「御社の冷えた4本のビールは何ですか?」
皆様、ジェイックの知見寺でございます。
先週の日曜日は、父の日でしたね。
プレゼントをされたり、あるいはプレゼントをされた方も
多かったのではないでしょうか?
私は、土曜日6月19日、松本にて仕事があったので、
その帰りに山梨(細かくに言うと小淵沢)で途中下車して、実家に一泊しました。
翌日20日の父の日は、お墓参りに一人で行きました。
私の父親は、私が19歳のときに亡くなっています。
お石塔に水をかけ、線香を供えて、
10分くらい目を閉じ、お祈りをしました。
いろいろなことを考え、いろいろ念じたのですが、
目を開けたときには、何か、すがすがしい気分になりました。
住まいが離れているため、年に数えるほどしか
お墓参りにいけていないのですが、できるだけお墓参りに来ようと思いました。
さて、今回は、6月15日に弊社主催で行った
セミナーの内容をご紹介したいと思います。
この日の講師は、新 将命(あたらし まさみ)さんです。
「経営の教科書」という本を書かれた方です。
大分、売れている本ですので、お手にされた方も多いのではないでしょうか?
「経営の教科書」は、この1年間で出版された経営者向け書籍の中では、
一、二を争う良書だと、私は思います。
もし、お読みになっていらっしゃらなければ、ご一読をお薦めいたします。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478002258
新氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソン社をはじめとするグローバル企業で
社長職を3社、副社長職を1社務めた、いわゆるプロの経営者です。
現在も住友商事やフォースト・リテイリングをはじめとして
多くの企業のアドバイザーを務めていらっしゃいます。
今年の2月に講演をお願いしまして、6月にやっと開催することができました。
新氏は、「経営の教科書」の中で、
「社長の仕事のうち、業種業界で異なるのは20%で、残りの80%は、
業種業界に関係なく、企業経営の原理原則を学び、実践すること」
と述べています。
この新氏に「勝ち抜く経営を実践する ― 経営者の5つの条件」
と題しまして、ご講演いただきました。
そのご講演の最後にされたお話をご紹介します。
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これは実話なんですが、渋谷に、とてもはやっている酒屋さんと、
そうでもない酒屋さんがありました。
立地や品揃え、お店の大きさなど、
さほど変わらないのですが、売上は数倍違うのです。
この違いがどこから生まれるのか?
夕方4時頃、ビール1ケースの注文が入ります。
あまりはやっていない酒屋さんは、
倉庫からビールを1ケース出して、配達に行きます。
頼まれたものを頼まれた通りに届けます。
これは、事前期待=事後評価。すなわち、当たり前です。
だから、このお店でどうしても買う理由はないですね。
はやっている酒屋さんも同様に倉庫からビールを
1ケース出してくるのですが、4本だけ引き抜いて、
お店の冷蔵庫でキンキンに冷えているビール4本と入れ替ます。
夕方にビールの注文があるということは、
ご主人が帰ってくるのにビールを切らしてしまったとか、
急な来客があるのかとか、あるいはお客さんがいて
ビールをきらしてしまったのか、などが想像できます。
このようなことを想像して、それにあわせた対応をしてくれる。
頼んだこと以上のことをしてくれる。
事前期待<事後評価です。
これは、感動しますから、ファンになります。
また、このお店で買おうと思いますよね。
これは、ひとつの事例ですが、はやっている酒屋さんは、
一事が万事で、あらゆることを同じような発想で取り組んでいるのです。
このように、買うべき理由がある会社は、
顧客に選ばれる会社になり、勝ち残る会社になります。
買うべき理由は、会社会社でまちまちだと思います。
品揃えなのか、品質なのか、価格なのか、アフターサービスなのか?
御社の顧客が、御社から購入する理由は何ですか?
御社にとっての、冷えた4本のビールは何ですか?
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私は、この日からずっと
「うちにとっての、4本のビールって何だろう?」
と頭の中を駆け巡っています。
新氏のような、一流の講演者を招くこと?
外れのないセミナーを提供すること?
まだまだ深さが足りないように思います。
皆さんの事業にとって、
「4本のビール」は何ですか?


