営業の目標達成で活用できるマンダラチャートとは?作成手順とポイントを解説

更新:2022/04/22

作成:2021/12/28

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

営業の目標達成で活用できるマンダラチャートとは?作成手順とポイントを解説

目標達成に必要な行動を洗い出す「マンダラチャート」は、ビジネスやスポーツの世界で使われているフレームワークです。営業の目標達成にも活用できるので、多くの企業から注目を集めています。

 

マンダラチャートを使えば、目標達成に向けてやるべき行動・施策を洗い出したり、新たなアイデアを創出したりすることが可能です。「目標達成に向けて何をどうすべきかがわからない」といった場合、特に大きな助けとなるでしょう。

 

今回の記事では、マンダラチャートの概要を踏まえつつ、営業職のためのマンダラチャート作成手順や意識すべきポイントを解説します。営業の目標達成につながる打ち手を洗い出すのに役立つので、ぜひご活用ください。

<目次>

営業の目標達成に効果的なマンダラチャートとは?

マンダラチャートを活用することで、売上アップ・顧客満足度アップ・案件獲得といった営業目標を達成できる可能性も高まります。ただし、確かな結果につなげるためには、まずマンダラチャートの概要を押さえることが大切です。

 

はじめに、マンダラチャートの特徴やルーツ、仕組みなど解説します。

 

マンダラチャートとは?

「マンダラチャート」とは、目標達成に必要な行動を洗い出すフレームワークの一種です。営業パーソンがやるべき行動や施策を明確化・可視化して、目標達成までのプロセスを確立することに役立つので、実際に導入している企業も少なくありません。

 

マンダラチャートは「目標達成シート」や「マンダラート」、「オープンウィンドウ64」などとも呼ばれます。また、MVP受賞で話題となった二刀流メジャーリーガーの大谷翔平選手が活用してきたことでも有名です。

 

マンダラチャートは縦3マス×横3マスの9マスを、さらに縦3個×横3個に並べた全81マスからなります。そして、マンダラチャートは81マスを、「達成したい目標」「基礎思考」、「実践思考」という3つの要素で埋めていくことで完成します。

 

「達成したい目標」は文字通りですので、基礎思考と実践思考とは何かを詳しく解説します。

 

基礎思考とは?

「基礎思考」とは、目標達成のために取り組むべき分野をまとめたものです。
マンダラチャート~基礎思考~

 

マンダラチャートでは、まず一番中央に書き込む「達成したい目標」に対して、目標達成のために取り組む大テーマ、8つの基礎思考をリストアップします。

 

例えば、営業パーソンとして「売上○○○〇万円達成」という目標を達成したい場合、売上アップを実現させるために取り組む大テーマとして、以下のような基礎思考を設定するといったイメージです。

 

  • ITツール活用
  • 営業スキルアップ
  • 他メンバーの教育
  • 既存顧客の維持
  • マーケティング施策
  • 新規顧客の開拓
  • 商材理解
  • コミュニケーション

 

いきなり具体的な方法論に入る前に、大テーマを書き出すことで抜け漏れなどがなくなります。

 

実践思考とは?

「実践思考」とは、先述した基礎思考の内容をより具体的な行動・施策に落とし込んだものです。

マンダラチャート~実践思考~

 

1つの基礎思考につき8つの実践思考をリストアップする形で、基礎思考という大テーマでおいて実行するタスクを細かく分解したものです。

 

例えば、基礎思考の「営業スキルアップ」を達成したい場合、以下のような実践思考を設定するというイメージです。

 

  • 週一でロープレ実施
  • クロージング力強化のセミナー参加
  • 社内のトップ営業にヒアリング
  • 行動心理学の学習
  • 提案力強化のセミナー参加
  • 週一でプレゼン学習
  • 営業計画の作成
  • ヒアリング強化のセミナー参加

 

ポイントは、明日からでも実行できるような具体的な「行動」レベルでアイデアや施策を書き出すことです。

営業職のマンダラチャート作成手順

営業職のマンダラチャート作成手順をまとめましたので、ぜひ参考に作成してください。

目標を1つ設定する

営業職のマンダラチャートを作成する場合、まずは最終的なゴールとして達成したい目標を1つ設定します。「売上〇〇〇〇万円達成」や「受注〇〇〇件獲得」といった目標が決まったら、マンダラチャートの一番中央のマスに記入します。

 

目標設定を行なうにあたって、押さえるべき重要ポイントが「SMARTの法則」です。SMARTの法則とは、有意義で質が高い目標を設定するための基準であり、以下の言葉の頭文字から命名されています。

 

  • Specific:具体性(何を達成すべきか具体的かつ明確な表現でわかりやすい)
  • Measurable:計量性(誰が見ても成否がわかりやすい、達成度を数字で示しやすい)
  • Achievable:達成可能(現実的に考えて達成できる、無理なくチャレンジできる)
  • Relevant:関連性(目的や上位目標とつながりがある、達成メリットが明確である)
  • Time-bound:期限(納期が設定されている、タイムリミットが明確である)

 

営業職の場合、売上金額や件数など数字で出せる目標が多いので、比較的SMARTな目標を設定しやすいでしょう。

 

逆にSMARTの法則に沿って目標設定しなかったり、満たせていない基準があったりすると、後々の施策が具体化しなかったり、達成が困難でモチベーションが下がってしまったりします。最初の目標設定はきちんと行なうことが大切です。

 

目標に対する基礎思考を8つ書き出す

マンダラチャートの目標を設定したら、次は目標の周りにある8マスに基礎思考を記入します。具体的な行動・施策は後述する実践思考のほうで詳しく記入するため、基礎思考は分野や方向性といった大まかな内容、大テーマを書き出します。

 

基礎思考の内容に関して正解・不正解はないので、あまり難しく考えず目標達成につながりそうな要素を積極的に記入しましょう。要素が8つ以上思い浮かんだ場合、あとから取捨選択を行ないます。

 

逆にマスをまったく埋められない場合、最初に設定した目標に問題があったり、目標達成のために必要な知識やノウハウが大きく不足していたりするかもしれません。目標を見直したり、誰かの助けを借りたりすることも検討しましょう。

 

なお、基礎思考は、目標達成に直接つながる内容ではなく間接的に達成をサポートするテーマを設定しても構いません。

 

例えば、売上目標に対して、自分自身のモチベーションやパフォーマンスを上げるためのテーマを加えることで、安定して質の高い営業活動を実現できたり、立てた計画をしっかりと実行できたりする可能性が高まるでしょう。

 

基礎思考に対する実践思考を書き出す

実践思考を記入するときは、まず中央のマスに書いた8つの基礎思考を外側に8つある3×3マスの中央に転記していきます。そして、各マスにおいて、書いた基礎思考に対する実践思考を8つ以上記入するという流れです。

9マス×8マスの実践思考

 

実践思考は基礎思考と違って「今からでも取り組める行動・施策」であることが大切です。具体的かつ明確なアクションを記入していきましょう。KPIや活動量などが数字で具体的に表現できるととてもよいでしょう。

 

また、実践思考のアイデアを考えるときに、「いつまでにやる」「いつやる」といった期日が決まる行動、および「毎日・毎週やる」習慣(ルーティン)という区分けで考えると、アイデアが出やすいかもしれません。

 

実践思考は8個の基礎思考に8個ずつ、合計で最低64マスを埋めることになります。マスが多い分、すべて埋めるのはなかなか大変ですが、基礎思考と同じく正解・不正解はありません。具体的な内容が思い浮かばない場合、なんとなくイメージできる程度の内容を記入しておいて、あとからブラッシュアップするのも一考です。

 

マンダラチャートの完成形

実践思考の記入までがすべて終わると、マンダラチャートは以下のような形になります。記入漏れや記入箇所の間違いがないか、よく確認しておきましょう。

マンダラチャート完成例

目標達成を成功させるために意識したいポイント

マンダラチャートは完成したら終わりではなく、あくまで目標達成に向けた行動・施策を洗い出すスタート地点です。目標達成を成功させるためには、マンダラチャートを作ったうえで、以下のポイントも意識して目標達成に取り組みましょう。

 

優先順位付け

完成したマンダラチャートには実践思考が64個もあります。すべて実行することは現実的に考えて困難かもしれません。したがって、洗い出した行動・施策に優先順位を付ける必要があります。

 

優先順位を付けるときは、目標達成への貢献度や投資対効果、欠けたときのリスクなどを踏まえながら検討しましょう。

 

行動計画の作成

優先順位が決まったら、各施策について「何をいつまでに実行するのか」を細かく検討し、行動プランとして落とし込みます。行動・施策の内容やスケジュールを明確化することで、実行に移しやすくなるでしょう。

 

また、目標達成に向けては毎日実行するルーティン行動も大切です。一度決めたことはやり切る「心の強さ」を身に付けましょう。

 

振り返り

実行したら、キチンと振り返りを実施しましょう。目標の達成度ももちろんですが、何が効果的で、何が効果がなかったか、もしもう一度やるならどのように取り組むかをしっかり振り返ることで、次に作成するマンダラチャートと行動計画の品質が高まっていきます。

 

蓄積

作成したマンダラチャートや行動計画は蓄積していくことも大切です。個人として目標達成するためのノウハウになります。また、例えば組織として取り組むことで組織内の知恵が見える化され、共有することもできます。

 

例えば、10人の営業が、同時にマンダラチャートを作成したら、8個×10人=80個の基礎思考が作られることになります。また、64個×10人=640個以上の実行施策が洗い出されます。もちろん重複するものも多いでしょうが、目標達成に向けた貴重なアイデアの塊です。

 

また、成果を上げるトップセールスやベテランのマンダラチャートを新人や若手が見ると、目標達成に向けた思考の精度や引き出しの多さなど、学びとなることが多数あるはずです。

まとめ

マンダラチャートの作り方をマスターすると、営業の目標達成のために欠かせない行動・施策を短時間で洗い出せるようになります。新たなアイデアの創出も期待できるので、今までにないアプローチも思いつくかもしれません。

 

ただし、マンダラチャートを作成・掲示するだけでは意味がありません。目標達成というゴールに到達するためには、洗い出した行動や施策に対して優先順位を付けたうえで、行動計画に落とし込んで実行することが大切です。

 

マンダラチャートを作成して振り返り蓄積していくことで、個人でも組織でも目標達成に向けたノウハウや知恵がどんどんたまっていきます。

 

下記でマンダラチャートのフォーマットもダウンロードできますので、記事で解説した作成手順やポイントを参考にしながら、ぜひマンダラチャートの作成に取り組んでください

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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