信頼口座の残高を増やし、良い人間関係をつくるための6つのポイント

更新:2021/10/25

作成:2021/10/25

信頼口座の残高を増やし、良い人間関係をつくるための6つのポイント

多くの人が、周囲の人と好ましい信頼関係を築きたいと願っています。家族や友人、恋人、職場の同僚など、周囲の人と強い信頼関係を築けるかどうかは、人生の充実度や幸福度にも大きく影響します。

 

世界的なベストセラーである『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー博士は、人間関係における「相手からの信頼関係や安心感」を銀行口座に例え、「信頼口座」と呼んでいます。信頼口座の預け入れを増やすことが、周りと信頼関係を築く行為となります。

 

今回の記事では、良い人間関係を作ることに役立つ信頼口座とは何か、そして、信頼口座の残高を増やすポイントを6つ紹介します。

 

<目次>

信頼口座とは何か?

周囲と良好な人間関係を築けているかを考えるうえで、一つのバロメーターになるのが「信頼」です。相手を信頼して、相手から信頼されていれば、「相手との人間関係は良好だ」といえるでしょう。

 

『7つの習慣』では相手との信頼関係を「信頼口座」という概念で表現します。本章では、信頼口座とは何か、そして、信頼口座の特徴を解説します。

 

 

信頼口座とは何か?

信頼口座は、『7つの習慣』で人間関係における「相手から自分への信頼」を示す概念です。「口座」という単語からどのようなものを連想するでしょうか。「銀行口座」をイメージする人も多いかと思います。銀行口座は預金すれば残高が増えて、お金を引き出せば残高は減っていきます。じつは人間関係も同じです。

 

銀行口座で「お金」を預け入れたり引き出したりするように、信頼口座では「信頼」を預け入れたり引き出したりします。例えば、礼儀正しい態度や気遣いを示す、相手との約束を守るなどの行為は、相手の信頼口座に「信頼」を預け入れる行為です。

 

信頼口座に多くの信頼が貯まっていれば、人間関係が崩れることはありませんし、仮に意見が異なったとしても、「〇〇さんは、そういう考えなんだね」とお互い受け入れることも容易でしょう。信頼口座の残高は、相手との信頼状態、人間関係を表すバロメーターだといえます。

 

 

信頼口座と信頼残高

書籍『7つの習慣』には、1990年に初版が出版された『7つの習慣 成功には原則があった! 』と、2013年にスティーブン・R・コヴィー博士の没後1年を期に新たに翻訳しなおした『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』という大きく2つのバージョンが存在します。

 

「信頼口座」は、もともと『7つの習慣 成功には原則があった! 』では「信頼残高」という言葉で表現されていました。両者は同じ意味であり、今回の記事では完訳版で使われている「信頼口座」という表現に統一して記載しております。

 

 

信頼口座の特徴

前述のように信頼口座は、「相手との信頼関係」を「お金を預け入れる銀行口座」に例えて表現したものです。信頼口座は、信頼を出し入れする点は銀行口座と同じなのですが、信頼を扱うからこそ銀行口座とは大きく異なる特徴もいくつかあります。信頼口座が持つのは3つの特徴です。

 

信頼口座の特徴① 残高がわからない

銀行口座は通帳を見ればどれぐらい貯まっているかが一目瞭然です。しかし、信頼口座には通帳がなく、残高がいくらあるのかもはっきりわかりません。ですから、残高が十分貯まっているだろうと安心するのではなく、日々、信頼を積み重ねる努力を続けていくことが大切になります。

 

信頼口座の特徴② 残高はマイナスにもなり得る

銀行口座の場合は、どれだけ引き出しても残高の最低限は0です(キャッシングはどうなるか、等はご容赦ください)。しかし、信頼口座はマイナスにもなり得ます。信頼口座がマイナスの状態は、「ネガティブな意味で信頼されている」ということです。つまり、単に「信用されていない」どころか「あの人が言うなら疑ったほうがいい」「あの人とは約束するだけ無駄」といった状態です。

 

信頼口座の特徴③ 一瞬にして引き出される

銀行口座は、預け入れをした分だけ残高は増えますし、引き出した分だけ残高は減ります。これは信頼口座も同じです。ただ、信頼口座の場合、預け入れには非常に長い時間がかかり、丁寧に信頼を積み重ねていく必要があります。一方で、引き出しは一瞬にして行なわれます。「一回の裏切りで長年培ってきた信頼がゼロになる」というのはイメージできるかもしれません。信頼口座の預け入れは地道で時間がかかります。引き出すことがないように周囲の人との接し方を心がけることが大切です。あ

信頼口座の残高を増やす6つのポイント

本章では、信頼口座の残高を増やすポイントを6つ紹介します。6つのポイントは『7つの習慣』でも書かれていることです。しかし、誤解したり、間違えて解釈したりしているケースもあるため、あらためてご確認いただければ幸いです。

 

 

信頼を預け入れる行為①「相手を理解する」

『7つの習慣』では、相手を理解することを、すべての預け入れの基礎と位置付けています。相手を理解しなければ、何が預け入れで何が引き出しなのかがわかりません。逆に、相手のことをよく知りもせず、「●●さんは~という人だからなぁ」などと憶測で決めつけてしまうことは、信頼口座の残高を減らす行為です。

 

しかし、相手を理解するうえで気を付けなくてはいけない点があります。相手を理解していくと、いつの間にか相手のことを理解した「つもり」になってしまうことです。自分からすると「相手を理解している」と思っていても、相手は「私のことをわかってくれない」と感じている、といったことは上司と部下の間などでよくあることです。

 

わかったつもりになってしまう人には、「人の話を途中で遮る」「良かれと思ってやっていることが多い」「聴く時間よりも話す時間が極端に多い」といった特徴が見られます。もし心当たりがあれば、自分の行動を振り返ってみることをおススメします。

 

「相手を理解する」というのは、具体的にどのような行為を指すのでしょう。それは「相手が大切に思っていることを、自分(あなた)自身でも同じように大切にする」ということです。例えば、部下のことを深く理解している上司であれば、部下が大切にしていることをないがしろにすることはありません。

 

また、信頼関係で結ばれている夫婦は、お互いに大事にしていることを否定することはないでしょう。仕事の上司・部下、家族や恋人など、人間関係を大切にしたい人に対して「相手が大切にしていることは何か」をしっかり知ることから始めましょう。

 

 

信頼を預け入れる行為②「小さなことを気遣う」

ちょっとした親切や気配りはとても大切なことです。相手が「自分のことを思ってくれているんだ」と感じてくれれば、たとえ結果的に相手が望んでいたことと違ったとしても、信頼口座の残高が減ることはないでしょう。

 

例えば、体調が悪くて休んでいた同僚が出社したときにさりげなく一声かけたり、仕事がうまくいかなかったときに後押しする言葉を送ったり、困っていそうなときに手を差し伸べたりなど、生活や仕事のなかで、小さな親切のチャンスはいくらでも見つかります。

 

小さな親切や気配りとは逆に、無礼な態度や不親切なことをしてしまうと、信頼口座から引き出ししまうことになるので注意しましょう。

 

 

信頼を預け入れる行為③「約束を守る」

相手との約束を守ることもまた、信頼口座の預け入れにつながります。逆にどのような約束であれ、破ってしまえば信頼口座を大きく引き出してしまうでしょう。約束の大きさや内容に関係なく、シンプルに約束を守るか破るかが重要です。

 

私の友人に「守れないと思う約束は絶対にしない」という人がいます。状況や相手によっては約束を破ることは非常に大きな引き出しになります。その友人は「約束したからには絶対に守る」と決めているからこそ、守れないと思う約束は絶対にしませんし、逆に周囲から非常に信頼されています。

 

 

信頼を預け入れる行為④「期待を明確にする」

「期待を明確にする」ことが、なぜ信頼口座の預け入れになるのかと思う人もいるかもしれません。逆のケースを考えてみてください。相手に何を期待しているかを明確にしないことは、時に誤解を生み信頼関係を崩すことにつながります。

 

例えば、誰かと分担して仕事を進めることが決まったとします。このとき、どの作業を誰がやるのかなど役割分担をハッキリ決めずに進めたらどうなるでしょうか。お互いに「相手がやるものだと思っていた」ということが起き、信頼を大きく引き出してしまうことになりかねません。

 

だからまず、最初に期待を明確にすることが肝心です。最初に期待を明確にしておくことは、上記のようなトラブルを防ぐだけでなく、むしろ預け入れになるのです。

 

お互い「言った」「言わない」の争いになって物別れに終わってしまったもめ事も、元を正せば「期待を明確にしなかった」故に起こることの一つです。なぜ私たちは、相手に対して期待を明確に伝えることができないのでしょう。端的にいうと、お互い納得いくまで期待を明確にすり合わせることは勇気と手間が必要だからです。

 

それよりも、すべて合意しており、意見の食い違いがないかのように振る舞うほうがずっと楽だからです。しかし、対話の手間や意見の食い違いを恐れるあまり、期待を明確にすり合わせないまま物事を進めることは対立や物別れにつながります。

 

期待を明確にするというのは、立場や年齢に関係なく、相手に対して思っていることをはっきりと伝えるということでもあります。相手によって態度を変えず、しっかりと意見を述べて、期待をすり合わせる行為は信頼の預け入れにつながるのです。

 

 

信頼を預け入れる行為⑤「誠実さを示す」

誠実な人は信頼されるし、不誠実な人は信頼されません。誠実さは信頼に直結するということです。どんなに相手を理解して、気遣いを示し、約束を守ったとしても、言っていることとやっていることが食い違えば、一気に信頼口座がゼロになることも覚悟しなければなりません。

 

また、「本人のいないところで陰口を言う」行為は、大きな不誠実さが表れる行為です。本人のいないところで陰口を言ったことは、どこかで伝わります。もう少し掘り下げて考えてみましょう。

 

例えば、「Aさんがいないところで、Bさん・Cさんと話していて、Aさんの陰口を言う」とします。じつは、この行為はAさんからの信頼口座を引き出すだけでなく、Bさん・Cさんからの信頼口座も大きく引き出す行為です。

 

なぜなら「AさんがいないところでBさん・Cさんに陰口を言う」行為は、「あなたは本人がいないところで陰口をいう人であり、自分(Bさん・Cさん)がいないところでは、違う人と自分の陰口を言っているかもしれない」と発信する行為です。くれぐれも気を付けましょう。

 

 

信頼を預け入れる行為⑥「過ちをしたときは誠心誠意、心から謝る」

間違いは誰にでもあります。しかし、間違ったことをしたときに素直に謝ることのできる人は意外と多くありません。なぜなら、人はどうしても「自分は正しい」と思いたいからです。会議や話し合いの場で、あきらかに「間違った言動」をしているにも関わらず、プライドが邪魔をして、謝罪や訂正ができない人がいますが、それでは信頼の預け入れは難しいでしょう。

 

コヴィー博士は下記のように書いています。

 

「間違いを犯すのは問題だが、間違いを認めないのはそれ以上の問題である」

出典:『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー

 

ほとんどの場合、過ちの原因は、判断ミスや勘違いなどによるものです。一方で、「過ちを認めない」という行為は、変なプライド等の人間性が引き起こすものです。人は事実誤認などのミスは許せても、人間性からくる誤魔化しは簡単に許せないものです。過ちを犯してしまったときは、誠心誠意、心から謝罪をしましょう。心からの謝罪は、逆に信頼の預け入れにもつながります。

 

おわりに

『7つの習慣』では、周囲の人との信頼状態を銀行口座に例えて「信頼口座」(信頼残高)と表現します。

周囲と信頼関係を築き、良好な人間関係を築くためには、相手との信頼口座に「信頼」を預け入れて残高を増やすことが大切です。

 

信頼口座は「残高がわからない」「マイナスになり得る」「一瞬で大きく引き出される」という特徴を持っています。だからこそ、普段からの地道な預け入れが大切なのです。信頼口座への預け入れは、「相手を理解する」「約束を守る」「誠実さを示す」などの行為が該当します。

 

ぜひ記事で紹介した信頼口座を増やす6つのポイントを参考に、周囲と良好な人間関係を築いてください。

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