最後にヒューマンエラーを防ぐために大切なポイントを7つ解説します。
1.人が関与する作業の排除
ヒューマンエラーに共通するのは、人が関わることによって発生するということです。
従って、ヒューマンエラーを防止するには、人が関与する工程をできるだけ排除することが基本です。
例えば「会計時のおつりを間違えてしまう」に対してであれば、「自動レジの導入」などが考えられます。
もちろん仕事においては人が付加価値を生み出す、また人が判断することは多いものです。
ただし、繰り返しの作業などであれば、自動化してしまえないか?といったことがはじめに考えるべき対処法といえるでしょう。
2.業務の単純化
複雑な工程が組まれていたり、人が理解しづらかったりする作業も、ヒューマンエラーが発生する要因です。
対策としては、シンプルな業務にする、複数人で作業を分担するなど、できるだけ業務を単純化させることです。
ヒューマンエラーが継続している業務がある場合、単純化できないか、業務フローの見直しを検討した方がよいでしょう。
3.フェイルセーフ、フールプルーフ
フェイルセーフ、フールプルーフもヒューマンエラーを防止する重要な考え方です。
フェイルセーフとは、システムや機械の操作時にミスやエラーが生じた場合でも、危険な方向にいかないよう、安全を確保する仕組みをいいます。
例えば電車のドアが閉まる際、付近に人がいると、挟まれないようにドアの動きが停止しますが、これがフェイルセーフの一例です。
また、エラーが生じた際、安全な方向へ動作するフェイルセーフに対し、フールプルーフは、そもそも人間はミスをするという前提に立ち、ミスができないようにする仕組みです。
「ふたが開いていると回らない洗濯機」や「扉が閉まらないと起動しない電子レンジ」などが例に挙げられます。
4.マニュアル、チェックリストの整備
マニュアル、チェックリストを作成して活用することも、ヒューマンエラーを防ぐ上で基本となる対策です。
起こりうるヒューマンエラー対策を踏まえた上で、手順書や作業チェックリスト、引継ぎ資料などを整備することが大切です。
また、すでに用意されているにもかかわらず、ヒューマンエラーが多発する場合には、マニュアルやチェックリストの見直し・修正、また作成したものがきちんと使われているかという確認が必要でしょう。
5.複数人によるチェックの徹底
一人の人間が作業と確認を兼ねると、思い込みなどによるヒューマンエラーが発生しやすくなります。そのための対策としては複数人によるチェックが効果的です。
複数人によるチェック方法には、以下の2つがあります。
- ダブルチェック:複数の人で同一の観点でチェックを行う
- クロスチェック:複数の人がそれぞれ違う観点でチェックを行う
なお、複数人で確認する際、例えば、2回目のチェック担当者が「1人目がチェックしているから…」とチェックを適当に実施するといったことが、現場でよく起こりがちです。
これでは複数人で確認することの意味はありません。
交通機関や工場などでよくあるチェックリストや指差し確認のような仕組みと組み合わせる、また、2回目のチェック担当者が真剣にチェックを実施できるようするといった仕組みを設けることが大切です。
6.リテラシーの向上を図る
講習会や勉強会などを通じて、ヒューマンエラーのリスクや事例を共有し、従業員のリテラシー向上を図ることも有効な対策です。
リテラシーが向上することで、個々人の意識や注意力が高まるだけではなく、関係者同士での声掛けなども自然に発生してきます。
こうした関係性により、職場全体でヒューマンエラーを起こしにくい環境もできあがります。
ただし、ヒューマンエラーを徹底して防ぐためには、「意識する」だけに依存しないことが重要です。
ヒューマンエラーが発生しない工夫、万が一発生しそうになってもその場で気づける工夫を、業務のプロセスの中に確実に落とし込むようにしましょう。
7.業務環境の改善
業務環境の改善もヒューマンエラーの防止に効果的です。環境の改善例としては、例えば、オフィスの照明や空調、レイアウト変更などの物理的な改善が挙げられます。
また、残業時間の抑制といった働き方改革の取り組みも、従業員の身体・精神の健康面に貢献します。
働きやすい、作業のしやすい環境を構築することは、手元の作業においてのミス、疲労などを要因とするヒューマンエラーの軽減に大きな効果を期待できるでしょう。