ダイレクトリクルーティングの費用体系は?優秀な中途人材の確保に注目!

2021/01/20

ダイレクトリクルーティングの費用体系

ビジネスにおける分業化と専門化が進み、また、副業や兼業、フリーランスなど、働き方も多様化する中で、中途領域で優秀な人材を確保する難易度はますます高まっています。優秀人材を確保するためには、企業はただ応募を「待つ」のではなく、「攻め」の姿勢で採用活動を進めていかなければなりません

 

いま注目されているのが、ダイレクトリクルーティングです。オファー型採用、スカウト型採用などとも呼ばれるこの採用手法は、採用企業が求職者に直接アプローチできることから、“攻めの採用手法”と言われています。

 

記事では、ダイレクトリクルーティングの仕組みやメリット、費用体系などを解説します。「求人広告で募集をかけても欲しい層が集まらない」「人材紹介のコスト負担が大きい」といった課題を抱える企業は、ダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

<目次>

ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングは、採用企業が直接求職者を探して、積極的にアプローチをする採用方法です。従来の求人広告を出して応募を待つ形ではなく、「攻め」の姿勢で採用企業が能動的に動くことができ、優秀な人材を確保できると注目されています。

 

ダイレクトリクルーティングのサービスを契約すると、各サービスで集めている求職者の情報(個人情報は匿名で、経歴やプロフィールを閲覧可能)をデータベースから検索して、直接スカウトメッセージを送ることができます。メッセージを見た求職者が興味を持って応募や返信すると、個人情報が閲覧できるようになります。

 

定型文のような求人票を掲載するのとは異なり、ダイレクトリクルーティングでは、自社で工夫したメッセージをピンポイントに採用ターゲットとなる求職者に届けられます。そのため、知名度が低い中小企業や、一般的に不人気と言われる業界であっても、優秀人材にリーチできます。また、欲しい人材に絞って採用活動を進められるため、求人広告で応募を取りづらいプロフェッショナル人材を採用する場合にも有効です。

ダイレクトリクルーティングのメリット4選

ダイレクトリクルーティングを導入するメリットには、以下の4つがあります。

 

 

①   転職潜在層、優秀層へのアプローチ

一般的な求人サイトでは、「既に退職している」「すぐにでも転職したい」といった、転職活動に積極的な顕在層の登録が多くを占めています。一方、ダイレクトリクルーティングでは「転職したいけどなかなか踏み出せない」「転職活動はしていないけど、良い会社があれば転職したい」といった潜在層にもアプローチすることができます。

 

転職潜在層へのアプローチが可能にあることで、採用競合や人材紹介会社に先駆けて優秀層を発掘できますし、専門的な職種やプロフェッショナル人材など、中途採用の市場にはなかなか出てこない人材にも巡り合える可能性が高まるでしょう。

 

 

②   採用企業からアプローチできる「攻め」の採用

企業から直接求職者へアプローチがすることが可能なため、他のルートでは応募が得にくい優秀層に直接コンタクトを取ったり、不人気と言われる業界等でも自社の魅力を伝えたりすることができます。

 

データベースに登録した人材と直接接点を持てるため、「求人広告を出しても、大企業に埋もれてしまう」という中小企業やベンチャー、知名度がない会社でも、自社を知ってもらえる機会を増やすことができます。

 

 

③   採用コストを押さえる

従来の採用手法では、複数の求人媒体に広告を出稿したり、掲載順位を上げるために追加費用を支払ったりと、広告費が大きな負担になります。十分な応募があればよいですが、「求人広告を出したものの応募がない」「応募が少ないため掲載期間を延長した」となれば、採用コストはどんどんかさんでしまいます。

 

また人材紹介の場合、成果報酬制ですので採用費がムダになるリスクはありません。しかし、エージェントが仲介して、また費用面のリスクを持つ分、採用単価は高くなります。

 

その点、ダイレクトリクルーティングはしっかり運用できれば、知名度やブランド等にも影響される求人広告よりも安定して、また、人材紹介よりも大幅に単価を押さえて採用することが可能です。

 

 

④   採用力を高める

ダイレクトリクルーティングでは、ターゲットとなる求職者に向けて、自社で作成したメッセージを直接送ることができます。求人広告のようなマスに向けた画一的な内容ではなく、相手に応じて自社の熱意や魅力を詳しく伝えられるため、求職者側の印象も大きく変わるでしょう。待つだけでは選ばれなかったケースでも、求職者に興味を抱いてもらえるチャンスが生まれます。

 

さらに、メッセージの件名や本文を工夫して、開封率や返信率を検証しながら改善していくことで、自社の採用力を高められるメリットもあります。スカウトメッセージの本文作成や効果検証のプロセスには一定の手間がかかりますが、採用ノウハウを蓄積して、自社の採用力を高める効果もあります。

ダイレクトリクルーティングの一般的な費用

ダイレクトリクルーティングの費用体系は、「基本料」と「採用成功した際の成果報酬」という組み合わせになっていることが一般的です。利用サービスやプランによって費用は異なりますが、安定的にダイレクトリクルーティングサービスで採用した場合、一人あたりの採用単価は50~70万円程度となることが多いでしょう。

 

 

基本料

データベースを検索してメッセージを送ることに対して月額基本料が発生する費用体系が一般的です。スカウトの通数や追加オプション等によって金額が変わったりしますが、一般的には月額10~30万円程度が目安です。基本料のなかに1人目や2人目までの成果報酬が含まれている場合もあります。

 

基本料の契約は数か月~1年ほどの契約期間で設定されていることが一般的です。その分、コンスタントに中途採用を行っていない企業にとっては、少し使い勝手が悪い側面もあります。

 

 

成功報酬

多くのダイレクトリクルーティングは前述のように「基本料+成功報酬」の組み合わせになっています。成功報酬はサービスによって、また同じサービス内でも職種や年収等によって異なることもありますが、一人あたり30~60万円程度が一般的です。中途領域(即戦力層)における人材紹介サービスの成果報酬と比べると圧倒的に安い金額です。

中途採用にかかる費用のサービス別比較

求人広告

求人広告を掲載する際は、媒体やオプションに応じた掲載料が発生します。大手の中途媒体だと、最低サイズの求人広告で20~30万円程度です(2~4週間の掲載費用)。より多くの求職者にアピールしようと広告サイズを大きくしたり、表示順を上位にしたりするオプションを追加する、また掲載する媒体数を増やすなど、広告費だけで100万円以上かかるケースがあります。

 

現実的には、知名度や業界人気が低い企業が、小規模の求人広告で応募者を集めることは難しいといえます。コストを抑えようとやみくもに広告費を削減してしまうと、コストの無駄や採用の長期化につながる恐れがあります。中小企業が中途採用で広告媒体を使う際には、40~60万円程度が標準的な費用といえるでしょう。

 

求人広告の費用は広告の出稿料となりますので、例えば40~60万円の求人広告で2人取れれば採用単価は20~30万円ですし、1人も取れなければ費用はムダになってしまいます。人気業界や知名度のある会社に適した採用手法ということも出来るでしょう。

 

 

合同説明会

中途採用の方法として、合同説明会に参加するやり方もあります。小規模イベントやマッチングイベントであれば30~50万円程度、大型イベントになると60~100万円程度の出展費用が発生します。また、大型イベントでブースを大きくしたりすると、200~300万円の多額の費用がかかる場合もあります。

 

なお、合同説明会への参加にあたっては、出展費用だけでなく社内の人件費や交通費、準備費用など、さまざまな内部コストや工数も発生しますので、その点も考慮が必要です。

 

合同説明会は、採用広告のリアル版ということも出来ます。知名度のある大手企業や人気業界であれば、ブースに大人数が集まり、1回の出展で複数の求職者を採用できるでしょう。しかし、中小企業や不人気業界の場合だと、採用につながらないリスクもあります。

 

ただし、来場している参加者に直接声をかけられるというメリットもあります。自社の外見的な魅力度や営業力(ブースの前を通る人をキャッチしたり、直接会話することで一気に魅了付けする力)を考慮したりして検討しましょう。

 

 

人材紹介

人材紹介は、基本的には応募者の内定承諾時に費用が発生する「成果報酬」です。内定が承諾された時点で人材紹介会社に報酬を支払うのが一般的です。内定が決まらなければ報酬を支払う必要はありませんし、入社前や早期退職による返金制度が設けられていることが一般的であり、無駄な費用を払うリスクは低いといえます。

 

一方で、人材紹介会社側がリスクを負う分、一人あたりの採用単価が高く設定されているケースが多くみられます。

 

中途採用の場合、即戦力層であれば「年収の30~35%程度」(年収500万であれば150万)が相場となっており、一部のトップ層を扱うヘッドハンティングの場合「着手金+年収40~50%等」というケースもあります。また、未経験者層や新卒の場合には、固定の成果報酬であるケースも多く、対象層や職種等に応じて70~120万円程度が相場です。

ダイレクトリクルーティング導入時のポイント

ダイレクトリクルーティングをうまく活用して中途採用を成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

  • 候補者の目線に立ってメッセージをつくる
    ダイレクトリクルーティングで最も重要なポイントは、候補者へのスカウトメールです。メールを受け取った候補者は、その時点では企業に興味があるわけではありません。まずはターゲットとする求職者のペルソナを設定して、候補者の目線に立って件名や文面を作成しましょう。メッセージを開封してもらい、最後まで読んでもらうためには以下がポイントです。
  • 相手の経歴に応じて、件名を工夫する
    (相手のどんな経歴に興味を持ったかを一言いれる等)
  • なぜあなたにメッセージを送ったか書く
    (相手のどんな経歴やPRに興味を持ったかを書く)
  • 相手にとってキャリア上のどんな機会になるか、どんなやりがいがあるかを本文で表現する
  • 会社名ではなく個人名で送る
    (株式会社○○です、よりも株式会社○○の××です)
  • 相手にとっての応募ハードルを下げる
    (即面接ではなく、会社紹介と面談の場を作る等)
    定型メールを機械的に送っても、ダイレクトリクルーティングの効果は得にくいでしょう。求職者の興味を引く内容を意識して、「なぜあなたに興味を持ったのか」「あなたにとってどんな価値があるか」をダイレクトに伝えることが大切です。

 

運用する人的リソースを調整する

ダイレクトリクルーティングで成果をあげるためには一定の運用工数が必要です。求職者の選定やスカウトメールの文章作成・送信の工数です。導入の際は、運用に必要な人的リソースをしっかりと確保しましょう。

 

専任の担当を置く必要はありませんが、導入前に「1週間に○通のメッセージを送るために○時間ぐらいが必要」ということをサービス提供者側から確認しておきましょう。人的リソースが足りない場合は、採用担当者のタスクを調整したり、運用をアウトソーシングしたりするなどの手段も検討しましょう。

 

 

PDCAを運用する

ダイレクトリクルーティングを活用するためには、しっかりとPDCAを回すことが大事です。まず採用目標から逆算して、面接人数や返信人数の目標を設定しましょう。そのうえで、メッセージの送信数、開封数、返信率をしっかりと検証していくことが大切です。

 

送信数をしっかりと確保したうえで、メッセージもいくつかのパターンを作って、定型で送ったもの、件名を一人ずつカスタマイズした場合等で、開封率や返信率を検証して、最適な投資対効果になるようにPDCAを回していきます。

 

まとめ

さまざまな企業が人材獲得に向けて取り組むなか、効率的な採用活動を進めるには「攻めの姿勢」でのアプローチが必要です。

 

ダイレクトリクルーティングは、欲しい人材に企業が直接アプローチできるため、求人広告費や人材紹介サービス利用費などのコストを削減できるメリットがあり、注目されています。メッセージを工夫することで、知名度がない企業でも優秀層にアプローチすることが出来ますし、中途採用の市場に出てきにくい優秀人材にリーチすることも可能です。

 

また、費用面でも求人広告のようにコストがムダになってしまうリスクを下げ、人材紹介のような高単価のサービスから脱却することが可能です。

 

一方で、ダイレクトリクルーティングは上記のようなメリットがある反面、導入後に能動的に運用する必要があります。ダイレクトリクルーティングの効果をあげるには、メッセージの作成や検索してメッセージを送信する、またPDCAを動かす工数が必要です。採用ターゲットや自社で確保できる工数等を勘案して、決定しましょう。

著者情報

稲本 太郎

株式会社ジェイック|新卒事業本部シニアマネージャー

稲本 太郎

新卒で入社してから一貫して、新卒・中途の採用コンサルティング、キャリアカウンセリング、マネジメントを経験。計15年以上に渡って、採用支援の第一線で活躍している、社内でも有数の経験豊富な現役採用コンサルタントでありながら、自社採用の面接官も兼任。新人賞、トップセールス賞、MVT、社長賞、特別賞、ベストプラクティス最多ノミネートなど数々の受賞実績有り。専門は新卒採用および中途採用、とくに採用戦略の設計、ダイレクトりくーてぃんぐ、魅了付け、見極め等。

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