我々の行う「50歳節目面談」の特徴は、一人に対する面談の回数を制限していない点です。
一人ずつ順番に面談をしますから、1回の面談の区切りは1時間としています。しかし、時間内にキャリアビジョンを宣言して、そのための具体的な行動を自分の口からコミットできない限り、再面談をセットし続ける仕組みにしました。面談のゴールは、行動計画がコミットできた時。それができるまで面談は何回も続きます。
私が行った面談の最長は、10時間(10回)です。「伝説の10時間面談」などと言われていますが、もちろん、10時間経ってもコミットできなければそれ以上の時間を費やします。
重要なのは、我々キャリアコンサルタントが何をもって「変わるきっかけを掴んだ」と判断するのか。ポイントは「客観性」と「開始時期」の2つです。
ポイント1:客観性
ミドルシニアのキャリアビジョンで多いのは「後輩から頼られる存在になります」というコミットです。しかし、これは我々の面談では通用しません。どういう状態になったら「後輩に頼られている」と言えるのか、定義づけができていないからです。
そのため、行動をちゃんと起こしたことを客観的に判断できるように、面談では行動計画を設定させます。
例えば、経理のベテラン層であれば、期末決算で若手が苦労しているので「期末の一ヶ月前になったら、経理経験2年未満の社員を集めて決算の勉強会を開きます」と。こういう具体的なコミットであれば、行動しているかどうかは、誰の目から見ても明らかです。
ポイント2:開始時期
ドルシニアの場合、「いつまでにやります」と約束しても、行動を始めないケースが少なくありません。
例えば、「1年以内にTOEICの点数を100点UPします」というコミットではダメなのです。100点上がったかどうかは客観的に判断できますが、「いつからどういう勉強を始めます」という約束をしておかないと、行動をちゃんと起こしたかどうかが掴めません。
もっと具体的に「○月○日までに英会話スクールに申し込んで、通い始めます」というコミットをすれば、実際にその日が過ぎたら「申し込みましたか?」と確認できます。つまり、「いつまで」ではなく「いつから」を確約しないと、我々は「変わるきっかけを掴んだ」とは判断しません。
「客観性」と「開始時期」の二つを本人の口からコミットするまで、面談が続く運用になっています。