
Z世代向けの研修・教育で高い効果を出すためには、以下のポイントを大切にするとよいでしょう。
価値観を尊重する
Z世代の育成で最も大切となるのは、上司がZ世代の価値観を理解・尊重する姿勢を持つことです。
ただ、たとえば、自分が若手の頃に「努力するプロセスが大事」「石の上にも3年」と教えられてきた昭和世代の上司からすれば、Z世代の「さくっとこなして成果を得る」などの価値観を理解できないこともあるでしょう。
しかし、端から上司の価値観を押し付けてしまうと、Z世代は自分の価値観を否定されたような感覚を受けてしまいます。
したがって、上司は、部下と信頼関係を構築し、高いモチベーションで仕事をしてもらうためには、まずはZ世代の価値観を理解・尊重したうえで、「プロセスを重視すると◯◯のような良いことがあるよ……」のように具体的な理由や目的を伝えるアプローチを図る必要があります。
適度な距離感をとる
Z世代には、未成年の頃からSNSなどを使ったコミュニケーションに慣れている特徴があります。
SNSの場合、「Twitterのフォロワー」や「Instagramのフォロワー」のように、SNS別にコミュニケーションをとる人間関係がわかれていたりもします。こうしたSNSを使い慣れたZ世代の場合、仕事などの日常生活でも状況別にコミュニケーションの線引きが行なわれがちです。
また、昭和世代などと比べると、企業への忠誠心も乏しい傾向があります。そのため、食事やお酒の誘いなどで急に距離を縮めるのではなく、Z世代の関心事などをじっくり探りながら少しずつ関係構築することが大切になるでしょう。
「Z世代は人との交流に興味が薄い」と表現すれば言い過ぎですし、上司と人間的な交流を持ちたいというニーズはあります。ただし、「会社だから」「上司-部下だから」という感覚でいきなり間隔を詰めようとはしないほうがいいかもしれません。
承認の機会を増やす
Z世代には、高い承認欲求があります。そのため、何の声掛けもない放置・放任の状態が続くと、たとえ仕事ができるメンバーであっても「自分は認められていない……」などの想いからモチベーションなどが下がってしまいます。
こうしたZ世代のモチベーションを維持するには、日報へのコメントや定期的なフィードバック、1on1などを通じて、承認の機会を増やすことが大切になります。
ただ、場合によっては、本人がなかなか成果を出せず、上司としても“承認したくてもできない状況”に陥っていることがあるかもしれません。
上記の場合、成果から少し視点を変えて、以下のようなポジティブフィードバックをすることもおすすめとなります。
- 【姿勢】朝早くから準備をしていて偉いね。みんなも助かっているよ。ありがとう。
- 【努力】今回はなかなか成果が出ないけど、今年はテレアポ数もかなり増えているよね。諦めずにその調子で頑張ってみて。
- 【成長】昨年より新規顧客とのラポール形成がうまくなっているね。今後も傾聴を続けていこう。
なお、メンバーへの承認は、外発的動機づけ(外的報酬)です。極端な話、あまりに頻繁に承認しすぎると、耐性がついて同レベルの報酬(承認)では満足できなくなってしまう場合もあります。
Z世代の新人・若手の場合、承認の機会を増やすことがもちろん大切ですが、上司への承認依存に陥らないようにするためにも、仕事へのやりがいやワクワク感などの内発的動機づけを促す仕組みや働きかけも整備したほうがよいでしょう。
自律的な行動を引き出す
Z世代に高いモチベーションで仕事や自己成長に励んでもらうためには、自律的な行動につながる強みを伸ばしてあげることも大切です。
たとえば、Z世代はデジタルネイティブであり、タイムパフォーマンスを重視しますので、「ITの力を駆使して、仕事などを効率的に進めたい」という想いがあります。昭和世代の上司や先輩と比べてSNS運用やITツールの活用に慣れていることが多いでしょう。
そのため、たとえば、「自社SNSの運用は、最もSNSに詳しいAくんにお願いしよう」などの提案をすれば、本人の強みでチームに貢献できることから、仕事へのやりがいやワクワク感なども得られやすくなるでしょう。
本人の強みを伸ばしていく作業は、キャリア開発をするうえでも大切になります。
自分事にする
組織への帰属意識が低くタイムパフォーマンスを重視するということは、忠誠心が高い昭和世代などと比べて“当事者意識が低く他人事になりがち”ともいい換えられます。
そんなZ世代が営業目標などに対して他人事だった場合、ゴール達成につながる計画なども思うように実行できなくなるでしょう。「会社の仕事だから」「組織の目標だから」では、モチベートされにくいZ世代には、過去よりも丁寧に目標や仕事を“自分事”にしてあげるプロセスが大切です。
たとえば、目標や仕事であれば、目的・目標の4観点というフレームワークを使い、目標達成したときに「どのような素晴らしいことが起こるか?」を「自分/他者」「有形/無形」の2つの軸、4つのカテゴリで意味づけするワークはひとつのやり方です。
たとえば、「今年度は1,000万円の売上を達成し、営業部門の新人賞を獲得する」という目標なら、以下のような意味づけができるでしょう。
- 自分×有形:新人賞の表彰状と賞金がもらえる
- 自分×無形:うれしい気持ちになる、モチベーションが上がる
- 他者×有形:営業部門と上司の評価が上がる
- 他者×無形:上司と先輩が喜ぶ
また、目的・目標の4観点に興味がある人は、以下のページから資料をダウンロードしてください。