次に社外1on1のメリットデメリットを見ていきます。

基本的は、社外1on1のメリットとデメリットは社内1on1の裏返しです。
まず最大のメリットは中立的な立場だからこそ、公正なアドバイスが受けられるということです。そして、第三者だから話しやすい、心理的な安全性が確保されることもあります。利害関係がある上司や組織内では言いにくいテーマが、キャリア形成、プライベート、人間関係などです。
ジェイックグループでは「Kakedas」という国内最大級のキャリア面談プラットフォームを運営しています。そこでの相談テーマを見ていると、プライベートやキャリアの相談というのは非常に多いです。とくに20代・30代はキャリア形成の悩みは多いです。また、20代女性の場合は結婚とキャリア形成、30代になると女性はライフイベントや子育てと仕事の両立、また、性別を問わず家庭や介護などの話も出やすくなります。
年齢が高い方はプライベートな相談をしてないかというと、そんなことはありません。シニア層になると役職定年や定年を意識する中で、仕事のやりがい、役職定年後のキャリア、会社をリタイアした後に人生設計などの相談も増えてきます。
また社外1on1のメリットとして、相性マッチングや多様な視点もあります。Kakedasの場合には、従業員は相談の都度、相談テーマや状況に応じて違うキャリアコンサルタントを指名できる形になっています。このような形式であれば、自分と相性が合う相手に相談するということが可能になります。
さらに価値観的な相性だけでなく、テーマに応じて「キャリア相談は職種経験がある人」「英語を使った仕事をしていきたいから海外業務の経験がある人」「マネジメントの相談をしたいから同じレイヤーでマネジメント経験がある人」「子育てと仕事との両立はワーママ経験がある人」「定年への悩みや不安は同世代の人に話したい」といった形で選ぶことができると、有益なアドバイスも得やすいですし、相談者の満足度も向上します。
いまの20代がキャリアに悩んだ時、最も身近で相談しやすく、かつ無料で使えるサービスは転職エージェントのキャリア相談です。しかし、自分の市場価値やキャリア形成への客観的な意見を求めて転職エージェントの面談に行ったところ、「あなたの経験なら、転職すれば待遇UPやキャリア形成できますよ」と転職に誘導されてしまうケースも多くあります。
転職エージェントは、転職支援で成果報酬をもらうビジネスモデルですので、その中で本当に客観的かつフラットなアドバイスを出来るのは高い倫理観と豊富な経験のある方だけです。一般的にはどうしても転職を薦めるポジションになってしまいます。
一方で、社外1on1であれば、企業が費用を負担するからこそ転職を前提としないキャリア相談ができます。キャリアに対する知識や経験値が高い専門家に相談することで、幅広い視点に基づいた客観的なアドバイスが得られるようになります。その結果、キャリア相談を経ることで離職率は下がっていく効果もあります。
こうしたメリットの一方で、社外1on1は社内ではないため、定期的に面談して継続的な支援をすることが難しい場合も多くなります。また、事業内容、社内制度や文化、社内のキャリアパスなどに関しては知識が不足します。その意味で、社外1on1はカウンセリングやコーチング的なアプローチであり、具体的なアドバイスやキャリアパスを明確化することは難しいというデメリットが生じます。
社内1on1と社外1on1、どちらもメリットデメリットがあります。だからこそ、組み合わせることで、社内1on1と社外1on1の良いとこ取りをして両輪で実施することで従業員のパフォーマンスを上げていくことが大切です。
最近は、大手企業を中心に、上司との1on1、キャリア研修+社内面談や社内のキャリア相談窓口に加えて、社外のキャリア面談窓口を作りたいという相談を良くいただきます。まさにメリットとデメリットを踏まえて、「組み合わせる」という考え方です。