思考

 

次に、達成したい目標の周りに達成に必要な施策分野を大テーマとして8個書きます。先ほど紹介した通り、例えば、「来店数の増加」という達成したい目標に対して、

 

  • 毎日100件のポスティング
  • 店頭での呼び込み
  • ネット広告
  • 新聞折り込み
  • 新規入会キャンペーン
  • 来店済みの未契約顧客へのメール
  • 来店済みの未契約顧客へハガキDMの送付
  • タウン誌への掲載

 

といった形です。この大テーマのことを基礎思考とも呼びます。

 

 

各分野の具体施策を8個ずつ記入

9マス×8マスの実践思考

次に、達成目標と大テーマを書いた中央の9マスを囲む9マス×8個のマスを埋めていきます。9マス×8個のマスの中央には、それぞれ先ほど記載した大テーマを転記します。そして、各大テーマに対して、実際に実行できる具体施策(実践思考)を8個以上書き出します。8個以上思いついた場合はマスの枠外に書き出すと良いでしょう。

 

  • 例えば、「毎日100件のポスティング」という大テーマに対して、

 

ポスティング用チラシのコピー制作

ポスティング用チラシのデザイン作成依頼

ポスティング先エリアの割り出しと選定

ポスティング予算の算出

ポスティング業者の選定

ポスティングの効果測定

クレーム時の対応方法を決めておく

来店数のシミュレーション

 

 

といったものが具体施策になります。8個の大テーマに対する具体施策の洗い出しを順番に実施していき、81個すべてのマスが埋まればマンダラートの完成です。

 

大テーマの書き出しに5分、大テーマから具体施策への書き出しに各5分、といった形で時間を区切って進行していくと集中力を保ちやすいですのでおすすめです。

マンダラートのテンプレートと完成例

マンダラートの枠は自分でつくっても良いですが、無料でダウンロードできるテンプレートもプレゼントしています。

 

Excel用のテンプレートで、1シート目が完成サンプル、2シート目がテンプレートとなっています。また、施策の大テーマを入力すると、外側の9マス×8個の中央に自動で反映されるようになっています。

 

<テンプレートサンプル>

マンダラートのテンプレート

サンプルとして、テンプレートを使ったマンダラートを実際に作成してみます。

 

1.メイン目標の入力

メイン目標の入力

 

達成したい目標として「来店数の増加」を入力します。なお、ここでは簡易的に「来店数の増加」と記載していますが、本来は具体的な目標数値や「いつまでに」といった期間を加えたほうが良いでしょう。

 

2.目標を達成するための大テーマ(基礎思考)を書き出す

基礎思考の書き出し

「来店数の増加」を達成するための大テーマとして以下8個を記入しました。

 

  • 毎日100件のポスティング
  • 店頭での呼び込み
  • ネット広告
  • 新聞折り込み
  • 新規入会キャンペーン
  • 来店済みの未契約顧客へのメール
  • 来店済みの未契約顧客へハガキDMの送付
  • タウン誌への掲載

 

3.大テーマを実行するための具体施策(実践思考)を8個書き出す

実践思考の書き出し

今度は、大テーマを実行するための具体施策(実践思考)を8つずつ書き込んでいきます。例えば、「毎日100件のポスティング」という大テーマに関しては、以下8個の具体施策が挙げられます。

 

  • ポスティング用チラシのコピー制作
  • ポスティング用チラシのデザイン作成依頼
  • ポスティング先エリアの割り出しと選定
  • ポスティング予算の算出
  • ポスティング業者の選定
  • ポスティングの効果測定
  • クレーム時の対応方法を決めておく
  • 来店数のシミュレーション

 

4.完成

マンダラチャート

81マスすべてを埋めれば完成です。マンダラートが完成すると、64個の具体施策が洗い出されています。

 

書き出した施策すべてを実行することは難しいかと思います。各施策の効果性や必要なリソースを踏まえて優先順位を付けて、行動計画に落とし込んでいきましょう。行動計画に落とし込むときには、「書き出した施策をやり切れば達成できるか?」という視点で考えることが大切です。

まとめ

マンダラートは曼荼羅をモデルとした思考展開ツールです。達成したい目標に対して8個の施策分野、64個の具体施策を書き出すことで思考が整理されるとともに、目標達成に必要な具体策が洗い出されます。

 

マンダラートを活用すれば精度の高い達成計画を作成できるようになり、個々人の目標達成力が向上します。さらに組織内の「知の共有」が進むことで、組織の目標達成力がグッと向上するでしょう。

 

<マンダラート作成手順>

  1. 達成したい目標をマンダラートの中央のマスに記入
  2. 目標を達成するための施策分野を周りの8マスに記入
  3. 各施策分野で8個以上の具体施策やアイデアを記入

 

マンダラートのExcelテンプレートを無料でダウンロードできますので、是非ご参考になれば幸いです。

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。専門はマネジメント、幹部育成、組織論。

【著書、登壇セミナー】
・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
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