近年、新卒採用で人材紹介サービス(新卒紹介サービス)を使う企業も多くなりました。
新卒紹介サービスを使えば、採用力(母集団形成力や採用ノウハウ)が低い中堅・中小企業や不人気な業種、ベンチャー企業などでも、必要な人材を確保できます。また、新卒紹介は特定属性(理系・高学歴など)に絞った採用でも効果を発揮します。
記事では、新卒紹介サービスの概要、料金・成果報酬の相場、新卒紹介サービスを利用するメリット・デメリットを解説します。さらに、新卒紹介を効果的に使う方法を説明すると共に、新卒紹介サービスを8選で紹介します。
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<目次>
新卒紹介サービスとは
まずは、新卒紹介サービスの概要と料金体系などの基礎知識を確認しましょう。新卒紹介とは、中途採用における人材紹介会社・転職エージェントの新卒バージョンのサービスです。
採用活動中の企業は新卒紹介会社と紹介契約を締結し、採用したい人材の要件を伝えることで、新卒紹介会社は自社の登録データベースの中から企業の要件に合う学生を探し、学生本人から応募意思を獲得したうえで、求人企業側に推薦します。
新卒紹介のエージェントは企業と学生の間に入って、様々な調整をしてくれます。面接日程の調整、内定承諾までコーディネートしてくれるところは、新卒紹介サービスも中途の人材紹介と同じです。
新卒紹介の料金
新卒紹介サービスの料金は、初期費用が発生しない完全成果報酬型が一般的です。
成果報酬の金額は、中途採用の人材紹介の場合「年収の30~35%」という年収連動型になっていることが多いですが、新卒紹介の場合には固定額になっているケースが多い傾向にあります。新卒紹介における成果報酬の相場は、60~120万円程度です。
たとえば、エンジニア採用などの理系人材やプログラミング経験者など獲得競争が激しい属性になると、学生1人あたりの成功報酬が100万円を超えることもあります。
支払いは内定承諾のタイミングで発生します。ただ、入社までに内定辞退が生じた場合には全額返金となるのが一般的です。
また、中途の人材紹介と同様に、新卒紹介を通じて入社した学生が入社後すぐに離職した場合、企業が支払った紹介手数料が返金される制度も多くの場合用意されています。
返金に関しては以下ぐらいの水準が一般的です。
- 入社後1ヵ月以内:紹介手数料の100%
- 入社後2ヵ月~3ヵ月程度:紹介手数料の25~50%
新卒紹介サービスのメリット
新卒紹介サービスを利用すると、以下のような効果やメリットによって、中堅・中小企業の新卒採用問題が解消しやすくなります。
新卒採用の工数を抑えられる
新卒紹介サービスを使うと、エージェントが応募意思の獲得から面接調整、内定承諾の獲得までを代行してもらえます。その結果、企業側の活動工数を大幅に抑えることが可能です。
新卒紹介の活用によって採用活動の工数や負担が軽減すれば、人事担当者は採用戦略の検討や面接準備、個別対応、内定者フォローなどに力を入れやすくなるでしょう。
基本的なスクリーニングをして推薦してくれる
新卒紹介のエージェントは、企業が求める人材要件に合わせて、データベースの中からおすすめの学生をスクリーニングしてくれます。
新卒の場合、ポテンシャル採用になるため中途よりもスクリーニングが難しいですが、基本的な採用要件(ターゲット)と著しく乖離した学生からの応募は防ぐことができるでしょう。
志望度アップに貢献してくれる
新卒紹介のエージェントは、学生の志望度アップの観点からも企業の強い味方になります。
まず、企業に推薦する前段階では、学生に対して「この地域のIT企業では最も成長していて、◯◯さんのスキルも活かせそうですが、応募の意思はありますか?」といった説明を自社の代わりにやってくれます。
面接でどのように自社の魅了付けをすれば良いかわからない場合も、客観的かつ的確なアドバイスをもらえます。
また、推薦後も内定承諾の獲得まで伴走してくれる点も大きな特徴でしょう。
就活状況や本音の志望度をフィードバックしてくれる
新卒学生の就活状況や自社への志望度は多くの企業が気になる情報である一方で、面と向かって聞き出しにくい内容です。
新卒紹介サービスを利用すれば、企業と学生の間に入ったエージェントが就活状況や志望度などの本音を聞き出し、企業側にフィードバックしてくれます。
「A社とB社で悩んでいる」「雰囲気は良さそうだが、将来的なキャリア面がまだ見えていない」といった本音がわかれば、不足した情報を提供することができますし、面接でどのように口説けば良いかの戦略も立てやすくなるでしょう。
初期費用がかからない
新卒紹介は初期費用がかからないことも大きなメリットです。採用媒体や採用イベントの場合、求人広告を掲載したりイベントに参加したりした時点で、成果に関わらず費用が発生します。しかし、新卒紹介サービスは殆が完全成果報酬型であり、初期費用はかかりません。
内定承諾に至らなければ費用は発生しませんし、内定辞退されてしまった場合も全額返金されます。入社した学生が一定期間定着しなかった場合も、定着期間に応じて一定額が返金される仕組みです。
そのため、新卒紹介サービスは、「費用を払ったのに成果が出ない状況」を回避したい場合にもおすすめです。
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新卒紹介サービスのデメリット
新卒紹介サービスには中堅・中小企業にとってメリットが豊富な一方で、以下のようなデメリットや注意点もあります。
採用単価を落とせない
求人サイトなどの採用媒体であれば、1回の掲載で複数名採用できれば採用単価はどんどん下がっていきます。
一方で新卒紹介の場合は、複数名の採用で採用単価が下がるようなことはありません。新卒紹介サービスで人材を獲得すれば、1名ごとに決まった費用が発生しますので採用単価は落とせません。
自社にノウハウが溜まりづらい
新卒紹介サービスを利用した場合、母集団形成はエージェント側が実施する、また内定承諾までエージェントのコーディネートや伴走があることで、自社にノウハウが溜まりづらいというデメリットが生まれます。
たとえば、採用の失敗を通じた気付きや試行錯誤による採用ノウハウの蓄積がされにくいでしょう。そのため、新卒紹介サービスばかりに依存していると、採用ノウハウの蓄積が難しくなるかもしれません。
中長期的に採用コストを抑えていきたい場合にも、ノウハウが溜まらない・採用担当者の育成が進まないなどの理由から難航しがちです。
学生の母集団が限られてしまう
母集団が限られてしまうことも場合によってはデメリットになります。
新卒紹介サービスで紹介してもらえる学生は、各サービスに登録している人材のみです。就職情報サイトなどと比較すると数が多くありませんし、登録している人材の傾向も新卒紹介サービスに影響されます。
より多くの人材、様々な個性を持った人材に出会いたい場合には、複数の新卒紹介、また、その他のサービスなどと組み合わせて利用する必要があるかもしれません。
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新卒紹介サービスの効果を最大限に引き出す方法
新卒紹介の効果を最大限に引き出し、自社が求める人材の獲得につなげるには、以下のポイントを重視することが大切です。
欲しい人材や自社の魅力を具体的に伝える
新卒紹介サービスによる採用精度を高めるには、欲しい人材の特徴や自社の魅力をエージェント側に具体的に伝える必要があります。
ただし、人材要件があまりにも細かすぎると、紹介されにくくなります。要件が多い場合は優先順位をつけて伝えたり、必須(MUST)と希望(WANT)をしっかり区別して伝えたりすることがおすすめです。
担当者と密にやり取りする
新卒紹介サービスを利用するときには、学生の動員~内定承諾までのフォローをしてくれる担当者やキャリアアドバイザーに、自社の魅力や採用ターゲットなどを知ってもらうとともに、ファンになってもらうことが大切です。
ファンになってもらうためには、自社の採用状況、また面接の合否や求職者への印象、ポジティブ面・ネガティブ面などをしっかり共有していくことが大切になります。
自社の採用力や採用ターゲットに合った会社を選ぶ
新卒紹介サービスにも、さまざまな種類があります。
各社、得意とする領域がありますし、絞り込みが甘い一方で推薦数が強みのところ、逆に厳選して紹介してくれるところなど、タイプや特色も異なります。
そのため、新卒紹介サービスを活用して成果を出すには、まず、自社の求める人材像に合った学生が多く登録している紹介会社を利用する必要があります。
また、自社の採用力を考慮したサービス選定も欠かせません。
たとえば、学生を口説く力に自信がなければ、内定承諾までの手厚いフォローが備わった新卒紹介サービスがおすすめです。
一方で、学生を推薦さえしてもらえば自社で魅了付け・動機付けなどもできる場合は、その部分のフォローを削ってもらうことで価格交渉ができるかもしれませんし、数を送ってくれる新卒紹介サービスが向いているでしょう。
新卒紹介サービス8選
新卒カレッジ
「新卒カレッジ」は、HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックが提供する新卒紹介サービスです。
新卒カレッジは、中期~後期の新卒採用、中堅中小企業の新卒採用に最適な大学連携型の人材紹介サービスです。関東、中京、関西で124校(※2022年4月末時点)の大学と連携しており、中期から後期の母集団確保に強みがあります。
また、通常の新卒紹介サービスでは、一度に少人数しか紹介してもらえないことが多いですが、新卒カレッジでは、「学内選考会」というイベントを行っており、約20名程度の学生と一度に無料で会うことができ、参加学生と必ず面接を行うことができます。
さらに、参加学生には自己分析などの就活の基礎、また、挨拶やコミュニケーションなどの社会人としての基礎マナーなどの研修も提供してるので、入社後に活躍するためのスキルを養った学生と出会うことができます。
求人票の作成から企業紹介、面接調整、クロージングまでを代行するため、担当者は「面接して合否を決める」だけで良くなります。参加費は無料で成功報酬型となっているため、リスクを抑えたい企業にもおすすめです。
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JOBRASS新卒紹介
「JOBRASS新卒紹介」は、総合人材情報サービス企業である株式会社アイデムが提供している新卒紹介サービスです。約100,000人の登録学生のなかから、エージェントが貴社の求める人材を紹介してくれます。
エージェントが企業様ごとに求める人物像をヒアリングしてくれますし、日程調整や志望度の確認、また内定後のフォローまで行ってくれます。
マイナビ新卒紹介
「マイナビ新卒紹介」は、株式会社マイナビが運営しており、就職情報サイトの「マイナビ」と連携しており、大きな母集団を持っています。
ひとりの学生に1人のキャリアアドバイザーがつき、ヒアリングや面接設定などを行います。手厚いサポートにより、学生に自社の魅力を伝え志望度を醸成することができます。
もちろん求人紹介や採用に関するアドバイス、面接日程の調整なども行ってくれます。
リクナビ就職エージェント
リクナビ就職エージェントは、リクルートが運営するサービスです。リクナビとの連携で大きな集客力があるので、多くの学生と出会うことができます。説明会への動員などのステップで、「推薦数が欲しい」という企業にはお勧めです。
また、リクルートグループの人材紹介のノウハウを活かし、学生の動機付けを行い、入社意欲などの本音を確認してもらえます。
type就活エージェント
「type就活エージェント」は、創業20年以上の株式会社キャリアデザインセンターが提供している新卒紹介サービスです。
首都圏中心に絞って学生を紹介しており、東大や早慶、MARCH、関関同立などの上位学生が約70%を占めています。留学経験や学歴で絞り込んでオファーを出すことも可能です。
DYM新卒紹介サービス
「DYM新卒紹介サービス」は、完全成果コミット型の新卒紹介サービスです。約3500社への導入実績があり、年間の入社実績も約5,200名(2020卒実績)と、豊富な実績があります。
WEBプロモーションが創業事業であることから、そのノウハウを活かして新卒学生の獲得、母集団の形成を行っています。facebookページは59,000いいねを獲得しており、TwitterやLINEなどのSNSでの広告配信、新卒情報メディアの運営なども行っており、様々な学生を紹介してもらえるのが特徴です。
キャリタス就活エージェント
「キャリタス就活エージェント」は、バイリンガル人材や理系人材、体育会系人材などターゲット学生別に新卒紹介を行っているサービスです。
バイリンガル人材に特化した就職・転職サイト「CFN」などを運営しており、バイリンガル人材が豊富です。また、MARCHクラス以上が約60%、TOEIC600以上が13%以上と優秀な学生が登録しているのも特徴です。
doda新卒エージェント
「doda新卒エージェント」は、ベネッセグループ&パーソルグループで共同で立ち上げた総合型エージェントです。
ベネッセグループではSPIの模擬試験などを通じて豊富な登録者がおり、その母集団とパーソルグループのノウハウを掛け合わせて、豊富な母集団から企業の求める人材を紹介してもらえます。
まとめ
。新卒紹介には以下のような多くのメリットがあります。
- 採用活動の工数を抑えられる
- 基本的なスクリーニングをして推薦してくれる
- 学生への魅力付けのアドバイスをしてくれる
- 就活状況や本音の志望度をフィードバックしてくれる
- 初期費用がかからない
様々な新卒紹介サービスがありますが、中堅中小企業にはHRドクターを運営する株式会社ジェイックが実施するイベント型の新卒紹介サービス「新卒カレッジ」もおすすめです。
「新卒カレッジ」では一度に多くの学生と無料で会うことができますし、多くの大学と連携しているので、豊富な母集団から自社にマッチする人材を探すことができます。
求人票の作成から面接調整、クロージングまでを代行してもらえるので、担当者の負担も大きく減らすことができます。興味のある方は、以下のページ・資料を参考にしてみてください。
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