組織において人の上に立つ者を指し示す言葉には、「ボス」と「リーダー」の2つがあります。
いずれも部下を取りまとめるという点は共通していますが、実はボスとリーダーには根本的な違いがあるのです。そこで今回は、ボスとリーダーの違いとリーダーに求められる役割についてご紹介します。
<目次>
ボスとリーダーの違い
部下に恐怖を与えて支配する「ボス」と、部下の熱意を引き出してあるべき方向へ導く「リーダー」。組織に必要とされる人材は、ボスではなくリーダーであることは明らかです。
イギリスの有名百貨店の創業者であるハリー・ゴードン・セルフリッジは、ボスとリーダーの違いについて以下のような言葉を残しています。
- ボスは部下を追い立て、リーダーは方法を示す
- ボスは恐怖を与え、リーダーは熱意を引き出す
- ボスは「私は」と言い、リーダーは「我々は」と言う
- ボスはやり方を知っている、リーダーはやって見せる
- ボスは「やれ」と言い、リーダーは「やろう」と言う
リーダーには、企業のビジョンを部下に共有するとともに、自らも一緒になって取り組もうとする姿勢が求められます。
また、企業の経営理念を噛み砕いて部下へ伝え、組織をその方向へ導くリーダーシップが不可欠です。
一方、部下の状況を全く考慮せずに、上下関係を利用して自分の命令に従わせようとするマネージャーは、リーダーではなくボスに当てはまります。
組織に必要なリーダーの役割
組織を成功へ導くリーダーになるために必要な、3つの役割についてご紹介します。
【1】チームにあるべき方向性を示す
チームにあるべき方向性を示す
会社を取り巻く環境が刻々と変化する中で、誰しも将来に対して不安を感じているでしょう。
業務を遂行する上で求められるリーダーの役割として、まずチームがこれからどこへ向かうのか、組織としての目標はどこにあるのかを指し示すことが挙げられます。
さらには、チームがその方向へ向かって進むにあたり、メンバーに方法を伝えたり、システムを整えたりすることもリーダーの役割です。
部下の意見を取りまとめ、チームの方向性について意思決定をする能力も求められます。
【2】チームに模範を示す
チームメンバーから信頼されるリーダーになるためには、自分が模範となることが欠かせません。
自らがロールモデルとしてチームの先頭に立つことで、メンバーはリーダーを信頼してついていくのです。
このとき、スキルの高さはもちろんのこと、人間性も評価対象であることを意識しましょう。「自分に甘く、部下に厳しい」ようでは、リーダーとはいえません。
リーダーは部下の成長を支援すると同時に自己研鑽を怠らず、自分を高めていくことができます。
【3】部下の長所を引き出す
リーダーには、部下の長所を引き出す役割もあります。部下が自分を持つ能力を最大限発揮するためには、適材適所が前提となります。
優秀な人材を採用し、育成するだけでなく、どんなポジションでどのような業務を任せるかも重要です。
また、部下と日頃から良好な人間関係を保ち、自分の考えを押しつけるのではなく、メンバーからの意見を受け入れることを心掛けます。
部下の言葉を受け止め、個々のメンバーの良さを引き出しながら、チームワークを育みましょう。
おわりに
今回はボスとリーダーの違い、そしてリーダーに何が求められるかについてご紹介しました。
「ボス」は部下を管理するのに対して、「リーダー」は部下の熱意を引き出し、あるべき方向へと導きます。部下がボスではなく、リーダーについていくことは当然といえるでしょう。
リーダーの役割を正しく理解し、組織のマネジメントに取り組みましょう。