効果的な採用パンフレットを作るポイントは?活用例も紹介

更新:2023/01/23

作成:2022/11/26

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

効果的な採用パンフレットを作るポイントは?活用例も紹介

2020年からのコロナ禍によって、会社説明会や面接などの採用活動が一気にオンライン化しました。

こうした動きに歩調を合わせるかのように、近年では、SNSやオウンドメディアを使い、自社の魅了付けや認知度アップをはかろうとする企業が増えています。

オンラインでの情報発信は、手軽に実施することができるため、接触頻度を保つうえでは非常に有効です。

一方で、オンラインでの接触は、“接続を切ると意識からすぐ外れてしまう”“求職者側に能動的にアクセスしてもらう必要がある”といったデメリットもあります。

したがって、採用活動の中で自社の魅了付けをするうえでは、紙や冊子の採用パンフレットをどう活用するか、オンラインとどう組み合わせるかという視点を持つことも大切です。

記事では、まず、従来からある採用パンフレットの概要と採用パンフレットに期待する役割を確認します。

そのうえで、効果的な採用パンフレットをつくるためのポイントと具体的な活用事例を紹介します。

<目次>

採用パンフレットとは?

真っ白の本を開く様子
採用パンフレットは、紙で作られた求職者向けの会社案内や入社案内などの総称です。

採用パンフレットは、古くから合同企業説明会や会社説明会などで配布されていました。

近年では、PDF化したパンフレットを採用サイトからダウンロードさせる企業も増えています。

採用パンフレットの形状と種類

採用パンフレットには、冊子タイプやリーフレットタイプが多い傾向があります。

また、他社との差別化を図るために、蛇腹や折り紙、冊子の後ろにポケットをつけるなどの変形タイプでも作れます。

採用パンフレットに期待する役割

冒頭で紹介したとおり、近年では、SNSやオウンドメディア、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の普及によって、企業がオンライン上で情報発信する方法は多様化し、必要な費用も軽減されています。

こうした時代に採用パンフレットの作成や見直しをするうえでは、紙のパンフレットに期待する役割を明確にして、企画・制作を進めることが大切です。

求職者の志望度向上(魅力付け)

採用パンフレットの作成・配布をするうえで最も大切なことは、パンフレットを見た求職者の業界や自社への関心を高め、志望度をアップさせることです。

いまの時代、インターネットが普及したことで、会社概要や沿革、雇用条件などの定量的な情報は、わざわざパンフレットを作成しなくても自社サイトなどから容易に確認してもらえるようになりました。

また、オンライン上のほうが動画を掲載したり、スペースの制限なく画像を使ったり、情報量を提供することも可能です。

そうしたことも踏まえて、「紙」の採用パンフレットにどんなコンテンツを掲載するか、オンラインとどう連動させるかをしっかりと検討することが大切です。

求職者の志望度維持(魅力付け)

就職活動・転職活動をする求職者には、日々さまざまな企業や求人サイトからスカウトメッセージなどが届き、目移りをしたり競合に惹かれて自社への志望度が下がったりすることもあります。

会社説明会や面接などで上昇した志望度も、時間が経過すれば徐々に低下していくことが自然です。

特にオンラインの説明会や面接での意欲上昇は、対面ほど五感を伴った経験ではないため、接続を切ると冷めやすい傾向もあります。

その点、紙の採用パンフレットは、捨てられなければ求職者の手元に残り、ふとしたときに見返してもらえる利点があります。

配布して終わりではなく、求職者との接触機会に、採用パンフレットに再び目を通してもらう工夫などをしてもよいでしょう。

求職者の疑問・不安の解消

説明会へのエントリー→選考(面接)→内定承諾…と、スムーズに採用プロセスを進めていくには、その過程で生じる以下のような求職者の疑問や不安を解消することが大切です。

  • どのような雰囲気のオフィスで働くのだろうか?
  • ゲームは、どのような流れで制作するのだろうか?
  • 女性エンジニアは、子育てとキャリアを両立できるのだろうか? など

採用パンフレットには、ビジュアルデザインの工夫によって世界観を伝えやすい利点もあります。

ページを開けた瞬間にワクワクする体験も、パンフレットだから実現できることでしょう。

ただし、提供できる情報量は、オンラインのほうが多くできるという点は上述したとおりです。

特に疑問や不安の解消は、紙とオンラインのすみわけ、分担が重要になるでしょう。

内定者フォロー

たとえば、Twitterから発信される採用動画などのWebコンテンツは、いくら良いものを作っても、必ず見てもらえるとは限りません。

一方で、紙の採用パンフレットの場合は、先述のとおり、求職者の手元に残っていれば、ふとした瞬間に見返してもらえる利点があります。

また、紙媒体の場合、親に共有するといった使い方ができることも魅力です。

特に知名度がない、あまり知られていない分野、親世代にはイメージしにくい業種などでは、親向けに採用パンフレットを作成することもおススメです。

効果的な採用パンフレットを作るためのポイント

BRANDING
採用パンフレットを自社の魅了付けや内定者フォローに役立てるには、以下のポイントを大切にしながら制作を進めるとよいでしょう。

企業ブランディングのツールとして位置付ける

採用パンフレットは、ただ情報を伝えるためだけの資料ではありません。

自社に高い価値を感じてもらい、自社で働くポジティブなイメージを形成してもらうためのブランディングツールとして、採用パンフレットを位置付ける必要があります。

そうすれば、効果性の高いテーマを自ずと選びやすくなります。

表面的な情報ではなく深みのある情報を魅力的に掲載する

先述のとおり、企業概要・沿革・ミッション・雇用条件などの表面的な情報は、自社サイトからでも容易に確認できるものです。

また、動画や画像などもオンラインのほうが活用しやすい部分もあります。

したがって、採用パンフレットでは、オンラインとの連携も考えながら、どちらかというと何度も見返してほしいようなストーリーや、深みのある情報を掲載することが有効です。

たとえば、採用パンフレットでミッションの話を盛り込むときには、現在のミッションにたどり着くまでのストーリーや、自社における大きな転機といった、深みのある情報を掲載するとよいでしょう。

豪華さや派手さなどアート性にこだわりすぎない

合同企業説明会に参加した求職者は、たくさんのチラシやパンフレットを受け取ることになります。

そのため、帰宅後に手にとってもらうには、パンフレットがそれなりに目立つことも大切です。

しかし、採用パンフレットが企業ブランディングのツールであることを考えると、大切なのは、自社の価値観や理念などへの共感・信頼から志望度をアップさせることです。

魅力的なデザインも大切ではありますが、最重要ポイントは中身であることを忘れないようにしましょう。

最近ではオンデマンド印刷を使うことで少部数でも紙媒体を作成しやすくなっています。少数の求職者に配布する目的であれば利用を検討してもよいでしょう。

経営陣も企画・作成に関わる

採用パンフレットは、先述のとおり、企業ブランディングのツールとなりますし、場合によっては求職者の家族や友人知人の手に渡ることもあるものです。

そのため、採用パンフレットの企画・作成には、自社ブランドの検討と同様に経営陣にも関わってもらったほうがよいでしょう。

なお、パンフレット作成では、以下のようなコンテンツをつくるために、現場で働く既存社員の協力を仰ぐ必要もあるでしょう。

  • 人気サービス誕生までのヒストリー
  • ママ管理職の一日
  • 研究開発や製造現場の風景 など

こうした現場の協力を得るうえでも、経営陣の関与が不可欠になります。

Webと連動させる

紙媒体のパンフレットは手元に置いてもらえる利点はありますが、掲載できる情報量に制限があります。また、掲載できるのはテキストと画像に限定されます。

こうした紙媒体ならではの欠点を補うためには、採用パンフレットからQRコードなどを使ってWebに飛べるようにする工夫も必要です。

QRコードで飛んだ先のWeb媒体では、さらに深い情報や動画、また、紙の採用パンフレットには掲載できなかった情報を載せておくと有効です。

採用パンフレットの具体的な活用例

最後に、採用パンフレットの具体的な活用例を整理しておきましょう。

企業説明会で配布する場合

企業説明会では、無造作に黙ってただ配布するのではなく、採用パンフレットの内容への興味を喚起し、中を開いてもらう、後で読んでもらう工夫をするとよいでしょう。

  • 自社のヒストリーを少し話したあとに、「続きはパンフレットに書かれています」と案内する
  • 採用パンフレットの中身を軽く紹介して、さらに会社説明会では時間の都合などで説明できない情報も採用パンフレット、またそこからWebにリンクした先で読める

などを伝える。

内定者フォローに使う場合

内定者フォローでは、志望度を高めてもらうために、採用パンフレットを用います。

たとえば、グループワークをする場合、最初にパンフレットを読んでもらい、以下のような内容のディスカッションを促してもよいでしょう。

  • 自社の成長ヒストリーを読んで何を感じたか?
  • 気になった先輩社員は誰か?その理由は?
  • 自社の技術や文化を継承するには、どうすれば良いか?
  • 入社後、どのような技術者になりたいか? など

コロナ禍で内定者を集められない場合は、上記のテーマでレポートを書いてもらってもよいでしょう。

採用サイトに掲載する場合

採用パンフレットをPDF形式で採用サイトに掲載し、ダウンロードできるようにする方法もおすすめです。

ただし、PDF形式の場合、スマートフォンでは見にくいです。スマフォでも見やすくするなら、Webフォーマットに変換してコンテンツを流用するとよいでしょう。

採用パンフレットの内容をWeb上のコンテンツにすると、アクセス状況などを見て、求職者が何に興味があるか、何が読まれているかなどを確認することも可能になります。

アクセス状況などの分析は、紙の採用パンフレットではできない効果検証です。

なお、PDFやWebコンテンツではなく、専用ツールを使ってebookにすることも一つの方法です。

ebook形式にすれば、手間もかからず、また、ツールによっては前述のようなアクセス分析も実施できるようになります。

まとめ

紙媒体の採用パンフレットには、以下の役割が求められます。

  • 求職者の志望度向上(魅力付け)
  • 求職者の志望度維持(魅力付け)
  • 求職者の疑問・不安の解消
  • 内定者フォロー

オンラインでの情報提供は、ある程度求職者が能動的に見ようとしないと見てもらえないことが欠点です。

また、オンラインの会社説明会や面接などは、対面ほど五感を使わない、接続を切った瞬間に余韻がなく終了するため、志望度などの意欲が下がりやすい傾向もあります。

その点、紙の媒体は捨てられなければ、手元でふとめくってもらえる、見返してもらえることが魅力です。

また、リアルな“モノ”としての質感などでも印象を形成することができますし、親などに渡してもらうことも容易です。

情報量の制限なく、また動画などの掲載も可能なオンラインと紙の採用パンフレット、双方の位置づけや目的を明確にしたうえで、うまく連携させていくとよいでしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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