「個人のパーパスと会社のパーパスとの連動」を、半世紀前から実現していたソニー
東宮ソニーグループ様は、「自分のキャリアは自分で築く」というメッセージを、創業当時から打ち出していらっしゃいます。
日本でキャリア自律が強く語られるようになったのはつい最近のことですから、これは本当にすごい話だと思います。
当時の日本は、いい大学を出て、いわゆる一流企業に就職して、その後、キャリアは会社に任せるという考え方が一般的でした。それとは根底から異なる考え方は、どのように築かれたのでしょうか。
望月ソニーグループにとっては、「自分のキャリアは自分で築く」というのは創業時から根付いている考え方です。ファウンダーである井深さんと盛田さんが発信されてきたメッセージでもあります。
ですから、後から「キャリア自律」という考え方や文化をつくったのではなく、DNAとして組織やソニーで働く社員にもともと根付いています。
ソニーは戦後生まれの企業であり、今でいう「スタートアップ企業」だったこともあるのかもしれません。
当時は、知名度もありませんし、会社が新しいチャレンジをするには自ら動けるような人でないと困る・・・。そういう事情もあったかもしれません。
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東宮キャリア自律のトレンドやジョブ型の人事制度に伴って、改めて導入したり、力を入れ始めたりしている企業も多い「社内公募制度」。
これもソニーグループでは、1960年代に導入されているというのはすごいですよね。
望月当時は、東京通信工業からソニーに社名を変更して10年弱、そして、海外に打って出ようとしていた時代でした。
会社が事業を拡大していくには、入社した人たちが自ら積極的にチャレンジして成長してもらう必要があったのでしょう。当時の採用キャッチコピーには「出る杭を求む」というのもありました。
これも創業時から続く社風を表しているものです。
私は、「君たち、ソニーに入ったことをもし後悔することがあったら、すぐに会社を辞めたまえ。人生は一度しかないんだ」というメッセージを入社式で直接盛田さんから聴いた世代です。
現代風に言い換えると、「個人のパーパスと、会社のパーパスを重ねる」ということですね。
このように、ソニーグループにおいてキャリア自律という考え方は、「社員に充実した人生を送ってほしい」「二度とない人生を悔いなく過ごしてほしい」という想いと共に創業時から受け継がれているものになります。
東宮キャリア自律がそれだけ当たり前に根付いているのは素晴らしいですね。そういった企業だからこその、人事部門の難しさもありますか。
望月:文化として根付いているのでキャリア自律の考え方の導入が課題になることはありませんが、「キャリア自律を支援する」ことの難しさは常に感じます。
「自律」の難しさは、社員のやる気や動機を強制してしまったら、自律ではなくなってしまうことだと思うのです。
よく「自律的に学ばせる」と言います。しかし、「~させる」という考えに立つと、その瞬間から「自律」とは矛盾してしまいそうです。
どうすれば社員が自ら意思を持って動くことができるのか。どのように自律的な行動や意思決定を支援するのか。
人事が出すぎると自律を奪ってしまいますし、そうかと言って何もないと社員も動きにくい。この間で「いい塩梅」をつくることが難しいですね。
「いい塩梅」をうまくプラットフォームとして作れると、皆が自分の意思でそれぞれの舞台に立ち、「活躍したい」「成長したい」「貢献したい」と自ら踊り出せると思うのです。
私は、その舞台をいかに整えるかが、人事が持つべき視点として重要だと考えています。







