近年の採用分野では、「求人ナビ離れ」の傾向があります。代わりに新卒でも中途でも伸びている採用手法が「ダイレクトリクルーティング」です。
本記事では、まず、ダイレクトリクルーティングの基礎知識を確認したうえで、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットを解説します。後半では、ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント、おすすめの新卒ダイレクトリクルーティングサービスも紹介します。
<目次>
ダイレクトリクルーティングの基礎知識
まずは、ダイレクトリクルーティングがどういうものかを、確認していきましょう。
ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチできる“攻め”の採用手法と呼ばれるものです。
採用企業は、ダイレクトリクルーティングサービスの提供企業と契約することで、匿名状態の求職者データベースを検索してメッセージ(スカウト)を送信できます。求職者がメッセージ(スカウト)内容に興味を持ってエントリーすると、利用企業に個人情報が公開される仕組みです。
従来まで一般的だった「求人媒体に広告を出す」「人材紹介企業に依頼を出す」といった手法の場合、サービスの利用企業は、広告の出稿や紹介依頼を一度出した後は、応募が入ってくる/推薦が来るのを待つという状態になってしまいがちでした。
従来の採用手法では、ネームバリューなどが低い中小企業・ベンチャー企業は優秀人材との接触が難しくなっていました。また、優秀層や採用意欲が高まりきっていない潜在層との接触をすえるうえでは、求人媒体や紹介企業の経由では難しいといった背景もありました。
その結果として、いま注目されているのが、“攻め”られる採用手法であるダイレクトリクルーティングです。ダイレクトリクルーティングは、新卒採用と中途採用の両方でシェアを伸ばしています。本記事では、特にシェアを伸ばしている新卒採用分野を中心にダイレクトリクルーティングを紹介します。
ダイレクトリクルーティングの大まかな流れ
ダイレクトリクルーティングを実施する場合、ダイレクトリクルーティングのサービス提供企業と契約して、以下の流れで採用活動を進めていくことになります。
- 1.実施媒体の決定
- 2.選考プロセス、オファーの決定
- 3.スカウトメールのひな形作成
- 4.求職者や学生検索、スカウトメッセージの配信
- 5.返信への対応、面接・面談の実施
- 6.開封率・返信率の効果検証
ダイレクトリクルーティングの費用
ダイレクトリクルーティングの費用は、「固定費+成果報酬」の組み合わせになっていることが一般的です。なお、固定費だけといった価格体系で提供されているサービスやプランもあります。
具体的な金額は利用サービスによって異なりますが、一般の求人媒体と比べると固定費は安く、また、人材紹介と比べて成果報酬も安い価格帯になります。したがって、ダイレクトリクルーティングのサービスをうまく活用すると、採用単価を抑えることが可能になります。
ただし、ダイレクトリクルーティングで成果をあげるためには、データベースの検索・スカウトメッセージの配信などの工数が必要になります。費用を押さえて優秀層にアプローチできますが、その分手間はかかると考えるとよいでしょう。
他の新卒採用手法との違いを比較
ダイレクトリクルーティングと、その他の新卒採用手法を比較すると、以下のとおりになります。
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ダイレクトリクルーティングの導入を検討するする際には、メリット・デメリットを把握したうえで、自社に合った仕組かを考えることも大切です。
ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングを利用する最大の利点は、自社が採用したい人材、内定を出せそうな人材を検索して、ピンポイントでアプローチできることです。
また、文面やオファー、送信者等を工夫することで、大手企業と比べて認知度が低い中小企業やベンチャー企業でも、熱意や積極的なアプローチを通じて自社を知らなかった学生からのエントリーを獲得できます。
新卒ダイレクトリクルーティングのデメリット
ダイレクトリクルーティングを活用するには、メッセージを作成したり、検索してスカウトメッセージを送信したりする部分に工数がかかります。ダイレクトリクルーティングの提供企業でも代行サービスなどが用意されていますが、多くの場合はオプションサービスとなり、追加費用が発生します。
また、文章の作成力がない、配信方法を工夫しない場合も、ダイレクトリクルーティングは成果をあげづらいでしょう。自社が求める人材・口説けそうな人材をしっかり絞り込まずに、大量のスカウトメッセージを送るようなやり方も反応が悪くなります。
ダイレクトリクルーティングが向いている企業とは?
以下のような企業は、ダイレクトリクルーティングに向いています。
- 知名度があまり高くない
- 業界内での人気があまり高くない
- ほしい人材のスペックを絞り込めている
- 選考時の工数削減のために、母集団を絞り込みたい
- 採用活動の生産性を向上させたい
- 採用人数が多くなく、カジュアル面談などを実施できる
- ダイレクトリクルーティングの運用に一定に工数を割ける
ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント
先述のとおり、ダイレクトリクルーティングは、やり方によっては上手くいかないこともあります。ダイレクトリクルーティングを成功させるには、以下のポイントを押さえて準備や運用する必要があります。
学生に響くスカウトメッセージを作る
ダイレクトリクルーティングのメッセージを作成する上では、
- ①開封してもらう
- ②中身を読み進めてもらう
- ③応募してもらう
という3点を実現できるように意識することが大切です。
まず開封してもらう、件名や送信者の工夫が大切です。思わず開けたくなるような呼びかけや経営者などの名義で送ることが有効です。
また、相手の心に響くスカウトメッセージを作る上では大切なことは、自社の魅力をきちんと棚卸して、担当者間で共有・理解することです。
- 事業内容の魅力
- 市場地位や成長性、ブランドの魅力
- 仕事のやりがいに関する魅力
- キャリアアップや人材育成に関する魅力
- 職場の雰囲気やメンバーの人柄に関する魅力
- 働き方の魅力
- 待遇面の魅力 など
自社の魅力を棚卸したうえで、自社が採用したいターゲット層のニーズを分析して、どこが接点になるかを検討して文章に反映していきましょう。
また、以下のようなポイントを押さえることが大切です。
- 件名:冒頭の10~15文字で読まれるかが決まる
- リード文:読み進めてもらえるようにリード文でぐっと惹きつける
- 本文:ターゲットに合わせて、自社の魅力の訴求や不安事項の解消をする
- 終わり方:相手に求める行動をしっかり伝える
応募してもらう上では、最後の「求める行動をしっかり伝える」ことも大切です。相手が見ている画面イメージなども想定したうえで、「これこれをしてください(画面下部の「応募するボタン」を押してエントリーしてください、など)」ときちんと伝えましょう。
自社とマッチする人材を探せる媒体・サービスを使う
ダイレクトリクルーティングを成功させるには、各社の登録層やサービスを確認して、自社に合いそうなサービスを選ぶことが大切です。比較するうえでは、自社で重視する機能の優先順位を明確にすることも必要でしょう。
例えば、新卒で言えば、以下の要素が検討材料になるかもしれません。
<新卒ダイレクトリクルーティングの検討ポイント>
- 自社が採用したいエリアや属性の学生数が多いか
- 学生の検索項目やデータベース項目が自社のニーズに合っている?
- 適性検査の結果などをチェックできるか?
- 大学1・2年生にもアプローチできるか?
- 文面作成や配信を代行してくれるか? など
プロフィール確認やメッセージ送信の工数を確保する
ダイレクトリクルーティングでは、流れのところで紹介したとおり、大まかな検索条件で検索したうえで、以下の作業を対象一人ひとりに行なう必要があります。
- ①プロフィールを確認して自社にマッチする人材かどうかを判断する
- ②相手のプロフィールに応じてテンプレートをカスタマイズしてメッセージを送信する
- ③レスポンスがあった際には迅速に対応する
- ④定期的に開封率や返信率などを検証してテンプレートを修正する
これらの作業をきちんと行なわないと、ダイレクトリクルーティングの大きな成果をあげることは難しいでしょう。ダイレクトリクルーティングを活用するためには、上記をきちんと行える工数や体制を整備する必要があります。
おすすめの新卒ダイレクトリクルーティングサービス
新卒ダイレクトリクルーティングを始める方には、以下2つのサービスがおすすめす。
FutureFinder
手間なく、自社で内定(活躍)可能性の高い学生と会える、新卒ダイレクトリクルーティングのサービスです。心理統計学とHRTechを使うことで、自社における活躍人財の定義と学生の特性分析結果と照合して、活躍可能性が高い学生を特定できます。
属性と活躍可能性を掛け合わせて検索、メッセージを送信することで高精度な母集団形成が可能です。
また、FutureFinderでは、以下のような集客・運営業務をすべて事務局で代行可能です。
- 求人原稿作成
- スカウト文章の作成・配信
- 説明会の登録・日程追加・受付の停止
- エントリーやメッセージ返信への対応 など
地方のミカタ
「地方学生」に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。地方のミカタを使えば、「首都圏で働きたい」と考える約5,000人の地方学生に直接オファーが可能になります。なお、地方のミカタに登録しているのは、6割が国公立大学の学生です。掲載社数を限定しているため、競合が少ないところも大きな魅力になります。
まとめ
ダイレクトリクルーティングは、採用企業が求職者に直接メッセージを送れる攻めの採用手法です。近年では、求人メディアに代わる手法として、シェアを急激に伸ばしています。
ダイレクトリクルーティングを成功させるために最も大切なのは、相手の心に響くメッセージを作成すること、そして、プロフィール確認やメッセージ送信の工数をきちんと確保することです。
新卒領域でダイレクトリクルーティングを探すようであれば、以下の2サービスもぜひ活用してください。