新人研修は教えたい内容が多岐にわたるのに対して、研修に使える時間は限られているというジレンマが生じやすい研修です。新人研修の効果性を高めるうえで、内容やコンテンツをどう絞り込むか迷うこともあるでしょう。
記事では、新人研修(新入社員研修)の目的と内容を確認したうえで、効果的な新人研修にするためのコツ、一般的なカリキュラム事例を紹介するとともに、オススメの新人研修をご紹介します!
<目次>
- 新人研修(新入社員研修)の目的と内容を再確認
- 新人研修を自社で行うメリット
- 新人研修を自社で行うデメリット
- 新人研修(新入社員研修)の基本的な内容
- 新人研修(新入社員研修)を効果的にするコツと注意点
- 新人研修(新入社員研修)のコンテンツ事例
- ユニークな新人研修の事例
- 効果的な研修方法の導入と活用
- 外部の新人研修を選ぶコツ
- おすすめの新人研修16選
- まとめ
新人研修(新入社員研修)の目的と内容を再確認
新人研修の目的と基本的な内容は、新卒と中途で異なります。
新卒の場合
新卒向けの新入社員研修の場合、以下の4つを通じて新人の成長、戦力化を促進することが目的となるでしょう。
- 社会人としての自覚を持たせる
- 自社の組織に馴染ませる(組織社会化)
- ビジネスパーソンとして必要な基礎的なスキルを身に付けさせる
- 職種や業務に応じた「成果を上げるために必要なスキル」を身に付けさせる
中途の場合
中途社員向けに新人研修をしている企業は少なく、中途社員を採用した場合は研修などを行なわず、いきなり部門でのOJTになるケースも多いでしょう。
しかし、自社の組織に馴染み、力を発揮するための受け入れプロセスは、中途社員の経験値に関わらず必要です。中途社員を組織に馴染ませるプロセスは、新卒の研修内容で紹介した「②組織社会化」にあたります。
中途社員の場合、受け入れプロセスは新人研修ではなく、オンボーディングと呼ばれることが多くなります。中途新人の定着と即戦力を後押しするオンボーディングは、以下の記事で詳しく解説しています。
なお、入社した中途社員の経験値によっては、基礎的なスキル研修や座学も大切です。同職種の経験がある場合でも、異業界出身などであれば、OJTだけでは力を発揮できないケースも多くなります。従って、新卒の研修目的である①~④と照らし合わせて、自社に応じた適切な受け入れプロセスを組むことが大切です。
新人研修を自社で行うメリット
コストを抑えられる
新人研修を外部に依頼すれば費用が生じます。従って、自社で研修を行うことで金銭的コストを削減できます。
外部の公開研修に新入社員を派遣する場合、新人1名あたり5~10万円程度が相場です。また、外部講師を呼んで集合研修する場合、1日当たり20万~50万円程度が相場です。内部で研修実施することで、これらの費用が削減できます。
コンテンツを自社向けに調整できる
自社で新人研修を行うことで、それぞれの会社の実態や業務に合った内容を伝えることができます。
外部に研修を依頼する場合、とくに公開研修に派遣する場合、カリキュラムはアレンジできません。一般的な新人研修の内容やビジネスマナー等は異なる内容を身に付けさせたい場合には、自社で研修を実施する、また外部派遣と自社実施を組み合わせることがおススメです。
研修ノウハウを蓄積できる
自社で研修を実施することで、研修の企画や実施ノウハウを蓄積していくことができます。教える経験値や教材、プログラムなどを蓄積して、ブラッシュアップしていくことで、より効果的な新人研修を実施することができるようになるでしょう。
講師になる社員の成長機会となる
マネジメントや教育分野では昔から「教えることで学ぶ」と言われます。新人研修も同じで、自社の社員が講師として研修を行うことで、新入社員に知識を教えるだけではなく、講師となる社員の成長機会となるでしょう。
まず、教えるためには自分自身が何気なくやっていることをきちんと論理だって、また背景や理由等も含めて整理する必要があります。たとえば、若手社員等であれば、新人研修の内容を改めて整理することは非常によい成長機会となるでしょう。
また、研修を企画、進行することで
- 研修企画力
- コミュニケーションスキル
- インタラクションスキル
- プレゼンテーションスキル
といったスキルも身につきます。
新人研修を自社で行うデメリット
講師を育成する必要がある
効果的な新人研修を行うために、講師の育成は必須になります。
まず研修の内容に関連する知識やスキルを身に付けている社員でなくては講師になれません。併せて内容を適切に伝えるプレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルも必要になります。
時間と人的コストがかかる
社内で研修の企画から実施、フォローまで研修のすべてを設計していくため、外部への費用が発生しない代わりに、時間や人的コストは多くかかることになります。
本来の業務進行に支障が出てしまう、そこまでの時間的な余裕がないといった場合には、外部研修を取り入れたほうがよいでしょう。
外部の体系や知恵を導入できない
社内で研修を実施する際には、自社が持っている知識を基に研修を行うため、これまでなかった新しい知識やスキルを教えていくことは難しくなります。
新人研修の場合には外部の体系や知恵を取り入れたいというケースは少ないですが、幅広くスキルを身につけさせたい場合や、これまで社内になかった知識も含めて教えていきたい場合には社外研修の方が効果的です。
効果性の高い研修を企画・実行することが難しい
効果性の高い研修を行うためには、研修の企画、カリキュラム設計、テキストや動画等の準備、研修の実施(デリバー)、行動変容や定着に向けたフォローなどのノウハウやスキルが必要です。
社内で研修の企画・実施に高い専門性がある人がいない場合、効果性の高い研修を実施する難易度は高くなります。その場合、効果的な新人研修を行うためには、外部研修または、外部研修との組み合わせで研修を実施することがおすすめです。
新人研修(新入社員研修)の基本的な内容
社会人としての自覚を持たせる
新卒社員は、つい昨日まで学生だった若者です。正社員経験のない新人は、ビジネスパーソンの感覚よりも消費者感覚、学生感覚がまだ強いでしょう。
早く活躍してもらうには、
- プロのビジネスパーソンとして仕事への姿勢を教える
- リアリティショックやギャップ、壁に対する心構えを教える
といった内容を通して社会人やビジネスのプロフェッショナルとしての意識付け(マインドセット)をすることが大切です。
自社の組織に馴染ませる
身に付けた知識や業務スキル、能力は、組織に馴染んでこそ発揮できるものです。組織に馴染むためには、以下のような研修内容を通して、組織の沿革、価値観、人、言葉といったものを理解していくことが大切です。
- 企業のミッションやビジョン、沿革など
- 社風や意思決定や業務スタイルなどの暗黙知
- 業界用語や社内用語
- 社員の顔や名前
ビジネスパーソンとして必要な基礎的スキルを身に付けさせる
新入社員が学ぶ基礎的スキルは、お客様や社内との信頼関係をつくるための基盤です。現場でのOJT研修や仕事をスムーズに進めるうえでも、以下のような社会人の基礎スキルは初期教育で身に付けさせたいものです。
- 社会人として求められる基本的なビジネスマナー
- 自社で導入されているツールの使い方
- 基本的なパソコン操作やコンプライアンス
業種や職種に応じた研修内容
現場でのOJT研修にスムーズに入っていくために、配属先の職種や仕事内容に応じた基礎的な内容も新人研修で実施することが多いでしょう。
- 営業職:商品・サービスへの理解、セールスステップ、ヒアリングスキル、プレゼンテーション能力など
- 企画職:基本的なマーケティングの原理原則や知識、企画書の作成方法など
- 事務職:自社の業務フローに関する知識、各プロセスでの操作方法など
- エンジニア職:システムやプログラミングの知識
新人研修(新入社員研修)を効果的にするコツと注意点
新人研修の効果性を高めるには、以下のポイントが大切です。
ゴールから逆算して、「身に付ける」ポイントや意識を絞り込む
新人研修で教えないといけない内容は幅広く、すべてを研修期間中で「身に付ける」状態までもっていくことは難しいものです。だからこそ「知っている」ではなく「している」レベルまで鍛えるべきポイントや意識が何かを絞り込むことが大切です。
マインドセットと組織社会化をきちんと実施する
心構えや考え方の研修は、配属後にリアリティショックを起こさない、早期戦力化するうえで実は非常に大切です。心構えや考え方の研修は、現場配属後に実施しても効果が薄くなる特徴があります。従って、初期研修でこれらをきちんと行なうことがポイントです。
OJTをしっかり設計する
現場配属後のOJTが現場に任せきりとなってしまい、結果的に成長の停滞やバラつき、早期離職の原因となってしまうこともあります。人事部が育成計画のフォーマット準備と作成依頼、過去計画の蓄積などを通じて、OJTの品質を底上げ&担保をしましょう。
現場配属後も、人事部門からフォローを行なう
新入社員の感情は、リアリティショックが生じる部門配属後こそ起こりやすくなります。また、現場で上下関係があるOJT指導者には打ち明けない悩みも出てくることでしょう。
従って、現場配属後こそ、人事部門がフォローする価値が高くなります。部門配属から数ヵ月経過時点での面談、1年後研修などを通じて、現状把握やリモチベートを行ないましょう。
現場との連携を取る
研修業界で有名な法則として、「4:2:4の法則」というものがあります。「4:2:4の法則」は、研修成果に影響を与える要素が、「研修前:4割、研修中:2割、研修後:4割」と実は研修前後の関わりこそ重要であることを示します。
新人研修の場合、例えば、研修後に「研修内容を反する行動を上司や先輩が取っている」と研修効果はガタ落ちします。上司や先輩に対しても研修内容を共有するとともに、新人研修を機にあらためて社内における「基本の徹底」などを推進するとよいでしょう。
新人研修(新入社員研修)のコンテンツ事例
新人研修で一般的に行なわれるコンテンツから、ユニークな研修の事例までを紹介していきましょう。
ビジネスマナー研修
新入社員も「企業の顔」です。そのため、新人の振る舞いや服装によっても企業イメージが左右されたり、お客様の満足度や信頼関係に影響されたりすることから、新人研修では以下の基本マナーを教える必要があります。
- 服装や身だしなみ
- 敬語
- 名刺交換
ビジネスマナーの定着率を高めるために、ロールプレイングやケース学習を入れた実践的内容にすることがポイントです。
電話対応、ビジネスメール
テレワークが普及した近年では、お客様と直接会う機会も少なくなり、電話やメール、チャットなどの重要性が高まっています。お客様や取引先などに失礼な対応をしないためにも、以下の内容は新人研修のうちに教えることが大切です。
- 電話の受け方・かけ方・取り次ぎ方
- ビジネスメールやビジネスチャットなどのマナーや使い方
ある程度実務的な慣れが必要な部分もありますが、ロールプレイングや研修期間内での実践を通じて、身に付けさせていきましょう。
コンプライアンス
新人研修で教えるコンプライアンスは、自社で必要となる基本的な法令遵守や個人情報の保護、SNSの利用ルールなどになるでしょう。
企業活動におけるコンプライアンスには、「法令」「組織の規則」「社会から批判される行為」という3つのレベルがあります。最近は、「社会的に批判される行為」はSNS上などで一気に拡散してブランドを棄損するリスクが高まっています。
法令や組織の規則はもちろんですが、情報流出やSNS炎上、「自分たちの仕事でどんな行為がリスクになるか?」などのディスカッションやケーススタディーなどのアクティブラーニングもおススメです。
事業紹介や社員インタビュー
新人研修では、組織社会化の一環として、自社の事業や組織、人を知るためのプログラムも大切です。
- 自社の事業やサービスをプレゼンテーションする
- 新入社員が先輩にインタビューして発表する
上記の例以外にも座学で学ぶだけではなく、新入社員にアウトプットさせることで学習効率を上げることがおススメです。
朝礼、夕礼、日報
新人研修における朝礼や夕礼、日報の活用は、基礎研修で学んだことを身に付けたり、社会人としての習慣形成をしたりするうえで効果的です。
例えば、今日の達成目標やのミッション・ビジョン・バリューの実践箇所を宣言してもらうと、目的意識を持って新人研修に臨めるようになりますし、また、朝礼や夕礼の時間を使って電話応対や商談のアイスブレイクなど、短時間のロールプレイングをすることもおススメです。
とりわけ日報を通じて、「1日の振り返りをする」「明日の予定と目標を確認する」などの習慣が身に付くと、現場配属後の成長が加速されます。ぜひ活用してください。
自主学習やプロジェクト
詰め込みすぎの新人研修は、新人を「受け身」にしてしまいます。主体性を身に付けさせるためには、新人研修の中で意図的に隙間をつくり、新人自身が主体的に取り組む自主学習やプロジェクトを設けることも効果的です。
OJT
OJTは、座学で学んだことを実践によって身に付けるものです。新人研修のOJTは、会社によって「人事部門が主導するOJT」と「現場配属後のOJT」に分けられます。
効果的なOJTを実施するときには、最終ゴールの設定、必要なスキルの洗い出し、ミニゴールの整理などの設計・準備を行なう必要があります。
現場配属後のOJTも、現場に任せきりにしてしまうのではなく、人事が計画づくりのテンプレート提供や作成指示などを行なって、OJT品質の担保&底上げを行なっていくことが大切です。
OFF-JT
OFF-JTとはOff The job trainingの略称であり、OJTと対比される形で職場以外での研修(セミナー)を指します。特定の内容を指す言葉ではありませんので、実施する内容としてはこれまでに紹介した内容と重複する部分が出てきます。
OFF-JTのメリットは複数の社員に同時に実施できる、体系的・均質的な状態で知識を身に付けさせられる、実務から離れて思考や学習・内省ができるといった点です。
初期研修をOFF-JTで実施して、現場配属等でOJTに入ると、その後はOFF-JTを実施しないケースもありますが、
- 振り返り研修
- 実務を経験し始めたタイミングで教えたい内容
- 内省や目標設定
などはOFF-JTが向いていますので、うまく組み合わせて実施していくことが大切です。
ユニークな新人研修の事例
新人研修は、組織内で実施される研修の中でも比較的長期間にわたるプログラムです。研修がマンネリ化してしまわないように、ユニークなプログラムを取り入れることもおススメです。
面白いだけの新人研修をしても意味がありませんが、目的や目標をしっかり踏まえたうえでユニークな研修を取り入れれば、新人のモチベーションや学習定着率の向上、受講者同士の交流に使えるなどのメリットがあります。
ウォーキング研修
その名のとおり、オリエンテーションをしたり、目的地に向かってグループで歩いていったりする研修です。新入社員を何人かのグループに分けて、ルートやルールなどを決めて目標を達成します。仲間とともに計画や目標達成に取り組むことで、チームワークや同期の絆、また目標意識を育むことが可能です。
無人島研修
無人島に数泊して、グループで生活する研修です。島で暮らすには、新人のそれぞれが火起こしや資材集め、調理といった役割を担わなければなりません。研修を通じて、主体性の発揮や役割分担を学ぶ、一緒に生活をした新人同士の絆が深まるなどは、ウォーキング研修と近い要素があります。
マナーファイト
ビジネスマナー動画を撮影し、ほかのチームに間違い探しをさせるというプログラムです。ビジネスマナーの学習はマニュアルを覚えるような内容になりがちですが、ゲーム的な要素を盛り入れることで新人のモチベーションを高めやすくなります。
また、動画をつくるプロセスを通じてビジネスマナーの理解も深まります。さらにチームメンバーと動画内容を考える過程で、協同や交流を行なえるメリットも期待できます。
竹とんぼづくり研修
竹とんぼづくりは、世界有数の電子部品メーカーであるTDKで実際に行なわれている研修です。プログラムのミッションは、QCD(品質・費用・期限)の制約がある中で「3.5秒の滞空時間をクリアする竹とんぼをつくること」になります。
限られた費用や期間内で顧客ニーズに応える「ビジネスにおけるものづくり」を体験するプログラムです。メーカー以外でも、研修の目的やエッセンスは取り入れることができるでしょう。
インプロ研修
インプロ研修とは、「即興劇」を実施する中で気付きをえる研修です。即興劇を通じて、以下のように多彩なスキルを身に付ける目的と効果があります。
- 感情表現力
- 想像力
- 観察力
- 傾聴力
- 即時対応力
- コミュニケーション力
インプロ研修には、新人同士が打ち解けるきっかけにもなる効果もありますので、研修期間の初期に行なうこともおススメです。
効果的な研修方法の導入と活用
新人研修の効果を高めるために、効果的な学習方法を取り入れることもおススメです。基本的なポイントであり、研修に取り入れやすい方法は、アクティブラーニング、マイクロラーニング、リフレクションの3つです。
アクティブラーニング
研修内容を定着させるために効果的なのが、アクティブラーニングです。学習方法と学んだことの定着率の相関はアメリカ国立訓練研究所が発表した研究結果(ラーニングピラミッド)でよく知られています。
ラーニングピラミッドでは、学習方法と学んだことの定着率について、
としています。
パーセンテージの絶対値は、「定着率」としてそのまま当てはめられるものではありません。
しかし、受け身で学ぶのではなく、能動的に話す/体験する/教えることで学びが定着することはよく分かるはずです。(アクティブラーニングは、ラーニングピラミッドの分類ではグループディスカッション、体験学習、人に教えるの3つを指します)
アクティブラーニングを新人研修に取り入れた例として、ある企業では「新入社員自身が新人研修の講師をする」というプログラムを実施しています。同期に教えるために真剣に学んで教えることで、研修の参加者として聞いているよりも圧倒的に研修内容が身に付くことは想像に難くありません。
そのまま実践することは難しいかもしれませんが、新入社員に「考えさせる」「復習する」「実践する」「体験する」「教える」といった場を設けることがポイントです。
マイクロラーニング
マイクロラーニングは「マイクロ」というとおり、学習内容を小分けにすることで学習の効果性が高まるという考え方です。シンプルに表現すると「180分の学習を1回するよりも、10分の学習を18回やったほうが学びの効果は高い」ということになります。
新人研修は教えなければいけない内容が多く、短期での詰め込み型になりがちなのはやむを得ない部分もあります。ただ、本当に大切であり定着させたい内容は、マイクロラーニングの考え方を取り入れて、小分けにしながら繰り返し学習する、繰り返し復習する、繰り返し実践するといった方法を取り入れることが効果的です。
リフレクション
リフレクションとは「振り返り」の技術です。体験や経験を通じて、人の成長を促進するためには、コルブの「経験学習モデル」に則るのが非常に効果的です。
コルブの「経験学習モデル」では、体験や経験から成長するサイクルを示しています。ポイントになるのは、「省察(リフレクション)」と「概念化」です。
新人研修内でも、日報や夕礼などに「省察」と「概念化」を促進するための問いや項目を埋め込むことで成長スピードが加速します。
振り返りの技術を身に付けると、現場配属後もスピーディーな成長を遂げやすくなるでしょう。そのため、効果的な「振り返りの型(日報などの項目)」を作り、習慣化することが新人研修では非常におススメです。
外部研修と内部研修(内製化)の組み合わせ
新人研修では、非常に幅広い内容を習得させる必要があります。社内にノウハウを持つ講師やリソースがない場合、外部の研修サービスを利用することも選択肢です。
特に、第三者から伝えたほうが刺さりやすいプロ意識などの“マインドセット”、初めに正しい型を身に付けさせることが大切な“ビジネスマナー”などは、外部研修が向いているコンテンツです。
一方で、自社製品やサービスの基礎知識や基準作り、習慣化は、社内でしかできません。最近では、外部研修と内部研修(内製化)を組み合わせて研修効果の向上に取り組んでいる企業も増えています。
外部の新人研修を選ぶコツ
価格帯
新人研修を外部依頼する場合、料金相場は公開講座であれば1人1日あたり3~5万円程度、講師を招く場合は1日あたり20~50万円程度が相場です。あまりに安すぎる研修は品質に不安が残るケースも多く、避けたほうが良いでしょう。
品質が安定していると判断できるラインとしては、「2日間の公開講座で5万円以上、講師を招く場合は1日20万円以上」程度を目安とするとよいでしょう。
開催実績
研修の開催実績も依頼先を選ぶ際の確認ポイントです。開催実績が多ければ良いというものではありませんが、年間数百人以上程度の実績があったほうが、改善のPDCAが回しやすく、品質が安定しますし、時代による新入社員の傾向変化なども捉えやすいでしょう。
プログラム内容
もちろんプログラムの内容もチェックが必要です。プログラム内容のチェックポイントは、大きくは3点です。
- 想定されている新人像と自社の新人レベル、プログラムのコンセプトや重視するポイントと自社が育成したい点が一致しているか?
- マインドセットや心構えのプログラムがしっかり入っているか?
- 学習効果を高めるためにアクティブラーニングやフォローアップ研修等があるか?
おすすめの新人研修16選
この章では、おススメの新人研修16選をご紹介します。
JAIC(HRドクター運営会社)
■学生から社会人へのマインドチェンジに最適!「仕事の基礎の基礎」
学生気分から脱却し社会人としての心構えを持たせる「意識変革」に重点を置いた新人研修プログラムです。入社3ヵ月後のフォロー研修もセットになっており、意識の定着をサポートします。
関連サービス資料を
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■「7つの習慣®」を基にした新入社員研修PRO
「7つの習慣®」に基づいたオンラインの新人研修プログラムです。成長意欲高い人材を「自ら考え自ら行動できる主体性の高いプロ人材」に育てます。プロとして成果を上げるための考え方と行動を身に付けられるプログラムです。
関連サービス資料を
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インソース
- (新入社員・新社会人向け)ビジネス基礎研修~学生から社会人への意識と行動改革編
社会人としての心構えやルールなどを学べるオンライン研修プログラムです。社会人として不可欠なビジネスマナーや仕事の進め方の基本を学ぶことができるベーシックな内容です。
https://www.insource.co.jp/online/shinjin1.html
- (新入社員・新社会人向け)コミュニケーション研修~デキる「ホウ・レン・ソウ」
上司や先輩とのコミュニケーション、チームでのプロジェクト遂行に欠かせない「ホウ・レン・ソウ」を詳しく学べる研修プログラムです。目的や適したタイミングをはじめ、上司に信頼されるホウ・レン・ソウを身に付けられます。
https://www.insource.co.jp/online/newcomer_communication.html
リクルートマネジメントスクール
- ビジネスマナー実践研修(BMS)
基本的なビジネスマナーが1日で学べるオンラインの研修プログラムです。単にマナーの知識を知るだけでなく、「なぜこのように行動する必要があるか」といった理由も学ぶことができます。
https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/K1211/
- 新入社員8つの基本行動研修
ビジネスマナーに加えて、仕事の進め方など、社会人としての8つの基本行動を体得できる講座です。上司や先輩、顧客、他部署の人たちからどのような行動を期待されているかをワークを通じて考え、取るべき行動への理解を深めていきます。
https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/K1045/
マイナビ研修サービス
- 新入社員研修 ベーシックコース
社会人として求められるビジネスマナーを網羅的に学ぶ研修です。座学に加え、ロールプレイングやペアトレーニングを取り入れ、実践できるようにすることを目指します。
- 新入社員研修 アドバンスコース
仕事をするうえで重要なコミュニケーションスキルを習得するためのプログラムです。ホウ・レン・ソウやPDCAを総合演習で身に付けていきます。
https://hrd.mynavi.jp/service/service-21482/
SMBCコンサルティング
- 新入社員研修(3日コース)
社会人としての心構えや組織で働くためのマインドを醸成し、ビジネスマナーやコンプライアンスといった基本的なビジネススキルを身に付ける研修プログラムです。講義やワークを通じて主体的な新入社員を目指します。
https://www.smbcc-education.jp/training_detail/%E6%96%B0%E5%85%A5%E7%A4%BE%E5%93%A1%E7%A0%94%E4%BF%AE-2/
パーソル総合研究所
- 新入社員 ビジネスマナー研修
社会人に求められる基本的なビジネスマナーを身に付け、学生から社会人としての意識の転換を図る研修です。「理解したつもり」ではなく、「できるまで」実践・指導してビジネスマナーを体得します。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/stratified/manners.html
- 新入社員「学び力」向上研修
主体的・自律的に考えること、行動することを学び、社内メンバーや顧客との人間関係を構築して成果を出すための「スタンス」を身に付ける研修プログラムです。「自ら学んで成長していける人材」を目指します。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/stratified/manabi.html
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
- MUFGビジネスセミナー(SQUETセミナー)
社会人としての心構え・意識をはじめ、最低限のビジネスマナーや仕事の進め方、コミュニケーションの取り方などを体系的に学ぶ講座です。文書作成など、基本的なスキルも学ぶことができます。
https://mypage.squet.ne.jp/user/categories/newcomer.html
りそな総合研究所
- 「オンライン研修」「来場型研修」「フォローアップ研修」
仕事の進め方やビジネスマナー、ルールといった社会人としての基礎力を付ける研修です。フォローアップ研修は、入社後の仕事を振り返って、仕事を進める際の考え方やスキルを学びます。
https://www.rri.co.jp/seminar/shinnyu.html
京セラコミュニケーションシステム株式会社
- KCCSの新入社員教育プログラム
仕事をするうえでの考え方と、企業人としてのあり方を学ぶプログラムです。160社以上の新人研修の実績があり、「入社1年次集合研修」というフォローアップ研修も提供されています。
https://www.kccs.co.jp/consulting/seminar-education/education_list/education-3/202000/
Schoo
- 新社会人のためのマインドセット研修パッケージ
社会人としてのマインドセットが身に付けられる動画研修プログラムです。企業で用意した動画をパッケージすることも可能で、受講者に合わせて研修動画を変えることもできます。
https://schoo.jp/biz/theme/curriculum/5
etudes
『etudes』は、1,493社以上の企業との人材育成実績を持つ株式会社アルーが提供するLMSです。受講履歴の可視化やオンライン・オフラインの社内研修の効率的な実施や管理が可能で、教育・管理担当者の業務負担を大幅に軽減できます。
新入社員向けの教育はもちろんのこと、管理職まで対象とした多様な階層の教材が用意されており、オリジナル教材の制作も可能です。
CSエデュケーション
CSエデュケーションが提供する新人研修は、社会人としての心構え、仕事の目的、組織理解、ビジネスマナーやビジネスコミュニケーションスキルの習得や社内におけるキャリアビジョンの設計を行い、入社後の目標設定を行います。
また研修内での自己分析のワーク(エニアグラムメソッドなど)を通して、深く自分の特性を知ることができます。また、自己分析のデータは、新人を受け入れる際の上司の部下育成・指導に活用することができます。
https://cs-education.jp/
まとめ
新人研修は、新人のマインドセットを行なったうえで、組織になじませ、業務遂行に必要な基礎知識やスキルを学ぶ大切なものです。一方で、効果的に研修が実施されていないと、部門配属後に「新人研修の意味がない」「もっとちゃんと研修で教えて欲しい」という声が上がりがちです。
効果的な新人研修を行なうためには、研修のゴール設定や当たり前の基準作り、習慣形成など、「教わる姿勢」と「教わる技術」を現場で求められる実践レベルまで高めるための取り組みが重要です。
また、研修効果を高めるためには、アクティブラーニングやマイクロラーニング、リフレクションなどの効果的な学習手法を取り入れたり、外部研修と内部研修をうまく組み合わせたりすることがおススメです。
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