「中国市場で事業を黒字化するコツ」【知見メール188号】

中国市場で事業を黒字化するコツ

 

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

 

 

 

今回のメルマガも、上海で書いています。

 

今朝のPM2.5の値は、200台ですから、

大気の状態も落ち着いてきました。

それでも高い数値ですが、先週の金曜日は500台でしたので、

その時と比較すると格段に良いです。

 

 

今年初めの鳥インフルエンザ問題の時には、

上海でマスクをしている人は全く見ませんでしたが、

流石に今回は中国人達もマスクをしています。

 

多くの方々から、ご心配のメッセージをいただきましたが、

 

「没有問題」(問題ありません)

 

です。

 

少しは中国の気質に慣れてきたのかもしれません。

 

 

 

さて、今回は12月4日に東京で

参加したセミナーをご紹介いたします。

 

テーマは、

「中国進出から事業運営までの実例学習セミナー

~アパレル事例を踏まえて

中国ビジネスのコツを考える~ 」

講師は、大手アパレル企業ワールドの元取締役の渡辺博司氏です。

 

渡辺さんは、ワールドで海外事業の責任者を務め、

特に中国では、直営・代理店をあわせ150店舗を

展開した実績を残されています。

 

参加者は、私を含め9名。

私以外の参加者は、皆さんアパレル業界の方でした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

当初、ワールドさんが中国に進出して、大苦戦。

失敗の原因は、日本による企画を持ち込んだこと。

 

例えば、サイズ。

上海のサイズ展開は日本に近いが、中国の東北部は全く違う。

広州の女性の平均身長は155センチで、 大連は165センチ。

日本は、Mサイズで約8割はカバーできる。

 

また、ある日ワールドさんの社員が、

気温30度の広州からハルピンに移動すると、

気温はマイナス10度だった。

半袖の薄着だったので、凍えて大変だったそうです。

気温の幅が、40度もある。

当然、広州とハルピンでは売れる商品が全く違う。

 

好まれる色もデザインも、地域によって異なる。

ルールも地域で異なる。

中国はひとつではなく、

いろんなところの集まりと捉えたほうが良い。

 

アパレルだと上海から進出することが多いが、

上海だけをみて、中国を分かったつもりになると、失敗する。

 

日本市場は単一民族によるあうんの呼吸の市場

⇒市場や顧客をわかっているつもりになる

だから、日本企業は元々リサーチ力が弱い、

またリサーチの大切さがわかっていない

 

欧米企業などは多様性ある市場での経験が豊富

⇒市場、消費者調査が必須になる

よって、組織の機能として

リサーチが明確に位置づけられている

予算もノウハウもスペシャリストもいる

調査を徹底的にやっている

 

 

だから、黒字化するためのひとつのポイントは、

 

精度の高い情報を得る

 

こと。

 

但し、中国には謝礼狙いで調査協力を職業とする人たちがいる。

このような人達から取った調査データで

意思決定すると大変なことになる。

 

また、大都市部は調査慣れしているのでごまかしが起きやすい。

一方、内陸部は調査が少ないので、

そもそも現地スタッフに調査知識やノウハウがないため、

正確な情報が上がってきにくい。

 

更に、日本企業が気を付けないといけないことは、

取った調査データから行動までに時間を掛け過ぎること。

中国は市場全体の変化が激しいので、

わずか半年でも状況は大きく変わる。

だから、スピードを重視する。

時間を掛け過ぎると調査自体が無駄になる。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

そして、最後の質疑応答で

 

「本当に中国は儲かりますか?」

 

という質問が投げかけられました。

 

渡辺さんの回答は、

 

「ワールドでは5億の売上で、利益は1億出していました。

 

中国人がやれば儲かる。

が、日本の感覚でやると儲からない。

 

中国でビジネスをするなら日本人が変わらないといけない。

変わるためには、情報が必要。

 

だから、精度の高い情報を収集してください。」

 

成功するために、精度の高い情報を収集することは、

中国だけでなく日本でも大切なことだと思っています。

 

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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