中小企業の新卒採用における課題
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まずは、中小企業における新卒採用の課題を確認しましょう。
求人倍率のGAP
冒頭で言及したとおり、大企業と中小企業では、そもそも求人倍率が大きく違います。
2021年の小規模企業白書(中小企業庁)によると、従業員数300人以上の企業では、2021年卒において求人倍率が1倍を下回る状態であることがわかっています。
一方で従業員数299人以下の企業の場合、2021年卒の求人倍率は3.4倍だったものの、その前年はなんと8.6倍でした。
この状態は、300人以上の企業では、1人の新卒に対して1件以下の求人しかなく、数字だけの極論でいえば、すべての求人枠が充足する状態。
一方で、299人以下の企業は、8.6社で1人の新卒を取り合っており、8.6社のうちの1社しか採用できない状態です。
上記は極論ですが、データだけを見ても、企業規模によって採用難易度が大きく変わることがわかるでしょう。
知名度や認知度の低さ
求人倍率の違いとも紐づくところですが、知名度や認知度の低さも中小企業の採用を難しいものとしています。
そもそも人は、名前を聞いたことがあるものに親しみを持つ傾向があります。
したがって、マイナビやリクナビなどの求人サイトに登録した学生が、社名を耳にしたことやメディア露出などの多い大企業に、以下のようなポジティブなイメージを持つのは、自然な心理ともいえます。
- 安定してそう
- 自分の夢や目標を叶えられそう
- おもしろい仕事ができそう
なお、近年は、現実には大手企業でも倒産や買収なども起こりうる時代です。
しかし、学生が、コロナ禍やウクライナ侵攻などで経済・雇用情勢が不安定になるさまを直視した場合、やはり安定志向が強まり、大手企業に注目する傾向は従来と変わりません。
待遇面のギャップなど
厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模別の月収(男性)に以下のような開きがあります。
- 大企業:38万7,000円
- 中企業:32万1,500円
- :29万2,000円
もちろん近年では、優秀な人材に高い賃金を支払ったり、賃金・報酬以外に福利厚生の充実などに力を入れたりする中小企業も増えています。
しかしそれでも、現状ではやはり「大企業のほうが待遇は良く、中小企業はあまり良くない」というイメージが企業の採用活動に影響している点は否めません。
採用予算やノウハウの不足
ここまで紹介したような企業自体の知名度や待遇の違いなどに加えて、採用ノウハウの不足も、中小企業が新卒の採用に苦労する要因です。
大手であれば、採用人数が多いからこそ、採用専属で部署があり、かつ新卒採用と中途採用で異なる担当チームを設けることも当たり前です。
しかし、中小企業の場合、専任の新卒採用担当がいないケースが多いでしょう。
新卒採用と中途採用が兼務であるぐらいならまだ良いほうで、教育研修や人事評価なども含めて人事全体を担当、場合によっては総務と兼務といった場合もあるでしょう。
そうすると、情報収集や新しい施策のトライアルに割ける工数もそう簡単には確保できません。採用人数が少ないことで、人材の見極め力や口説く力などのノウハウも蓄積しづらくなります。
また、求人広告代理店からの情報提供でも、資金力の高い大企業と中小企業では差がつきやすいです。
たとえば、求人サイトの代理店に支払う採用単価が仮に40万円だとします。そこで、大企業の採用人数が50人、中小企業が5人とした場合、代理店に支払う金額は以下のようになります。
- 大企業:40万円×50人→2,000万円
- 中小企業:40万円×5人→200万円
上記は極端な計算ですが、採用人数が多い大手企業ほど使う採用費は多くなるものです。
求人サイトの代理店側でも、たくさんのお金を払う企業をエース社員や優秀クリエイターに担当させ、情報提供やコンサルティングも本腰を入れて行なうことになるのはやむを得ません。
さらに、年間1~2人しか採用しない中小企業の場合、年間50人を採用する大企業のように自社の採用サイトやSNSアカウント立ち上げ、それらの運用に工数・コストを使うことも難しくなります。
このようにノウハウという点に着目しても、やはり大手企業と中小企業では、大きなギャップが生じてしまいます。






