切れのよいCMですっかりお馴染みになったインディードは、従来のような求人媒体ではなく、求人検索エンジンと呼ばれるタイプのサービスです。
「地名×職種」の検索に強く、アルバイトやパート、正社員の採用でも徐々にシェアを伸ばしています。
本記事では、インディード自体の概要も確認したうえで、自社求人を掲載するする時の仕組みや掲載料金、うまく活用するためのコツを分かりやすく紹介します。
<目次>
インディードとは?
この数年、CMで大きく知名度を伸ばし、採用手法の一つとしても使われるようになってきたのがインディードです。
インディードは、通常の求人サイトと異なり、求人検索エンジンと呼ばれ、さまざまな求人サイトの情報、また、Web上に公開されている企業の求人情報などを一括で見る、検索できるサービスです。
つまり、世界中に存在する求人情報を自動で検索し、収集・表示しているプラットフォームであり、“求人情報のグーグル”といったイメージを持ってもらえれば分かりやすいでしょう。
そして、グーグルであれば、検索結果の上部に広告を出せるように、インディードでも自社の求人を出稿することができます。
つまり、インディードを一種の求人媒体として使えるわけです。
圧倒的な求人数やCMによって集めた膨大なユーザー数を背景に、インディードに求人を掲載することはかなり一般的になってきています。
インディードのメリットデメリット
自社求人を掲載する求人媒体としてのインディードには、どんなメリット、デメリットがあるでしょうか。掲載料金に入る前に簡単に確認しておきます。
インディードのメリット
インディードのメリットは無料でも活用できる点です。
急な人員補強などではなく、通年で採用を行なっている企業などであれば、求人を出しっぱなしにしておけることは大きなメリットになるでしょう。
一般的な求人サイトは、成果に関わらず、一定期間の掲載をすることに対して費用が発生します。従って、掲載を出しっぱなしにしておくことは難しいでしょう。
最近では、成果報酬型の料金プランがある求人サイトもありますが、その場合も応募や採用に応じて費用が発生します。
ずっと無料で掲載することができ、かつ応募や採用でもお金が発生しないインディードは、採用予算に余力のない企業でも活用することが可能です。
インディードの月間サイト訪問者数は、延べ3,850万人*です。
他の求人サイトと比較しても非常に多くの人に見られており、今まで求職者に知られていない会社でも多くの目に触れる可能性が期待できます。
(*日本経済新聞2021年12月14日)
インディードのデメリット
無料で活用できますが、多くの企業では有料プランを活用しています。
検索結果への求人表示は、有料のプランの求人が無料よりも優先されますので、無料プランで出稿していると、応募数はなかなか期待できないことになります。
また、口述しますが、インディードの料金体系は「クリック単価」という仕組みです。
うまく活用すると、求人サイトの掲載料などよりも割安に人材を獲得できますが、一方で、求人作成に手を抜いたり、運用を誤ったりすると、費用ばかり掛かって成果につながらない可能性がありますので、注意が必要です。
インディードの料金体系
インディードには、無料と有料、2つの掲載プランがあります。
採用予算がどのくらいあるのか、また採用を急いでいるのかなどに応じて使いわけることで効果的に活用しましょう。
インディードの無料掲載プラン
無料で自社の求人を掲載できます。掲載、応募、採用に一切費用はかかりません。また、掲載期間も無制限です。
ただし、前述のとおり、無料掲載プランの求人よりも有料掲載プランの求人が優先されるため、採用競合が多いエリアや職種になると、なかなか応募数は期待しにくいでしょう。
無料掲載プランでの求人広告の出し方は、以下の手順で行ないます。
1.アカウントを作成する
まずは、インディードのアカウントを作成します。個人ではなく、採用専用のメールアドレスで登録することをおすすめします。
採用専用のアドレスであれば、他の担当者や社長・役員とも共有することができ、応募があった場合は、即座に対応することが可能です。
その後、会社情報などを入力します。会社名、従業員数、採用担当者の名前、電話番号などを登録します。以上でアカウント作成は終わりです。
2.求人情報を記入する
インディードの求人情報は1つずつ登録していきます。インディードの求人情報は「職種×勤務地」という単位になります。
従って、同じ勤務地でも複数の職種があれば複数の求人、また同じ職種でも3つの勤務地があれば3つの勤務地が必要です。
ただし、求人を作成した後に、コピーが可能ですので、さほど手間はかかりません。
求人に職種や勤務地を記入した後は、職務詳細を記入します。「雇用形態」「給与」「仕事内容・アピールポイント」などを入力します。
求職者に自社の求人内容をより魅力的に伝えるためにもしっかりと考えて入力しましょう。求人広告の作成ポイントは後程詳しく紹介します。
インディードの有料掲載プラン
インディードの有料掲載は、スポンサー求人と呼ばれます。有料で求人を出すことで、検索結果の上位に表示することができます。
求人ニーズが多い職種やエリア等に関しては、ほとんどが有料出稿されている求人となっているため、無料での出稿だと大きな成果を上げることは難しく、有料掲載プランを検討しましょう。
有料掲載プランは、求人のクリック1回あたり幾らという費用が発生するクリック課金型です。検索エンジンの“リスティング広告”と同じ仕組みです。
クリック単価は、入札形式になっており、単価を高く設定すれば上位に表示されやすくなります。
つまり、有料掲載プランでも、求人を掲載することで費用が発生するのではなく、求職者が自社の求人情報をクリックしたタイミングで費用が発生します。
クリック単価の相場は地域や職種ごとに変わります。採用競争が激しい高いエリアや職種はクリック単価が高くなりますし、競合が少ない地域は安くなります。
関東や関西などで企業が多いエリア、また、営業や医療スタッフなどの不足しがちな職種はクリック単価が高くなるわけです。
利用金額が40,000円ごとに請求が発生します。40,000円に満たない場合は、月末締め、翌月払いになります。
また、初回のみ利用金額が2,000円に到達した場合に請求が発生します。クリック単価200円の求人が10回クリックされた時点で請求になります。
費用総額は、自社で上限金額を設定することができます。
たとえば、上限を20万円に設定すればそれを超えて請求が発生することはありませんので、安心して使用することができます。
クリック1回あたりで費用が決まりますので、採用費用は、「クリック単価÷クリックからの応募率÷内定率÷内定承諾率」で決まることになります。
例えば、以下のようなイメージです。
②応募率1%
応募単価=150円÷1%=15,000円
③内定率10%
内定単価=15,000円÷10%=150,000円
④内定承諾率100%
採用単価(採用費用)=15,000円÷100%=150,000円
上記を見て分かる通り、内定基準などを変えずに採用単価(採用費用)を落とすためには、クリックからの応募率を高めることがインディードを運用するポイントです。
上記の例で、仮にクリックからの応募率を5%にできれば、応募単価は1.5万円から3000円になり、採用単価も15万円から3万円になるわけです。
クリック後に見える求人をきちんと魅力的につくること、それがインディードでの掲載料を割安にするポイントです。
インディードに向いている企業
今流行っているからといって、全ての企業がインディードを活用することに向いているとは限りません。
ここでは、どのような企業がインディードの活用に向いているかを解説しましょう。
インディードを活用することが向いている企業は、
- ①「職種×勤務地」で検索することが期待できる雇用形態や職種
- ②採用人数がそれほど多くない企業
- ③今すぐ必要ではないがよい人がいれば採用したい企業
- ④採用費用が十分に確保できない企業
まず、前提としてインディードは「職種×勤務地」での検索に強い媒体です。
例えば、アルバイトや店舗勤務、医療関係など、エリア性が強い職種の採用でおすすめです。
また、スポンサード求人はいつでも求人を停止できますので、採用人数がそれほど多くなければ、一定の応募数が出た時点で、求人を停止することで比較的割安に採用できる可能性が高まります。
応募数は期待できませんが、「今すぐではない求人を無料プランで掲載しっぱなしにしておく」というのもひとつです。
インディードの運用方法
インディードは自社で運用することもできますし、代理店を活用することもできます。それぞれについて解説します。
インディードを自社で運用する
インディードは、Web上で直接申し込んで自社で運用することも可能です。自社で運用すれば、スポンサード求人におけるクリック費用以外の費用は発生しません。
従って、無慮プランであれば完全無料、スポンサード求人も割安で運用できます。
ただし、採用担当者の運用工数が生じてきます。始めは慣れない作業のため多くの時間を使ってしまうかもしれませんが、慣れてくれば負担は軽減されるでしょう。
ただし、多くのサイトを使うと業務自体が煩雑になってしまうため、求人サイトの取捨選択が必要になるかもしれません。
インディードの代理店を活用する
求人広告の代理店と同じように、インディードも代理店制度があるため、代理店に依頼してインディードに掲載・運用することも可能です。
代理店はインディードの専門家なので、スムーズな運用と広告に対してのアドバイスをもらうこともできるでしょう。
しかし、運用費用が発生してしまうため、自社の採用予算との相談が必要になります。
代理店を活用するメリットは、インディード運用に時間をかけずに済むこと、また、採用の成功率が高まることです。
採用と費用と時間を天秤にかけて、何が自社にとって一番有効であるかを検討し、活用していくとよいでしょう。
インディードで応募者が増える求人広告の書き方
最後にインディードで応募者数を増やす求人広告の書き方を紹介します。
応募者数を最大化するポイント
インディードにおける応募者数は、以下の要素のかけ合わせで決まってきます。
- ①該当する条件の検索数
- ②検索結果における自社求人の表示率
- ③自社求人のクリック率
- ④求人を見てからの応募率
従って、インディードで応募者数を増やすためには、①~④までの各要素の数字を高めることがポイントになってきます。
以下のような点を押さえることが大切です。
①該当する条件の検索数
⇒タイトルを具体的な職種名、また一般的な表現にする
⇒同じ求人でも、勤務地を変えて複数掲載する
②検索結果における自社求人の表示率
⇒ここは次に紹介する求人のクリック率などの要素もありますが、
大きくはクリック単価で左右されると考えましょう。
インディードの管理画面で表示状況を見ながら調整しましょう。
③自社求人のクリック率
④求人を見てからの応募率
⇒「もっと詳しく求人を見たい!」と思わせることがポイントになってきます。
次節で詳しく解説します。
求人広告のポイント
インディードの検索結果ページでは、求人情報として登録した中の以下情報が表示されます。
- 求人タイトル
- 募集企業名
- 勤務地
- 交通費支給や昇給ありなどの条件を示すアイコン
- 給料(時給や月給)
- 雇用形態、契約形態
- 求人票の概要(冒頭80文字程度)
求人へのクリック数を増やすポイントになってくるのは、「求人タイトル」と「求人票の概要(冒頭80文字程度)」の2つです。
まず求人タイトルに、募集対象が魅力を感じるよう強い訴求・魅力を盛り込んで、「詳しく見てみよう」と思われることが大切です。
また、求人タイトルと並んで表示されるのが「求人票の概要(冒頭80文字程度)」ですので、ここについても「誰向けのどんな魅力的な仕事か?」を端的にまとめてクリックを促すことがポイントです。
もちろん嘘があってはいけませんが、まずは求人を見てもらわないことには応募されることはありません。
インディードの求人登録をする上では、上記2か所をしっかりと作りこみましょう。
そのうえで、「求人を見てからの応募率」が高まるように、求人具体的な職務内容などをしっかりと記載していきましょう。
まとめ
昨今知名度が高くなってきている求人検索エンジンのインディードですが、圧倒的な利用ユーザーを背景に、求人媒体としてシェアを伸ばしつつあります。
とくにインディードは、職種×勤務地の検索に強く、アルバイトや店舗勤務、医療系をはじめとした拠点勤務などの仕事でよく利用されています。
インディードは無料でも求人を掲載できますが、競合の多い職種や勤務地で効果を出すには掲載料が発生するスポンサー求人と呼ばれる仕組みを使うことが大切です。
スポンサー求人は、1クリックあたり幾らというクリック課金の仕組みになっており、うまく活用すれば従来の求人サイトよりも割安に採用活動が可能です。
インディードに向いている企業や求人掲載のポイントなど、記事で紹介した内容を参考に、出稿を検討してみてください。