この章では、スクラム採用によって期待できる効果・メリットを確認しておきます。
採用力の強化
たとえば、インターンシップや企業説明会に、優秀な既存社員が参加することで、求職者は、「現場の生の声」を聞いて、企業や職種への不安要素や疑問をその場で解消できます。
実際に活躍する優秀な社員は、学生や若手のロールモデルでもあります。
お手本になる社員からのスカウトメッセージや面接でのポジティブなフィードバックがあると、学生や若手に「この人と一緒に働いてみたい」「この人みたいなエンジニアになりたい」などの想いが芽生え、魅了付けも成功しやすくなります。
人事担当者の負担軽減
近年、新卒採用の早期化・長期化・複雑化、また採用手法の多様化などにより、人事担当者の負担がかなり増大しています。
そこでスクラム採用を導入して、たとえば、現場のメンバーに説明会や面接に出てもらうと、人事担当者は内定式や内定者研修などの準備やフォローといった仕事に専念しやすくなります。
採用ミスマッチの防止
人事担当者は採用のプロですが、現場の業務を熟知しているわけではありません。最近では、分業と専門化が進むなかで、人事の把握度は落ちつつあります。
こうした理由から、人事担当者が面接しても「求職者が優秀なのか、経歴がフィットするのか判断できない……」といったことも増えています。
また、志望度アップするうえでも、自社における該当職種のやりがいやキャリアパスの魅力について語ることが難しくなっている部分もあります。
スクラム採用を導入して、現場に必要なスキルや価値観を熟知したメンバーが面接や選考に関われば採用ミスマッチも起こりにくくなります。
また、各職種にフィットした情報提供を行なうことで、求職者への魅力付けも容易になるでしょう。
優秀な転職潜在層へのアプローチ
優秀な人材に注目される企業には、以下のような特徴があります。
- 経営ビジョンが確立され、メンバーに共有されている
- 自分の能力を活かし伸ばせるフィールドがある
- インナーブランディングに成功している など
スクラム採用で、たとえば、優秀なメンバーが自社の採用コンテンツに露出すれば、ビジョンの共有や能力が活かせるフィードがあることのアピールが可能になります。
また、たとえば、優秀メンバーが「この企業に転職してから、エンジニアとして成長できました!」という話をすれば、人事担当者が語るよりも説得力が増すでしょう。
さらには、リファラル採用を導入して、各個人に自分の友人や知人で自社にフィットする人がいないかを探してもらうことも可能になります。
先述のとおり、近年では、SNSが発達したこともあり、たとえば、極端な話、メンバー100人が一斉にSNSで自社の求人情報を発信すれば、その露出効果は非常に大きなものになり得ます。
◆従業員エンゲージメントの向上
採用活動に携わる、一緒に働く仲間の募集に関わることで、現場の社員にとっても有意義な体験になります。
時間や工数的な負荷がかかり過ぎないようにすることは大切ですが、人事と幹部が採用した人が一方的に配属された場合などと比べて、育成へのモチベーションなども高くなりますし、組織づくりに携わっている感覚を得ることもできます。
また、採用活動に際して、自社のやりがいやキャリアパスなどについて改めて理解を深めたり整理したりして、求職者にアウトプットすることは、エンゲージメント(職場への愛着・信頼)向上にもつながります。