「トヨタ創業者の志」【知見メール189号】

トヨタ創業者の志

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

今回のメルマガは、東京から長野県上田市に移動する

新幹線の中で書いています。

 

もう、今年も残り1週間となりました。

年末は、ひとつの区切りですから、

今年1年の振り返りと来年1年の目標・計画を

立てる方も多いのではないでしょうか?

 

その際、単年で考えるのではなく、大きな時間の流れの中で、

今年はどうだったのか、

来年はどうするのが好ましいのかと考える方が、

より適切な行動を選択できるように思います。

 

このことに気付かせてくれたのは、

上海トヨタ総経理の阪本さんです。

阪本さんは、中国にかかわるようになってから

約20年でいらっしゃいますが、

中国の古典や文化などを深く研究していらっしゃいます。

 

その阪本さんからお勧めされたのが、「易経」です。

 

易経は、「四書五経」の筆頭に上げられる

「経書」として、重要視されてきました。

 

易経は、

いまどんな状況にあるのか、

将来どんなことが起きるのか、

それに対してどのように対応すればよいのか、

その方法について書かれた書物です。

 

「易」がついていますので、

「占いの書」として発祥したものですが、

易経の中には、「君子占わず」

すなわち「君子は占わなくても吉凶がわかる」と

占いを否定することが書いてあります。

 

先々の変化を察することができるようになり、

未来がどうなるのか、そのためには、いま何をすれば良いのか、

といった出処進退がわかるようになる、とされています。

 

阪本さんからは、易経の入門として、

「超訳・易経」(竹村亜希子著 角川SSC文庫)

を教えていただきました。

詳細はこちらから。

 

http://www.amazon.co.jp/dp/404731577X

 

今年の年末年始は、長めのお休みの方も多いと思いますので、

ご一読されてはいかがでしょうか?

 

さて、今回は12月17日に

上海豊田紡織廠記念館を見学した際のことをご紹介いたします。

 

上海のほぼ中心地に、上海豊田紡織廠記念館があります。

もともと、豊田紡織廠(紡織工場)があった場所です。

 

ここの見学に前述の阪本さんにお誘いいただき、伺いました。

 

まず、館長の春日井さんから、

トヨタの創業者である、豊田佐吉翁の生涯を

中心に据えてトヨタの歴史、上海紡織廠の歴史について、

お話しがありました。

 

佐吉翁が発明家であったことを、知りませんでした。

 

父親は大工さんで、貧しかったため、

母親は機織をして家計を支えていました。

最初の発明である機織り機は、

母親を楽にさせたいという思いで作ったそうです。

 

佐吉翁は、何度も工場を作ったり、

会社を作るのですが、次々と失敗します。

明治政府肝いりで、1906年に設立した

豊田式自動織機株式会社も、業績悪化を受け社長を辞任します。

 

この後、欧米を1年にわたり視察しますが、

この資金をすべて出したのは、三井物産でした。

 

再起を果たし、1918年に豊田織機株式会社を設立。

 

日貨排斥運動が激化している、

1919年に周囲の反対を押し切り、上海に進出。

昨年の暴動の比ではない、

厳しい両国関係の中、日中親善の下働きとして

「国として いつか、誰かがやらねばならぬこと、だから私がやる」

と考えていたそうです。

 

豊田自動織機が自動車事業へ進出する際、

多額の増資を行いますが、

この資金は全て上海紡織廠が引き受けたのです。

 

上海で事業を行っていなければ、

トヨタ自動車は生まれていなかったかもしれません。

 

上海に進出する際、周囲の猛烈な反対に対して、

 

「こころの障子を開けてみよ、外は広いぞ」

 

と、仰ったそうです。

 

今年、上海事業の責任者を任されている私にとって、

強く応援されるフレーズです。

 

春日井館長のお話しのあと、再現した建物を見学しました。

 

佐吉翁が発明した、木製の織機と世界中で売れまくった

G型自動織機を実際に動かして、見せていただけます。

 

日本の最大企業であるトヨタ自動車ですが、

もちろんスタートは小さな会社です。

 

佐吉翁の生涯と志を知り、またトヨタの歴史を知ることで、

自分の心の火が大きくなったように思います。

 

上海にいらっしゃることがありましたら、

見学することをお勧めします。

良い刺激を与えてくれると思います。

 

今年は、このメールが最後になります。

2013年もお付き合いいただき

ありがとうございました。

 

来年、私は上海に赴任し、ほぼ上海で仕事を致します。

すると、このメルマガも

上海のネタがばかりになってしまいますので、

2014年からは、

第1水曜日のメールは私がこれまで通り書かせていただき、

第3水曜日のメールは、

弊社教育事業部長の近藤が書かせていただきます。

 

2014年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

では、少し早いですが、良いお年をお迎えください。

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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