
当事者意識の低さには心理学的な要因が強く関係しています。当事者意識を持てない原因や心理を知ることで、当事者意識を高めるための適切な対策が見えてきます。
以下で、当事者意識を持てない7つの原因や心理を理解しましょう。
仕事における目的や目標が不明瞭
1つ目は、「何のための仕事なのか?」「顧客にどのような貢献をするのか?」「どのような目標・数字を追うのか?」など、仕事の目的や目標が曖昧になっているケースです。
メンバーはなんとなく目の前の仕事をこなしており、より多くのことを進んでやろうとはしない状態に陥ります。
目的や目標に価値を感じていない
2つ目は、自分がしている仕事に意義や価値を感じられていないケースです。
組織としては目的や目標がしっかりと定められており、個人に対しても目標が設定されていたとします。
しかし、設定された目標が本人にとって「企業や上司から与えられたもの」「上から落ちてきたもの」という認識になってしまうと当事者意識は生まれません。
当事者意識を持てるようにするためには、価値がある、社会に貢献している、達成することで収入が増える、成長できる、キャリアが広がるなど、仕事や目標を達成することに対する個人的な意味付けが必要です。
仕事で主体性を発揮する余地がない(自己決定権)
3つ目は、当事者意識を持とうとしても、主体性を発揮できる組織環境が整っていないケースです。冒頭で紹介した心理実験のとおり、自己決定権がないと当事者意識は生まれにくくなります。
極端なトップダウン型で自己決定権がなかったり、自由な提言や行動が許されなかったりする組織では、メンバーは主体性を発揮できず当事者意識は生まれません。
自己効力感がない
4つ目は「自己効力感」がないケースです。自己効力感とは、自分の能力への自信の度合いのことで「自分はこれをやれる」という感覚を指します。
自己効力感は過去の成功体験の積み重ねで強化されます。自己効力感が低いと「自分にできるはずがない」「どうせ失敗する」と思ってしまいます。
ネガティブに考える状態では主体的な行動を起こせず、当事者意識も生まれません。仮に当事者意識が生まれたとしても、「できるはずがないけれど、やらなくてはならない」と過度のプレッシャー要因になる恐れがあります。
楽をしたいという心理
5つ目は、楽をしたい、すなわち「なるべく仕事を増やしたくないから黙っておこう」などという心理があるケースです。
なお、楽をしたいという心理自体は、誰もがある程度持つものではあります。楽をしたい心理を上回る仕事や目標への意味付け、責任感、達成意識などが存在することで、当事者意識は高まります。
損したくないという心理
6つ目は、損したくない、すなわち「当事者意識を発揮して自分から動いた結果、責任をとらされたり、評価を下げられたりするのは嫌だ」という心理があるケースです。
自分のチームや組織内が「当事者意識を持つことはリスクにならない」と思える環境でなければなりません。
例えば「発言すると上から睨まれる」「言い出した人が損をする」「上司や組織からのサポートは得られない」といった環境では、当事者意識を発揮することは損することになります。
当事者意識を発揮した人を評価して、挑戦をサポートする。そして、失敗を許容できる組織風土をつくりましょう。
他人がなんとかしてくれるという心理
7つ目は、他人がなんとかしてくれる、すなわち「上司や同僚、経営者が問題を解決してくれるだろう」という心理があるケースです。
企業の危機や市場環境の変化に対しても関心がなく、上層部が対処すべき問題として認識しています。問題を自分事として受け入れられないこと自体、当事者意識の欠如からくる心理です。