効果的な採用戦略がもたらす3つのメリット
採用戦略は端的には「どんな人をどうやって採るか?」です。採用戦略の上流には「企業の成長ステージや事業特性に基づいた採用ターゲットの設定方針」「評価制度や働き方などの人事戦略との一致」「ミッション・ビジョン・バリューと紐づく採用の基本メッセージ」などがあります。
また採用戦略の下流では、「採用したい人物像(採用ペルソナ)の設定」「設定したペルソナに合致した採用メッセージの考案」などがあり、「採用媒体の選定」「採用プロセスの設定」「求人原稿の制作」などの採用実務へと繋がっていきます。
採用活動は、主となって進行する人事部門、戦略のすり合わせを行ったり最終面接で登場してもらったりする経営陣、面接や面談に入る現場のマネージャー層やリクルーター、場合によっては採用コンサルタントや求人広告代理店のスタッフまで多数の人が関与します。
求職者に対しても、求人原稿、採用ホームページ、説明会、面接・面談、内定者研修など、多くのタッチポイントがあります。その中で一貫したメッセージを発するためにも上流工程をしっかり設計して、明確な方向性に沿って実務を進めることが重要です。
採用戦略を明確にすることで採用活動にもたらされるメリットは、整理すると次の3つです。
1. 本当に欲しい人材の獲得に繋がる
採用戦略を上流工程から落とし込んでいく中で、1つ重要なプロセスは採用ペルソナの設定です。採用ペルソナの設定は、事業戦略や人事戦略と、採用媒体の選定や採用原稿の作成など実務との結節点とも言えるでしょう。
採用基準の羅列である採用ターゲットに、価値観やキャリアビジョン、会社選びの基準や行動特性などを肉付けしていくことで具体的な人物像「採用ペルソナ」を設定します。
採用ペルソナの存在は、「何が採用ペルソナにとっての魅力なの?」(魅力の抽出)、「採用ペルソナはどんな就職活動をしているのか?」(媒体選定)、「どの魅力を前面に押し出すか?」(採用メッセージの作成)など、採用実務を進めるうえでの判断基準となります。
採用ペルソナの設定は採用ターゲットに向けてより具体的、訴求力のあるメッセージを発信することに繋がります。逆に、採用ペルソナが曖昧な状態で発信される採用メッセージは、市場全体の雑多なニーズに迎合したありきたりな発信となってしまいます。
2. 選考基準が明確になる
採用戦略の上流工程で、組織ステージや事業特性、評価制度や働き方などの人事戦略、ミッション・ビジョン・バリューを取り上げることは、採用すべき人材の要件、逆に、採用すべきでない人材の要件を明らかにすることに繋がります。
採用すべきでない人材の要件は見落とされがちですが重要です。採用戦略と紐づけずに採用基準を作っていくと、「能力」要件が中心となってしまい、自社の価値観、事業特性からくる働き方、人事戦略と合わない人材を採用してしまう場合があります。
GEで使われていた人事評価である9ブロックは非常に有名ですが、「自社の価値観・社風と合わない有能人材」ほど組織を破壊するものはありません。また、採用すべき人材の要件、特に定性面:特性や動機が明確になることは、選考基準や面接の質問内容をブラッシュアップすることに繋がります。
採用人数が多い場合には、面接官も複数になりますので、選考基準や質問内容を標準化することは重要です。また、採用数によっては企業内で「内定合格レベル」と「幹部候補」を区分けすることもあるでしょう。
入社後の活躍を予測するうえでは、現時点の能力だけではなく、性格特性や動機が重要です。採用戦略を定めて採用基準へ落とし込むことは、選考初期で幹部候補を見抜き、的確に口説く動きを実現することにも繋がります。
3. 採用戦術が明確になる
組織ステージや事業特性、評価制度や働き方などの人事戦略、ミッション・ビジョン・バリューと紐づいて採用ターゲットや採用ペルソナが設定されていることは、採用戦術を策定していくうえでもエネルギーを与えます。採用ペルソナのブロックでも述べた通り、採用戦術を決定していく判断基準となり、ブレや迷いを減らします。
また、採用実務は膨大なオペレーションであり、応募者一人ひとりとのコミュニケーションです。その中では、常に採用競合との競争があり、採用の目標人数という数値のプレッシャーが存在します。
その中で、自分たちの発するメッセージや媒体選定が一貫した方針に基づき、自社の未来を担う人材にアプローチしているのだという自信は採用担当者に勇気をもたらすことでしょう。






