指示待ち人間になってしまうのは、本人だけの問題だけでなく、本人を取り巻く環境や上司、組織にも問題がある場合があります。具体的にどのようなものかを見ていきましょう。
指示待ち人間を生みやすい教育と成長環境
まずは指示待ち人間を生みやすい教育と成長環境についてです。指示待ち人間になってしまう人は、子供の頃から自分で選択してチャレンジする機会が少なかったケースが多く見られます。
子供に失敗させたくないという親のもとで育ち、何度も失敗を繰り返しながらも成功体験をつかみ取るという経験があまりなかったため、積極性が身につかなかったということがあります。
また、「他人に迷惑をかけてはだめ」と過度に言われて育つと、積極的な行動を控える傾向となることもあります。なぜなら、他人に迷惑をかけない最善の方法は、「何もしないこと」だからです。
さらに、自発的に行動しても「勝手なことをしてはだめ」「こんなことをして!」と何度も注意を受けていると、「(上の存在から)何か指示があるまで行動してはいけないんだ」と思い込むようにもなってきます。
このように積極的に行動することに対して制約の多い環境で育ってしまうと、指示待ち人間になりやすくなります。
部下を指示待ち人間にしてしまう上司
指示待ち人間が生まれる理由として、上司の側に問題があるケースもあります。
上司の部下に対する接し方に問題があり、心理的安全性が低下してしまっているような場合です。
問題ある接し方としては、
- 完璧主義であり、自身だけでなく部下に対しても完璧さを要求する
- 高圧的で部下が委縮してしまう
- 自分の意見を部下に押しつけてしまう
- ダメ出しをし過ぎてしまう
といったことが挙げられます。
この他にも、仕事を任せられない上司も、部下を指示待ち人間にしてしまいます。「部下に任せるより、自分でやった方が早いから」と部下に任せずにいると、部下の側は自分の方から言っても仕事を任せてもらえないと感じるようになり、指示があるまで動かないようになっていきます。
また、失敗を過剰に叱るような風土も、指示待ち人間を生み出します。人に迷惑をかけないようにするのと同じように、叱られないようにすることもまた、何もしないということが最善の策になってしまうからです。
いずれも上司の行動や失敗を注意することには一定の正当な理由もあります。ただ、「やり過ぎる」と部下を指示待ち人間にしてしまうのです。
組織が抱える問題
指示待ち人間が多くなってしまっている組織もあります。
そのような組織が持っている問題点としては、
- 人事評価の基準が曖昧
- 企業理念が浸透していない
- チャレンジに対して消極的
- 心理的安全性が低い
といった傾向が挙げられます。
まず人事評価の基準は明確なものにし、何をどのように努力すれば評価されるのかが分かりやすいものである必要があります。そうしなければ、部下の側はどう行動すれば評価されるのかが分からず、積極的に動くのが難しくなるでしょう。
また、企業理念や事業計画が浸透していなければ、どういった行動・判断をすることが正しいかを部下は判断できず、結果的に上司の指示を仰ぐまでは行動しない、判断しないといった状態になっていきます。
さらに、組織全体がチャレンジすることに対して消極的であれば、組織全体が指示待ちの状態になり、トップの掛け声が無ければ誰も動かないという状態にもなりかねません。
組織の心理的安全性については、上司の叱責と同じで、失敗することに対して不寛容な組織になってしまうと、失敗時の責任追及を恐れて、積極的に動く人はいなくなってしまいます。