「経営資源を活用できていますか?」【知見メール185号】

2013/10/23

経営資源を活用できていますか?

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

 

 

先々週の日曜日、10月20日は、

上海で初めてゆっくりできる休日でした。

 

天気が良かったこともあり、

ホテルのある徐家匯から、散歩をしました。

 

街路樹がずっと続く衡山路沿いをどんどん歩き、

常熟路駅から准海中路を東に進みました。

さらに、陜西南路を北上して、

南京西路をまた東に進みました。

 

そして、伊勢丹に到着。1時間ちょっとの散歩でした。

風もさわやかで、

街路樹の木漏れ日が気持ち良かったです。

 

伊勢丹には、地下1階にワイン売り場があり、

有料で試飲ができます。

50元(約800円)支払って、

ティスティンググラスで6杯飲みました。

喉が渇いていたせいか、

ふわっと心地よい気分になり、よい気分転換になりました。

 

ただ、散歩をしている途中、

歩道に立っていて、向かいのお店に気をとられていると、

「ウェイ、ウェイ」と声がします。

声のする方を振り返ると、

おじさんが乗った電動バイクが突っ込んできました。

避けようとするも間に合わず、

右足の甲を電動バイクにひかれました!

ただ、思いのほか電動バイクが軽く、

たいしたことありませんでした。

良かったです。

 

上海では、歩道でもバイクが走ってきます。

しかも、電動バイクは音がしないので、特に危険です。

 

上海で、歩道を歩いていても、

気を抜いてはいけないと実体験しました。

 

 

 

さて、今回は、上海で、素晴らしいマネジメントを

されている古閑さんをご紹介したいと思います。

 

古閑さんは、5年前に上海で貿易会社を立ち上げ、

今は社員数13名となっています。

5年間、順調に売上と利益を伸ばし続け、

上海の多くの総経理が悩んでいる定着率についても

「お陰様で、うちは定着率が良いんですよね」と仰います。

 

そんな古閑さんにどんな取り組みをされているのですか?と質問をすると、

「試行錯誤しながら、たくさん取り組みました。

どんな取り組みをしているのかを、ブログでも公開しています。」

とのこと。

 

古閑さんのブログを拝見させていただくと、

具体的に行っていることが包み隠さず書かれていて、

参考になることがたくさんありました。

また、古閑さんの経営に対する思い、

社員に対する思いを、強烈に感じました。

 

そのブログの中から、一部を抜粋してご紹介いたします。

 

 

 

——————————-

 

『UTS上海の人事管理制度』

UTS上海を設立して4年が経とうとしている。

実質的に初めての経営経験であり、

しかも世界で最も競争の激しい

「生き馬の目を抜く」といわれる、

上海での会社経営は大きな挑戦であった。

 

社長として経営を始める前に、

まず「何をやらなければいけないか」を集中して考えた。

会社経営は手段として、

経営資源(ヒト、モノ、カネ)の収集・分配があるが、

その中で最重要視したのは、「ヒト(人材)」だった。

 

「会社=ヒト」である。

会社とは、何か物理的なカタチがあるわけではなく、

人の集まりという総体概念だ。

つまり、人材の善し悪しが、会社の善し悪しを決定する。

問題は、中国、特に上海は人材の流動性が非常に高いため、

優秀な人材を長期的に確保しにくいという点があった。

 

『中国の総経理(社長)の80%は労務問題に悩んでいる』

という人材派遣会社の広告があるが、

経営者仲間との話しになると必ず人事・労務問題になる。

 

「良い人材を採用し、仕事に対して長期的にどう意欲を持たせるか」。

この命題に対して、結果を出すこと。

これをまず経営者としての仕事と捉えた。

 

上海に来て会社設立までに2年の準備期間があったが、

その間に自分の右腕・左腕になってくれる人材を確保した。

その後新規採用にあたっては、

一人採用につき最低10名は面接し、最終面接には必ず立ち会った。

 

半年の試用期間では、面接では見極めきれない

「素養」の有無を判断する。

人事採用のミスマッチは、

結局のところ社員も会社も

不幸になってしまうことを経験的に知っている。

 

従業員満足度(Employee Satisfaction)を

高めるための制度や仕組み作りに苦心した。

人事問題を考えすぎて眠れなくなる事も一日や二日ではない。

寝言でも中国語で叱っていたほどだ。

 

今となっては、おかげさまで多くのお客様から

「UTSのスタッフはいいね」と言って頂く。

 

ブログでも時々当社の人材について言及しているが、

参考になるとの言葉も頂く。

 

 

上海での会社経営を通じて考え、

実践してきた管理制度の取り組みをご紹介したい。

 

当社は現在、中国人スタッフが13名いる。

初年度は4名からのスタートだったから、

4年間で9名増えたことになる。

 

男女比は男性6名、女性7名。

平均年齢は25.9歳という構成だ

(私を含め日本人2名は含まない)。

 

中国では同じ会社に3年勤めれば長いと

思われるほど、転職率が高い。

特に上海では企業間で優秀な人材の奪い合いが激しい。

幸いに当社の場合は解雇者を除き離職者はほとんど出ていない。

 

お客様に対して一貫して安定して

サービスを供給できる素地がある点で評価を頂いている。

 

今回シリーズで、当社の人事管理制度を公開したいと思う。

中国で人事管理にお悩みの日系企業の方々に

少しでも参考になれば幸いである。

 

 

【個人夢・目標シート】

5年後の自分はどうなっていたいか?

仕事を通じて何を達成したいか?

会社に何を期待するか?

など6項目からなるキャリアアップシートを全員に作成させる。

 

社員本人が「自分がどうなりたいか」を明確でき、

日々の仕事に意味付けできる。

会社の成長と個人の成長のベクトルを

同じ方向に持っていくことが目的。

 

 

【個人目標シート】

業務上必要な目標と、社員として

求められる必要要件からなり、

30項目100点満点からなる目標シート。

上期下期に分け、年2回評価面談を実施。

評価は部所長、総経理評価の年間平均値を出し、

点数がボーナスに連動する仕組みになっている。

 

共通項目では「掃除を真面目にしたか」という内容も。

清掃活動は最重要テーマと捉えており、

高い点数の配分になっている。

 

 

【定例会議】

毎週月曜日の「例会」、

毎朝の「早朝会議」、

主管級以上の「主管級会議」、

部門毎の「部門会議」、

改善対策をフォローする「改善対策会議」、

その他「財務会議」「営業会議」などが

定例会議としてある。

 

毎週月曜日の「例会」は、その週に実施する各社員の業務内容に

「いつ、誰が、何を」を共有化する。

会議後に全員署名して私に提出。

 

 

【日報】

当日の業務実施事項と進行状況、

業務予定を記載し、メールにて提出する。

提出期限は翌日始業時間前まで。

各部所長が管理する。

 

 

【清掃活動】

退勤時間15分前に全員で事務所を掃除する。

中国では極めて珍しい制度で、

お客様から「すごいですね・・・」とお褒めの言葉を頂く。

中国では学校も清掃業者が掃除をするため、

一般人に自宅以外の掃除習慣がない。

 

この習慣が根付くまで2年間かかった。

今では清掃のチャイムが鳴ると、

仕事中でも全員が席を立ち自主的に掃除を始めるようになった。

 

 

【清掃ポイント制度】

清掃活動には、清掃エリア毎に

点数(ポイント)が配分されている。

日々の清掃後、各エリア担当者は1~2ポイントを入手でき、

100ポイント溜まると

100元(1,200円)相当の書籍が贈呈される。

 

点数配分は、トイレ、フロア掃除が一番高く1回2ポイント。

 

 

【読書感想会】

毎月一回全社員にて開催。

各月に読んだ本の紹介と感想を1人3分スピーチの形で発表する。

読書習慣の定着とスピーチ上達を目的とする。

 

今年から毎回、参加者全員で優れたスピーカーの投票を始めた。

年間で最も多く得票した社員には

最優秀読書賞として、「年間読書アワード」を授与する。

 

(中略)

 

『UTS上海の人事管理制度~結びに替えて~』

このような取り組みは、最初から頭にあったわけではない。

「良い人材を採用し、仕事に対して

長期的にどう意欲を持たせるか」という命題に対し、

トライ&エラーで色々やってみた結果として、

今の仕組みがあるという感じだ。

 

もちろん多くの失敗もしてきた。

私は社長として社員に向き合う時、

「社員に対して自分ができる全てのことをやろう」

という気持ちを常に実践している。

 

逆に言うとその結果、

会社を去る社員がいても仕方がないという割り切りもある。

 

「会社=ヒト」であるが、

会社の持続的な発展と成長のためには、

私自身の経営者としての力量と、

人間力をもっと向上させる必要がある。

 

会社は、特に中小企業においては、

経営者の力量以上の器にはならないのは真実だ。

 

私の成長=社員の成長=会社の成長、

この図式を忘れないでいたい。

 

その中で、会社としての人事管理制度が

社員の意欲向上と成長にうまく機能していけば、

経営者としてこれ以上嬉しいことはない。

 

一つプロジェクトが終わって、

社員みんなでカラオケに行き大騒ぎし、笑い合う。

「あ~、このために経営しているな~」

と心が和む瞬間がある。

 

社員に社長として成長させてもらっている、

そのことに改めて気づく。

 

仕事を通じて、彼らとともに人間として成長していき、

実り豊かな人生を歩みたいと思っている。

 

 

——————————-

 

 

 

古閑さんは、中国において

上手にマネジメントをされていらっしゃいますが、

お考えや取り組んでいらっしゃることを拝見すると、

日本のマネジメントにおいても同様だと実感します。

 

 

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役

知見寺 直樹

大手コンサルティング会社を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海支店立ち上げも経験し、現在は本社HRおよび事業開発を担当する。

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