昨今では、年功序列や終身雇用の崩壊も進み、転職も当たり前の状況になっています。しかし、日本企業、特に歴史ある企業では、将来の幹部候補として育成するといった理由で、プロパー採用を重視する組織もまだ残っています。
本章では、プロパー採用した社員(プロパー社員)の特徴、メリットデ・メリットについて解説します。
特徴① 企業理念や価値観を浸透させやすい
プロパー採用で入社した社員にとって、一社目は“社会人になって初めての会社”です。新卒時に刷り込まれた考え方は、その後のビジネス人生に大きな影響を与えます。
プロパー社員には、まだビジネス知識や経験がないところから、長い期間をかけて会社の理念や価値観を浸透させられます。新卒時に他社で異なる理念や価値観の教育を受けてきた中途社員と比べると、理念や価値観を浸透させやすく、企業文化の担い手となるでしょう。
特徴② 帰属意識が高い
企業理念や価値観の浸透と重なる部分がありますが、プロパー社員にとって新卒で入社した会社は、自分を育ててくれた会社であり、「自分の会社」という主体性やエンゲージメントが高くなる傾向にあります。
最近は若手層の離職も増えていますが、10年を超えて会社にいるようなプロパー社員は、会社に対して高い帰属意識を持っていることが多いでしょう。
特徴③ 企業特有の文化を理解している
企業では、それぞれ特有の文化が培われています。企業の文化というのは、ミッションやビジョン、バリューなどの他、意思決定のプロセス、仕事の進め方も含まれます。これらは明文化されていない暗黙知の集合体であることも多くあります。
新卒から長年勤めているプロパー採用の社員には、こうした企業の文化が沁みついていることから、文化に沿った行動を自然にとることができます。前述した通り、企業文化の担い手であり、また、仕事をスムーズに進めることも出来るでしょう。
特徴④ 社内人脈がある
プロパー社員は同期入社の仲間や、新卒入社後に面倒を見てもらった先輩社員や上司など、社内に人脈を持っています。社内で長い時間と経験を共有し、また、時間が経過する中で様々な部署や職種に散らばり、権限なども持つようになります。
中途社員と比べ、プロパー社員はこうした社内人脈を通じて情報を得たり、仕事で協力を依頼したりすることも容易になります。
特徴⑤ 中途採用組との分断が生まれやすい
プロパー採用の社員は、共通の意識を持っていたり、同期のつながりが会ったりすることから、プロパー社員同士で固まってしまいがちです。また、立場を強めようとするため、意図的に中途採用組との違いを強調するようなこともあるでしょう。
悪意はないとしては、プロパー社員のつながりが強いと、中途採用組は距離を感じたり、疎外感を抱くようになってしまったりして、分断が生じやすくなります。一種の派閥的なものになり、企業としての一体感が作られにくくなるでしょう。
特徴⑥ 視野が狭くなりやすい
プロパー社員が同じ会社で同じやり方を続けていると、「それ以外の方法に触れることがなく、今のやり方が正しい、そのままでいい」と思い込んでしまうリスクがあります。
外からの刺激が乏しくなり、新しいものを取り入れようというモチベーションが働かず、組織が停滞する原因にもなり得ます。
特徴⑦ 保守的になりやすい
プロパー採用の社員は、前述の通り、“うちの会社のやり方”以外を知らず、視野が狭くなりがちです。また、新卒から長く同じ会社に勤めているなかで会社から評価を得ている部分もあるでしょう。
結果的に、立場を守ろうとする心理が働き、失敗のリスクを避け守りに入ってしまうこともあります。従来のやり方に固執して、新しいことにチャレンジしなくなる傾向が出ることもあるでしょう。