東宮人事施策の改革を進められて、従業員のエンゲージメントに変化はありましたか。

有沢本社機能や営業部門では従業員のエンゲージメントは目に見えて向上しました。難しいのは工場です。工場でも、工場だけ利用できる時間休制度、生産性向上報酬制度、また、技能職の定年延長など、さまざまなことに取り組んでいます。一方で、本社機能や営業部門と比べると、まだ向上に差があります。
工場は実際に飲料・食品を作っている現場になりますので、例えば4勤2休のようなシフト勤務がありますし、リモート勤務も難しいといった事情があります。リモートワークのあたりは、コロナ禍の3年間を経てとくに顕著になってきました。
ただ、工場は飲料・食品メーカーにとっての最も大切な現場の一つです。いま賃金格差の是正などにも取り組んで、より良い状況にしていこうとしています。
東宮製造業における製造現場の問題は本当に難しいところですね。
有沢また数字には出てこないところでは海外ですね。カゴメはグローバル化を推進していますので海外赴任・出向者も多くいます。
東宮海外では、どのような課題があるのですか。
有沢私は、海外出張する時は駐在員の自宅を訪問するときがあります。たとえば、今度アメリカ出張がありますが、行ってまず2日間で駐在員の自宅を6か所回ります。それをやってから現地法人のCEOなどとの打ち合わせをしていきます。
アメリカだと生活環境もまだ整っていますが、アフリカ進出の拠点としているセネガルの首都ダカールに行ったら、日本食などどこにもありません。日本人にとっては非常に厳しい環境です。こういうことは現地、現場に行ってみないとわかりません。
これを見て、現地の駐在員には、パリかドバイへの飛行機チケット代と宿泊代を出すので3か月に一度、1週間の休暇に出かけて息抜きをするようにと、制度を決めました。
東宮施策は即決なんですか。
有沢極端に言えばそうです。こういうことは役員として、その場で決めます。とくに健康やメンタルに関わることは時間の猶予はない。現場で気持ち良く仕事をしてもらえる、安全な環境を整えるのは、経営として当たり前。現場が全てですからね。人事は現場の痛みがわからないとダメなんです。