キャリア採用とは?中途・新卒・既卒との比較や成功のポイントを解説

ノートパソコンを持った若いビジネスマン

キャリア採用は優秀な即戦力を採用することができ、また人材教育にかかるコストや時間の削減もできるため、企業にとってメリットが大きいものです。一方で、キャリア採用ならではの懸念点もありますし、想定している人材の確保に至らないケースもあるでしょう。
 

記事では、採用の種類とキャリア採用のメリットや懸念点等を解説します。キャリア採用を成功へ導くためのポイントも紹介しますので、キャリア採用を検討する際の参考資料としてお役立てください。

 

<目次>

キャリア採用とは?採用の種類を整理

キャリア採用とは、ある一定のスキル・経験を持つ人材を獲得する採用手法のことです。新卒採用、中途採用、既卒採用、第二新卒採用、さまざまな採用の種類がありますので、全体像を整理しました。

採用の種類の全体像
 

企業やサービスによっては各領域が重なりあう部分もありますし、同じ言葉を使っていても異なる意味で使っている場合もありますので、あくまでイメージですが、キャリア採用の位置付けがとらえられると思います。
 

以下で、簡単に各採用の種類を解説しておきます。
 

新卒採用

過去に就業した経験を持たない新卒者(学生)を採用することです。採用対象によって、大学院卒、大卒、専門卒、高専卒、高卒……等に分類されます。

 

中途採用

新卒採用と対比して使われる言葉で、上図でいう既卒・第二新卒・キャリア採用を包含する概念です。ただし、会社によってはキャリア採用と同じ「即戦力採用(経験者採用)」の意味で使う場合もあります。

 

既卒採用

大学や専門学校、高校等を卒業後に「正社員としての就業経験を持たない既卒者」(学生ではない)を採用することです。最近では新卒採用の対象者に既卒者を含めるケースもあります。新卒と異なり、「すぐ入社できる」点が既卒採用の魅力です。

 

第二新卒採用

「新卒正社員として就職して、3年未満の社会人経験」を持つ若手を採用することです。厳密な定義がある言葉ではありませんが、一般的に「社会人経験の有無」という点が既卒と異なります。ト

 

キャリア採用

一定のスキルや経験を持つ人材を獲得する採用を指します。中途採用が同じ意味合いで使われることもありますが、キャリア採用のほうがより即戦力的な人材・経験者を求めるイメージが強くなります。

 

非正規採用

「契約社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」等、期間を限定した雇用契約で採用することです。

 

パート・アルバイト採用

パートタイマーやアルバイトなどの雇用契約です。一般には専門技能を有しない層を採用することが多くなります。

 

契約社員採用

1年間など、一定期間の定めがある契約社員としての雇用契約で採用することです。一般にパート・アルバイト等よりも社員に近い業務を任せることが多いでしょう。

 

派遣採用

派遣会社から紹介された人材を派遣社員として採用することです。パートやアルバイト、契約社員が直接雇用であるのに対し、派遣採用の場合、雇用契約は派遣社員と派遣会社の間で結ばれます。

 

プロ派遣(プロフェッショナル派遣)

雇用の流動化や副業・複業などが進んだなかで、高い専門性を持った人材を派遣する派遣サービスも増えてきており「プロ派遣」等と呼ばれることもあります。
法務、会計、財務、広報、IT、マーケティング、編集、デザインなど、「組織で必要とされ、高い専門性が求められるが週5日のフルタイム雇用である必要がない」といった職種で多く見られる採用手法です。

 

業務委託

自社で対応できない業務を、フリーランスや外部の企業等へ任せる契約のことです。「業務請負契約」や「委任(準委任)契約」の総称でもあります。
プロ派遣の流れは業務委託の分野においても同様で、業務を切り出して他社に任せるアウトソーシング的な業務委託(BPO)だけでなく、上述のような高い専門性を持ったフリーランスや副業人材と業務委託契約を結ぶケースが年々増加しています。

 

キャリア採用のメリット・デメリット(懸念点)

ビジネスマン・ビジネスウーマン

本章ではさまざまな種類がある採用のなかで、キャリア採用のメリットと懸念点・留意点を詳しく解説します。
 

キャリア採用のメリット

キャリア採用のメリットは、次のような点があります。
 

1.即戦力人材の獲得

自社が必要とする経験やスキルを持った人材を採用することで、育成にかかる時間や手間を圧縮して、早期の活躍が期待できます。キャリア採用を実施する最も大きな目的とメリットです。

 

2.即入社

中途採用全般にいえるメリットですが、新卒採用と異なり、採用活動から入社までのタイムラグが少なく、必要な人材をすぐに獲得できます。したがって、事業計画の推進や達成に際して効果的です。

 

3.能力の見極めがしやすい

キャリア採用で獲得する人材は、基本的には同業界や同職種の経験者です。性格特性やコンピテンシーを見る必要がある新卒・既卒・第二新卒採用と比べると、関わってきた仕事内容や立ち位置をヒアリングすることで、採用時に業務スキルを見極めやすいといえます。

 

キャリア採用の懸念点・留意点

上述のようにメリットの多いキャリア採用ですが、以下のような懸念点や留意すべき点もあります。
 

1.ハイレベルな人材は転職市場に出てくることが少なく、難易度・採用コストも高い

いま社内で活躍している人材はそのまま社内でキャリアを上げていくことが多くなりますので、転職市場には出てきにくいものです。また、転職する際は転職サービスや媒体等を使わずに個人的なネットワークで決めるケースも増えています。
したがって、採用市場に出てくる優秀なキャリア人材の数は限られ、採用難易度は高くなります。募集ポジションや採用手法によっても異なりますが、難易度が高くなる分、キャリア採用は1人にかかる採用コストも高くなりがちです。

 

2.スキル・経験があっても自社で活躍できるとは限らない

前職での経歴や成果が華やかであったとしても、自社で同じように活躍できるとは限りません。市場環境やポジションの違いもありますし、また、業務スタイル等が一致するとも限りません。
適切な例といえるかわかりませんが、「大企業の人がベンチャーや中小企業に転職して、仕事の仕方や考え方が違って活躍できない」という例がインターネット上で取り上げられることがあります。成果を出すための「優秀さ」は環境に紐づく部分もあり、どのような環境でも再現性があるとは限りません
また、「入社したものの職場や社風に馴染めない」といった理由等で、本領を発揮することなく早期退職に陥るケースもゼロではありません。
即戦力人材=教育しなくていい、と思われがちですが、組織社会化やオンボーディングと呼ばれる「組織に馴染む(人を知る、組織の暗黙知や言語、仕事の流れ等をつかむ)力」を養うためのサポートは大切です。
キャリア採用は経験者だからこそ、鳴り物入りで入社することも多く、外部からの新しい風が悪い方向に吹けば、既存社員のモチベーションを下げてしまうリスクもあり得ます。

 

3.価値観の浸透や変化がしにくい

キャリア採用で入社した人材は、前職までに培った経験があるからこそ「自分なりの価値観ややり方」を持っていることが多くなります。このため、新卒や既卒などのポテンシャル人材層と比べると、価値観や仕事の進め方がある程度固定されて変化しにくい傾向にあります。
持っている価値観や仕事の進め方が自社の社風やワークスタイルと馴染めなかった場合、早期退職や滞留の可能性があります。前述した「成果の再現性」という点と併せて、「カルチャーフィット」の視点で選考する必要があります。

 

キャリア採用を成功させる5つのポイント

人事のイメージ
いくつかの留意点はありますが、活躍が期待できる経験者を獲得するキャリア採用のメリットは大きいものです。本章ではキャリア採用を成功させるために必要なポイント5つを解説します。
 

1.欲しい人材像と採用基準を明確にする

キャリア採用であれば「どの分野のスキルが必須か」「どのような働きを期待するか」など、ポテンシャル採用に比べて欲しい人材像を具体的に想定できるはずです。
求めるスキルのレベルや経験の有無が自社の希望に合致しているかどうかが明確になるだけでなく、求職者が希望する働き方も、ミスマッチがないかヒアリングしやすくなります。求める人材像の明確な設定ができれば、採用で失敗しにくくなります。
 

2.採用費をケチらない

人材紹介料や求人広告の掲載費など、採用にかかるコストは抑えたいところですが、削り過ぎると求めるレベルの人材獲得が難しくなります。優秀な人材を獲得するために、採用は投資としてとらえ、投資対効果で考えることが大切です。
自社の事業推進にとって必要不可欠なポジションであれば、ある程度採用費を投資する覚悟を持つことも重要です。
 

3.常日頃からアンテナを張り、情報を発信する

採りたいときに優秀な人材がすぐに見つかるとは限らないため、日頃から常にアンテナを張り、こまめに情報を発信することも大切です。また、常日頃から社内外に向けて情報を発信し、採用の重要性を浸透させることで、リファラル採用やSNS採用といった中長期施策の成功率もアップします。
短期に多くの人へ向けた広告を展開するよりも、中長期的な視点での情報発信に成功すれば、結果的に費用を削ることもできるでしょう。
 

4.受け入れプロセス(オンボーディング)等を整備する

職場の慣習や規範に馴染めない、前職と異なる仕事の進め方ややり方に戸惑う……といった理由で、ハイレベルな人材でも組織に馴染むまではなかなか力を発揮できないことが普通です。
こうしたリスクを放置すれば、せっかく獲得した優秀な人材の戦力化も遅れますし、早期離職にもつながりかねません。キャリア採用であっても、入社後のケアやサポート、オンボーディングや組織社会化のプロセス等、自社の受け入れ体制は整備しておく必要があります。
 

5.正規雇用だけでなく、業務委託やプロ派遣などの活用も視野に入れる

専門性が高い職種に関しては、正規雇用だけでなく、業務委託やプロ派遣などの活用も有効です。特に人事や法務、会計、財務、広報、マーケティングなどの専門性スキルを持った人材は、企業規模によっては週5日のフルタイム勤務が必要でないケースもあるでしょう。
近年ではリモートワークや副業に対する考え方も進んできており、場合によっては正規雇用よりも優秀な人材を獲得しやすくなっています。
「人件コストを抑えて業務を効率化し、既存社員の負担を減らして得意分野に注力できるようになる」といったメリットも見込めるため、本当に正規雇用でのキャリア採用が必要か、見直してみることも大切です。

 

まとめ

キャリア採用とは、ある一定のスキルや経験を持つ人材を獲得する採用手法の一つです。

キャリア採用は、新卒や既卒採用と異なり「即戦力となる人材をすぐに採用できる」ことが最大の魅力です。

 

一方で、優秀なキャリア人材は転職市場に出てきにくい、前職で成果を上げたからといって自社で活躍するとは限らない、ポテンシャル層と違って価値観や仕事の進め方が変化しにくい(自社と異なる場合に馴染みづらい)といった留意点もあります。

 

採用費の投資、面接での「成果の再現性」見極め、カルチャーフィットの確認、情報発信によるリファラルやSNS採用の推進等がキャリア採用を成功させるポイントです。また、場合によっては、正規雇用ではなくプロ派遣や業務委託といった選択肢も検討するとよいでしょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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