部下を持つようになると、ある程度仕事を任せるようになりますが、あなたの任せ方は「丸投げ」になっていないでしょうか?
自分では意識していなくても、部下が丸投げだと感じていれば優秀な部下からの信頼をなくしてしまうこともあります。
では、丸投げと任せるのはどう違うのでしょうか?部下への仕事の任せ方を知ることで、業務がスムーズに回るようになります。
<目次>
丸投げと任せることの違いは?
丸投げ
仕事の丸投げには、次のような特徴があります。
- 仕事の指示があいまい
- 具体的なことを説明せず、適当にしておいてくれと頼む
- 何のためにやるのか説明しない
これでは、部下としても自分がどういう立場でどのように仕事を進めて良いのか分かりません。
任せる
任せるとは、部下に責任感を持って仕事をしてもらうことです。
そのためには
- 部下の立場を明確にする
- 何のために何をどこまでやるか明確にする
ことが重要です。
例えば、プレゼンテーションにおいて、テーマとプレゼン全体の理想像だけを伝え「あとは好きなようにしてくれ」と頼めば、部下は自分が何のためにどう動けば良いのかが理解できます。
また、「明日のプレゼンに使いたい資料が増えたので、○○についてまとめてほしい」と頼めば、明日のプレゼンのために資料作成をすれば良いのだなと瞬時に立場とやるべきことが分かります。
このように、任せるとは「仕事や権限の範囲を示した上で、具体的な指示を与える」ことなのです。
丸投げは離職につながるケースも…
仕事の丸投げを何回もしていると、部下からすれば理不尽な扱いを受けていると感じます。
自分の能力が生かされていない、何のために仕事をしているのか分からないなどストレスをためこみ、最悪の場合は転職など職場を去る結果になってしまうかもしれません。
優秀だからこそ仕事を「任せていた」としても、部下が「丸投げ」と捉えていれば期待とは逆の事態を招く可能性があるのです。
上司だから楽をしている、自分がやるべき仕事を放棄していると思われないためにも、丸投げではなく仕事を任せることによって、信頼関係を築くことが重要になります。
部下の視野を広げる仕事の任せ方
仕事を任せたいときは、単に自分の手が追いつかなくて手伝ってほしいときもあれば、部下の成長を思って任せるときもあるでしょう。
将来的にリーダーになる素質を持っている部下を育成したいという気持ちがある場合は、今までにはない責任感がつきまとう仕事を任せると効果的です。
例えば、本来は上司である自分がやるべき仕事を、部下の育成目的で任せたい場合は「今後のステップアップとして、自分の代役を君に任せたい」という趣旨で頼めば、部下は上司の代わりになれるように努力するでしょう。
このように、今までは上司がしていたはずの仕事を行うことによって、部下としては自分が上司の立場になったときの気持ちや立ち位置を体験することができます。
その中で、自分に足りていない部分を発見することもあるでしょう。
どのような勉強をすれば良いのか、何の分野に対して理解を深めれば良いのかなど、自分なりの課題を見つけられれば部下の視野は格段に広がります。
このように、部下の成長を願って仕事を任せたい場合には、一段上の責任感を持たざるを得ない仕事を任せると良いでしょう。
ただし、その際も仕事や権限の範囲を示した上で、何をすれば良いのかを明確に指示することが重要です。
おわりに
部下の能力を見込んで仕事を任せたつもりなのに、丸投げだと思われていればお互いにメリットがありません。
「丸投げ」と「任せる」の違いを理解することで、部下も自分の立場や権限、仕事の目的などを把握しストレスなく動くことができます。
若手育成のためにも、部下の視野が広がるような仕事の任せ方を意識しましょう。