そもそも既卒者とは?
「既卒者」とはどんな層を指すのでしょうか。新卒や第二新卒、中途との違いを確認しておきましょう。
既卒者とは?
「既卒者」に明確な定義はありません。しかし、一般的には「大学や専門学校を卒業して、正社員での勤務経験がない」若手層を指して使われます。フリーターと呼ばれる属性とも似ています。
既卒者やフリーターというと、「新卒時の就職活動で内定を獲得できなかった」「ちゃんと就職活動をしなかった」「定職に就かずふらふらしている」といったネガティブなイメージを持たれる人もいるでしょう。
日本の場合、「新卒一括採用(新卒一斉就職)」という世界的にも珍しい仕組みがありますので尚更です。ただ既卒者が就職しなかった理由は本当に様々です。
- 資格試験や公務員試験に挑戦していた
- 海外の大学に留学していた
- 卒業後、海外に行っていた
- 学生時代にやっていたアルバイト先に頼まれてアルバイトを継続していた
- お笑いや演劇、音楽などに挑戦していた
- 「研究員」などの立場で大学の研究室に残っていた
- プロスポーツに挑戦していた
- 内定者研修に行ってみたら実はブラック企業で辞退した
- 勤務時間の融通が利く派遣社員で就職した
新卒時に就職しなかった既卒者の中に、高いポテンシャルを持つ人は数多くいます。「既卒者だから能力が低い」と決めつけてしまうのは大きな機会損失を生み出してしまうので注意が必要です。
厚生労働省の発表によると、平成23年では就職が決まらないまま卒業する者が7.5万人いたとされています。
大学を卒業して就職する人が年間45万人ですので、もちろんこれよりは小さいですが、採用の分母にするのに十分な人数がいるといえます。
最近では「大学中退者」も、既卒者の一部分を占める属性です(厳密には卒業していませんが、正社員経験のない若者、という意味合いで捉えてください)。経済的な事情などで自主退学した中退者は、経済的な事情もあり中退後すぐにアルバイト等の非正規雇用で就業するケースが多くなっています。
大学中退者は文部科学省が平成26年に行った調査では年間7万9,311人にもなります。平成25年の大学卒業者の数が55万8,853人ですので、実は大学卒業生の15%ほどもいる計算です。
新卒採用市場で大手企業と同じフィールドで戦うよりも、既卒市場で優秀な人材を探すことは“若手採用のブルーオーシャン戦略”と言えるでしょう。
第二新卒とは?
既卒と混同されてしまいがちなのが、「第二新卒」という属性です。第二新卒は、「大学や専門学校などを卒業して、正社員として就職した後に、1~3年間で離職した」若者を指します。
既卒者と第二新卒を比べた場合、「正社員として仕事した経験があり、基本的なビジネスマナーなどの基礎的な社会人スキルが身に付いている、場合によっては営業経験もある。しかも、すぐ入社してくれる」ということで、「第二新卒を採りたい」という企業は多いでしょう。新卒採用を行わず、第二新卒の採用しかしていない会社もあります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の2004年の調査によると、正規従業員の採用として第二新卒者を採用した企業は全体の85.9%であり、多くの企業が取り入れていることがわかります。なお、この中には既卒者を採用している企業も含まれていると考えられます。
なお、第二新卒の採用枠としては、「中途採用者と同じ枠で採用」が51.9%、「新卒者と同じ枠で採用」が40.1%となっており、中途や新卒と同じ感覚で採用している企業も多いことが分かります。
ただし、「採りたい企業が多い」ということは、採用競争が激しいレッドオーシャンであるということです。市場にいる人数が少ない分、新卒採用以上に難易度が高い、採用費がかかる、と言えるかもしれません。
自社の状況、採用力を勘案しながら、新卒、既卒、第二新卒、どこの層をターゲットとするか、どう組み合わせていくかを考えていくとよいでしょう。






